名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20171107

2017-11-07 | 大山将棋研究
今回は後手番谷川先生のほうから。

第1問


飛車取りですが。
A 61歩 B 64飛 C 76角成

第2問


桂香取りですが。
A 65桂 B 76角成 C 63飛

第3問


飛取りですが。
A 91飛 B 41飛 C 68馬

第4問


銀取りには
A 45歩 B 43飛 C 86馬

第5問


竜取りには
A 45桂 B 39銀 C 16桂
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大山将棋研究(696);四間飛車に居飛車穴熊(谷川浩司)

2017-11-07 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171107
昭和58年1月、谷川浩司先生と第41期名人挑戦者リーグです。

大山先生の四間飛車に谷川先生は居飛車穴熊です。

谷川先生の52金右から居飛車穴熊というのが当時の常識としては無造作で、51金~41金右~32金のほうが正しいとされていました。つまりここで44歩と突くのではつまらない、という認識でした。41金右の形ならば42角と引く余地があったということなんです。谷川先生が序盤に気を使っていない感じが出ています。今は松尾流穴熊もあるから違和感はないかもしれませんが。

33角のままでは使えず、42角の位置でも使えず、仕方なくの四手角です。

大山先生はその角の位置をとがめに行きました。

谷川先生は飛の素抜きを狙いますが、75歩で困っているのではないかと。

大山先生は端を突いて85歩93角94歩のほうを狙いました。これには85歩と受けるしかなく

6筋の歩を取って突き出して、大山先生の手の調子が良いです。64同銀に44角がある、というのも穴熊の組み方が悪いのです。

角をぶつけて

角の打ちあいです。

谷川先生は64飛が利いたのが良い感じで、57金と受けさせて62歩はもったいないのですが、ここでは互角になっています。62歩よりは63飛かも。

82角成に65桂が利いてしまいました。64馬同銀65銀は79角があるので成立しています。

大山先生は銀と桂香の二枚換えでバランスを取ろうとしますが、左の桂香が残っているのでは喜べません。駒得とはいえずに互角でしょう。

谷川先生も馬を作って、ここで大山先生が68桂と打ったのは悪手でした。83歩か73歩かで悪くないと思います。

桂馬を投入して馬を追い

竜を作ったのに無視されて68馬と桂を取られてしまいます。

形勢が傾くと有利な方に好手が出やすいものです。銀取りを無視して45歩が利いて

桂で取っても食いちぎられ

拠点に銀を打ちこまれては穴熊が遠すぎます。

後は谷川先生がどう寄せるかだけで、金銀を埋めたり剥がしたりの手順で

馬取りを無視して と金を作り

飛車を成り込んで

端から寄せがありました。

投了図。25桂があるので詰んでいます。

谷川先生も終盤型なので序盤に粗さがあります。居飛車穴熊としては合格点をつけられない駒組みでした。
大山先生は居飛車穴熊にもだいぶ慣れていた時期のはずですが、何度か強手を食らって倒れてしまいました。順位戦だと安全に勝とうという意識が働いてしまうのでしょうね。完封のつもりが食い破られるとひどいことになります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:谷川浩司8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八銀(39)
12 3二玉(42)
13 3九玉(48)
14 5三銀(62)
15 6七銀(78)
16 3三角(22)
17 5八金(69)
18 2二玉(32)
19 4六歩(47)
20 5二金(61)
21 3六歩(37)
22 8五歩(84)
23 7七角(88)
24 1二香(11)
25 4七金(58)
26 1一玉(22)
27 2八玉(39)
28 2二銀(31)
29 1六歩(17)
30 3一金(41)
31 2六歩(27)
32 4二金(52)
33 3七桂(29)
34 4四歩(43)
35 2七銀(38)
36 3二金(42)
37 3八金(49)
38 7四歩(73)
39 1五歩(16)
40 5一角(33)
41 5六歩(57)
42 9四歩(93)
43 9六歩(97)
44 8四角(51)
45 8八飛(68)
46 6四歩(63)
47 8六歩(87)
48 同 歩(85)
49 同 飛(88)
50 7三桂(81)
51 8八飛(86)
52 6五歩(64)
53 9五歩(96)
54 8五歩打
55 6五歩(66)
56 9五歩(94)
57 6四歩(65)
58 6二飛(82)
59 6六角(77)
60 同 角(84)
61 同 銀(67)
62 4九角打
63 7一角打
64 6四飛(62)
65 5七金(47)
66 6二歩打
67 8二角成(71)
68 6五桂(73)
69 同 銀(66)
70 同 飛(64)
71 6六歩打
72 6三飛(65)
73 9一馬(82)
74 7六角成(49)
75 6五香打
76 8三飛(63)
77 9二馬(91)
78 8四飛(83)
79 9三馬(92)
80 8一飛(84)
81 7八飛(88)
82 7五歩(74)
83 6八桂打
84 8六馬(76)
85 8七歩打
86 同 馬(86)
87 7五飛(78)
88 6九馬(87)
89 7二飛成(75)
90 6八馬(69)
91 4七金(57)
92 4一飛(81)
93 7五馬(93)
94 4五歩(44)
95 同 桂(37)
96 4四銀(53)
97 6二香成(65)
98 4五銀(44)
99 5二成香(62)
100 4三飛(41)
101 4五歩(46)
102 4六歩打
103 4八金(47)
104 4七銀打
105 3七銀打
106 4八銀成(47)
107 同 金(38)
108 4五飛(43)
109 3八銀打
110 5七金打
111 同 金(48)
112 同 馬(68)
113 4八歩打
114 4七歩成(46)
115 同 歩(48)
116 4六歩打
117 4八金打
118 4七歩成(46)
119 5七金(48)
120 3七と(47)
121 同 銀(38)
122 4九飛成(45)
123 3八銀(27)
124 1六桂打
125 同 香(19)
126 1七銀打
127 同 玉(28)
128 3八龍(49)
129 2八銀打
130 1八金打
131 投了
まで130手で後手の勝ち





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20171107今日の一手(その598);盲点

2017-11-07 | 今日の一手

20171107今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、HさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
香と金歩の交換で馬と竜馬を作り合っています。後手に持ち歩があるので歩をカウントしませんが、少し先手の駒得です。
玉の堅さは先手の方がわずかに堅いか。66銀を守りに働いているとするかどうかの違いです。
先手の攻め駒は42飛44馬と持ち駒金で3枚。
後手の攻め駒は13馬19竜と持ち駒銀桂で4枚。

総合すればやや先手もちです。

☆ 大局観として
先手玉は堅いように見えても37金66銀の働きが悪いのです。そのため駒得のありがたみが減っています。よってこの金銀を使って守ろうという考えが有力です。
一方後手玉は金銀2枚を61香と打って補強したところです。この61香が金並の働きをしているからまだまだ難しい、と考えることができます。いや、金よりも劣るよ、と攻める手段があれば先手が一気によくなります。
攻めと受けとどちらを選びましたか?


○ 攻めるとしたら、かなり意外に思うのですが、71馬

と切ってしまいます。先手玉は堅くはないけれど、まだ寄せられるには時間がかかりますから。
71同玉に52金

が気の利かない手に見えるのですが、62金打をどうやって受けたものか。何か埋めるのですが62桂には53金打


62銀には44歩

と金つくりです。


△ 馬を切らずに52金だとどうか。62銀だと

62同金同香同馬同金同竜と清算してみます。61金と受けて

竜を逃げておいて53桂狙いでも良いですが、52金と打つのが手筋の寄せです。62金同金71桂

竜を捨てればこうなります。53銀と置いて、48歩に72金同玉61銀82玉62銀成

と小駒だけでも寄せていくことができました。

62桂と埋められた時には

清算すると駒が足りなくなります。55歩が攻めの筋ですが、28竜54歩58銀

が厄介で、金を打ってしまったので受けが無く、ぼろぼろ駒を取られてしまいます。

となれば62桂と打たせてからは受けに回ることになりますが、悪くないにしても難しいです。


△ 95歩と端を攻めたらどうか。

95同歩には93歩同香92金

92同玉71馬82金95香同香93歩

としてから銀を取れば寄っています。

後手は93歩の瞬間が甘いので62桂

95香93香同香成同玉

これなら寄りそうにも思うのですが、難しいですね。

93歩ではなく95同香

としても92金の筋が狙えます。でもやはり62桂91香成同玉

で玉の位置が違うのですが、これも難しいです。

あるいは95歩に28竜94歩92歩

というのもあります。1手分で端を詰めたけれども58銀をどうするか。金を打てば手堅いけれど、何とも言えないところです。
ここで71馬を決行しても寄せ合いは怪しいです。(71馬同玉52金62桂44歩58銀となる。)


× 攻めの筋は55歩

で と金つくりです。しかし48歩同金56桂

を食らうと駒を取られてしまいます。


○ 軽い手筋は24歩で

後手は馬筋を通したいので24同馬12竜

これで攻め駒が4枚になりました。28竜に25歩を利かし、25同馬くらい。95歩同歩98香打

香車は端に使えます。62桂に95香同香93歩

も利かせて95香から攻めていきます。まだ先は長いですが、かなり手が続きます。


△ 実戦は35歩と馬筋を止めました。

18竜57銀引64桂

馬の筋が止まれば58銀の方は受けやすくなっています。(58同金同竜48金)
桂を打たれて間違えました。66馬に35馬と使われるのですが、玉が堅くなるので先手が指しやすかったと思います。

香を取れますし。

それを逃したにしても41飛成は一手パスです。76桂

で銀を取られては駒得が消え、77馬68桂成同銀35馬

で形勢逆転しています。手順を省略しますが

馬を封じてもゆっくり攻められて負けました。


△か○ 受けるなら57銀引

28竜47金

というのがどうか。これは47金を先にしても同じことになりそうです。持ち駒の金を打ちたくないので盤上の金銀を引き付けていきます。58銀同金同竜48金

57角成58金同馬59金

二枚換えされていますが、盤上で働きの悪かった金銀が竜と交換になったのです。36馬には32飛打がありますから馬を切られて攻められるのですが、後手玉も堅いわけではないですから先手が十分指せそうです。


△ 77銀引

と守っておくのもあります。これだと28竜47金58銀

が厳しくなってしまうのです。58同金同竜48金打68馬

68同銀69銀77玉78金66玉68竜35角

ここに角を打てるのでまだ大変です。でも守ったのにここまで攻められるのでは、好んで指すものではないです。

47金ではなくて48金打

としておけば手堅いです。でも攻撃力が落ちるので長期戦です。


☆ まとめ

44馬が攻防のかなめに見えてしまうのですが、攻めるなら71馬と金を取るのが重要な手です。

理想を言えば端を攻めて、92金同玉71馬という筋を狙います。後手玉は7筋が壁なので考えやすかったでしょう。ただし62桂と埋められたり、92歩と謝られたりではっきりしません。

単に71馬と切るのは見えづらいです。先手玉が遠い(穴熊だったらと想像してください)ので馬を切っても寄せてしまえばよかったのでした。その後の52金も指しにくい感じなのですが。馬が消えると と金つくりがスムーズになるということが背景にあります。

手順前後で52金では、やはり62桂と埋められてよくわかりません。

危ないようでも24歩同馬12竜、香を取るのが成立していました。そのあとに25歩で馬筋をそらせられることを確認しておきます。

攻める手が見えないときは、自玉を固めておくのが無難なものです。後手から48歩もあるので47金と寄せたいですし、66銀を引いて馬を引き付ける、というのも指しておきたい手です。馬を引いたら44歩から と金で攻めるというのが確実な手です。

形勢は悪くないので、これらの手あるいは方針を発見できたかどうかです。棋風に左右されるのですが、じっくりした戦いが好みならば一度は受けに回ります。軽い棋風ならば24歩が見えたでしょう。攻めの棋風ならば、71馬は盲点かもしれませんが、95歩は考えねばなりません。

盲点に入る、というのを避けるために、これはないだろうという手も一度は考えてみるものです。実戦の中では難しくても、棋譜をつけて検討するときには是非とも考えてみてください。指し手の幅が広がります。

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20171107今日の一手(その597);受けのテクニック

2017-11-07 | 今日の一手

20171107今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、MさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の桂歩歩得です。後手に持ち歩があるので歩をカウントしませんが、先手の駒得です。
玉の堅さは先手の方が堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角桂で2枚。28飛はすぐ使えそうで3枚に近いです。
後手の攻め駒は86飛と持ち駒角で2枚。65銀も使えそうで3枚に近いです。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
駒得で玉が堅いのですから先手有利は間違いありません。当面は後手から66歩や76歩があるのですが、これを受けるか、無視して攻め合いか、という比較です。後手の攻め駒が少ないのでどちらもありそうなのです。
先手の攻め駒がせいぜい3枚なので後手玉を一気に寄せてしまうことはできないのですが、攻め合いなら後手から駒をもらえる(65銀が何かと交換になって攻め駒が増える)ことを期待できます。

攻めを考える時には後手玉の位置が深いので横から寄せるのは遠いのではないか、上から攻めても届きづらいのではないか、という懸念があります。攻め方に工夫が必要です。
受けを考えると、37桂36銀という形が不安定でして、銀取りか桂取りに角を打たれる筋に気をつけねばなりません。87歩の存在も不気味です。
だから形勢から考えたよりも難しい局面だと思います。


△ 実戦は63歩52金73歩成

と攻めました。けれど後手玉は遠いです。嫌なのは66歩同銀同銀同金88歩成

で取れば十字飛車という攻め筋です。けれどこの時に73と が働いていまして、67玉とかわしておいて上部に逃げ出す指し方で、先手が十分に指せます。先手玉が安定すればゆっくり攻めればよいです。

実戦はそれが分かって指したのかどうかは不明ですが、76歩

の方でした。76同銀同銀同金54角

これで両取りなのですが、58角と打てば受かります。
元が桂得ですから36銀の方は捨てて指すのもあります。実戦は銀を捨てて87玉でしたが75銀

これは危ない受け方を選んだようです。87玉ではなくて65銀とかなら良かったでしょう。
ここで受け方は難しくなっていて、自然に思える65銀が疑問手でした。
76銀同玉36角62歩成

というのを先手は期待していたわけですが

65同角

と取られてしまって、65同金86飛

78玉88歩87歩62歩成88歩成

これでは寄せの速度が違います。逆転に成功した後手が順当に押し切りました。

65銀と打つところでは65桂(あるいはおとなしく77歩もあるか)

ならば、65同角同金86飛77玉

がアクロバティックな受けです。89飛成75金は先手よし。後手は持ち駒が銀ではなく桂なので76銀打がありません。これならどうにか有利を保てたのですが、気が付きにくいです。


○ 攻めるなら24歩のほうで(34歩を先でも同じことになりそう)

飛車を使わないと攻め駒が足りません。24同歩に25歩では遅いので、34歩同銀22歩同玉24飛

と走ります。途中22歩と打って玉を呼ぶのが手筋です。23金と受けるのでは心細いので、23銀25飛(銀取り)54角24歩

と縦横に飛を使って攻めます。34銀65飛同角35歩

飛は切ってしまいますが、後手の攻めは遅いのです。43銀は仕方なく、例えば34桂同銀同歩75桂66金67歩58金

もう少し駒をもらって23銀から一気に寄せられるかどうか。先手有利は保てているはずです。


△ 普通の受けは66歩で

76歩同銀同銀同金54角58角

と受けるか、

76歩に65歩と取り合って

77歩成同金上88銀97香

で受けきれるか。

どちらもそれなりに怖いですが、駒得ですから受けきりを狙います。


×か△ 73歩成を利かせて

ここでは手抜きにくくて、多分取るでしょう。73同金に76歩66歩

76歩のほうを受けるのもあります。後手は66歩の一手で、66同銀同金59角

76歩を打ったので十字飛車の筋は消してあるのですが、これが案外に受けにくくて、26角48銀29桂88歩成

飛の横利きを止めさせられて88歩成が入ります。まだ先手有利だとは思いますが、かなり食いつかれているので勝ちにくそうです。

歩を成り捨てても66歩なら

最初から66歩と同じようなものなのですが、1歩渡して後手陣を乱したというのは善悪不明です。


× 55角は攻防のようですが

66歩の方は緩和しています。76歩同銀同銀同金54角

58角とは打てないので、65歩36角73歩成27銀

これはかなり怪しくなっています。


○ 47角はしっかりした受けで

36銀にひもを付けています。54角と打ちあえば66歩76歩

65歩77歩成同金寄88銀

ここでは97香で受けきりを狙うのは少し危なさそうです。55銀99銀成35銀89成銀24歩同歩44銀左

攻め合いに出れば47角が受けに良く利いていますし、後手の角を狙って攻めることができます。

後手が単に76歩とすれば

76同銀同銀同金55角66歩46角38飛

かなり利かされた感じがありますが、先手の方だけ手が進んでいるとも見えます。後手から有力な攻め筋がなく、先手の方は遅くても確実な攻め(35銀打~34歩、24歩同歩25歩など)があります。

66歩の方は

65角67歩成同金

次に24桂がかなりの厳しさです。


× 87玉はだめな受け方で、54角

で困っています。


× 45歩は攻めているようでも

76歩を取れず(清算して88歩成同玉55角の筋)66銀同銀同金86飛

に97銀くらいしかなく、81飛86歩95歩

で受けが無くなっていきます。


☆ まとめ

攻めて勝とうとすればあまり選択肢がありません。

実戦のように63歩52金73歩成は後手の金を守りにつけさせているし、どこかで捨てられて速度負けかもしれません。
24歩あるいは34歩から攻めよう、というのが一番早いでしょう。歩の手筋、飛の手筋を駆使して攻める順はないか、と読みます。


受ける方はあれこれ選択肢がありますが、後手からは66歩と76歩の二通りの攻め方があるために容易ではないのです。

元の形勢が良いので66歩あるいは73歩成同金76歩、と歩で受けるのが常識的で、ひどいことにはなりません。後手の攻めは66歩のほうが厳しいようで、先に66歩と打つ方が優りました。
受ける場合は寄せのセオリーとはかなりずれます。大きな駒でも自陣に打ってしまうほうが手堅いです。この場合は47角と投入するのも手堅い手なのです。銀取りですし、36銀にひもを付けて後手の54角を緩和する効果もあります。
55角は66の地点を受けただけで、73歩成に期待しましたがうまくいきませんでした。
実戦の63歩52金73歩成というのは受けとしては高級なテクニックで、上部に と金を作って、先手玉を上にかわしていく感じです。攻めとしてはだめな手だけれど、受けを考えたら大きな意味がありました。

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