名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

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20180810今日の一手(その736);筋の良い手はどれか

2018-08-10 | 今日の一手

20180810今日の一手

4月7日の名南将棋大会から、MさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と桂歩歩の交換で馬を作り合っています。後手は歩切れですからやや先手の駒得です。
玉の堅さは41金が離れているので先手のほうが少し堅いか。
先手の攻め駒は85馬と持ち駒桂桂で3枚。
後手の攻め駒は45馬と持ち駒銀で2枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
わずかずつですが、3つの要素すべてで上回っています。明らかな形勢有利ですから、自然な手を選べば悪くなることはないでしょう。
ゆっくり指して後手玉を固めさせても、先手の駒得が効いてくるでしょう。後手玉が薄いからすぐに攻めるのも有力です。

× 実戦は52馬

と切ったのですが、駒損になるので不自然な手です。後手玉が薄くなるという効果はあるのですが、52同金に(67歩成が気になって)56桂43銀83飛成

81飛成とできなくなっているというのもマイナスです。67銀と打ちこまれて63金68銀成53金(52金のほうがよかった)同金同竜42金

これで難局です。


○ 56桂を先にすれば

82飛にも52馬

が利きます。86飛41馬87飛成42金は寄り筋です。52同飛に81飛成51飛82竜32銀46金

駒損は消えていきますし、馬を取れば44桂が利くので十分でした。


○か△ そんなにあわてる必要はなくて、74馬としても

後手の67歩成は速い手ではないのです。32銀81飛成55銀

と後手は抵抗するほうが良いのでしょうが、63歩成同金92馬同香82飛52銀92飛成67歩成

43香が見えれば(65角から竜角の交換でも)後手玉を攻略できます。
74馬は平凡な手なので、優勢までもっていくには後で好手が必要という感じです。


○か△ 76馬は堅実な感じですが

67銀の打ち込みが嫌味に見えます。67同金同歩成46歩

これは と金を払えます。

後手は馬で取り返すしかなく

67同馬同歩成81飛成32銀

ここで寄せの手が見えれば優勢になります。いくつか正解がありそうですが、46桂45銀63歩成同金85角

こんな両取りでも後手は困っています。


○ 74歩は一番筋が良いです。

得した筋の歩を突きだすのが一番歩得を主張できる指し方です。後手としては73歩成を受けにくい(何か受けても75桂がある)ので、82飛73歩成85飛同飛67歩成

飛車を切って と金つくりで勝負です。81飛成32銀63歩成43金71飛

二枚飛車+と金ですから簡単に寄せられますね。


△ 66同飛は自然です。

82飛86飛55馬

ここで52馬が利きますが(86飛41馬87飛成42金は先手の勝ち)、52同飛81飛成51飛

飛車をぶつけられるので明快ではありません。

馬を切らずに74馬86飛同歩32銀

駒損をしないほうが良さそうです。後手からの67歩成がないというのはメリットですが、優勢まではいかないでしょう。


○ 56歩は

67歩成の筋に備えていて、56同馬に74馬

馬交換だと73歩成がスムーズです。これを避ければ、65銀打92馬同香81飛成32銀61飛

二枚飛車が素早く実現します。


○ 46歩は

馬筋をそらして67歩成を防いでいます。46同馬74馬32銀81飛成

歩を渡していますが、67歩成に対応して飛車を成り込んでいます。


△か× 他には63歩成同銀

ここで何かあればよいのですが、何もなければ歩を渡して先手の駒損になります。


☆ まとめ

先手が明らかな有利(優勢に近い)ですから、自然な手、悪い手でない手を指していれば構いません。

最善を追及すると、一番筋の良いのは74歩だと思います。得した筋の歩を突きだすのが一番歩得を主張できる指し方なのです。後手は と金つくりを受けにくくて、後手から飛車を切ってもらうほうが、先手から74馬~92馬よりも効率が良いですね。


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