名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS1-10 居飛車穴熊に藤井システム(1)

2023-05-30 | 基本定跡の研究

今日からは居飛車穴熊に対する藤井システムを調べます。私は穴熊が苦手なのでどうしようかと思っていたのですが。居飛車穴熊に組めばつぶされるし、振り飛車穴熊にしても作戦負けになるし、良い思い出がないです。なのでほぼ関心がなかったのですが、ブログを書くついでに調べてみました。穴熊と急戦の両方に対応するのが大変で、さらに居飛車のミレニアム囲いが見直されて、3つには対応できなくて指されなくなったみたいですね。

初期のころの居飛車穴熊は

66銀型で引き角にしています。右金が59~69と動くのが特徴でしょうか。この図で評価値は+256、先手の作戦勝ちです。角を移動して(金の位置を保留して)、75歩同歩78飛と7筋を攻める将棋もありました。

藤井システムは

こんな図を目指します。居玉のまま右桂を跳ねて穴熊をねらいます。この図で評価値は-83、後手の作戦勝ちと見て良いでしょう。98香65歩77銀85桂となれば後手有利です。

73桂や54銀とされると、居飛車としては66歩を突く必要があり、最初の図の堅い穴熊にはなりません。なので右金は58~67と動くことが多くなりました。

序盤も94歩に対して58金右とします。この頃は端歩を受けてから居飛車穴熊にすることも多いようです。それは藤井システムとは離れますから、端歩は受けない形を調べます。後手は43銀型も52金左型もあるのですが、43銀57銀95歩77角25歩33角74歩88玉64歩66歩

居飛車としては後で66歩を突かされるので、先について受けの形を作ってしまえと。73桂67金62飛

後手は飛を移動して、後手の右翼からの攻撃力を高めます。こうなると98香よりは78金と固めたいわけで、52金右36歩65歩

68銀上32金55歩41玉

もう相居飛車の将棋ですね。 56銀66歩同角63銀79玉64銀58飛

こんな進行例で、評価値は-253。後手が指しやすいです。

戻って

この図で評価値は+78あります。86角のけん制が有力で、52金右36歩

45歩24歩同歩37桂32金78金

84歩35歩85歩68角35歩45桂

桂馬を単騎で跳ねていくのがAIの好みです。22角77桂44歩33歩

31金には53桂成同金24飛、33同桂ならば同桂成同角46銀

攻勢を取っている方を指しやすいと見ているようで、評価値は+200くらい。先手ペースです。この図を見ていると9筋の位が生きていないなあという感じがします。

互いの手の組み合わせで局面が変わりますから、深入りはしないでおきます。

藤井システムにもいろいろな形がありまして、今日のような相居飛車に近い形を好む振り飛車党は限られます。美濃囲いに組めないのは嫌だとか、理解できない人もいたでしょう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  SS1-9 天守閣美濃に藤井シス... | トップ |  SS1-10 居飛車穴熊に藤井シ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

基本定跡の研究」カテゴリの最新記事