名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20191015今日の一手(その933);寄せ合い負けならば

2019-10-15 | 今日の一手

20191015今日の一手

9月15日の名南将棋大会から、KさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

銀と角桂の交換で と金を作っていますから、先手の大きな駒得です。

玉の堅さは後手のほうが少し堅いです。これは金銀の連携によるもので、先手の79角は受けに働いていない感じです。

先手の攻め駒は持ち駒飛角桂で3枚。33と もすぐに使えそうです。

後手の攻め駒は28飛と持ち駒銀銀で3枚。

 

総合すれば先手やや有利です。

 

☆ 大局観として

先手の駒得が大きいですが、29桂は取られそうなので大差ではありません。ひたすら受けて長期戦を目指してよし、とは言いにくいのです。寄せ合いにするか、少し受けておいて攻めるか、少し方針の分かれるところです。後手からどれだけ厳しい攻めがあるか考えてみましょう。それがうるさいのならば受けておくほうがよいです。

 

☆ 簡単なまとめ

25角が攻防になります。

これは32飛(どこから打つかは微妙)47銀の時に打ってもよいです。

 

 

△ 実戦は32飛でした。どこから打つべきかは難しいのですが、飛を打って寄せ合うのは常識的です。

47銀68金寄58銀打

銀で絡まれて厄介です。77玉69銀成同金29飛成78銀58銀成

後手に47銀を活用されて(好手)少し悪くなりました。58同金79飛成で後手よしで、そこから粘れませんでした。

 

途中78銀ではなく78金とすれば

58銀成には68銀で守れるので形勢は互角くらいでした。

 

もっと戻って47銀に25角

これは攻防の手ですね。58銀成同金29飛成68金

62金寄43と から分岐します。34歩

25角の筋をずらして攻めようという手。

 

41金と打って

手を稼ごうとする手は攻撃力が落ちるのであまり怖くないか。

 

86桂から

86同歩87銀同玉79飛成88銀89竜43と

これは先手の寄せ合い勝ちでしょう。

分岐はありますが、先手有利のようです。

 

 

△ 飛の打ち場所としては22飛

これは後に後手が31金と打つのが有効になるかもしれません。42と33銀というのも場合によって成立するので、32飛のほうがよいか。

 

 

△ 41飛は

1段目が良いか2段目が良いかというのと、42と と使えるのがスムーズだけれど、51金引で当てられるのも気になります。(でも11飛成が自然で悪くはないです。)

 

 

△ 21飛か31飛か

後手が角を持っていないので、この2つはどちらも違わないようです。

1段目の影響は、47銀25角58銀成同金82玉68金62金寄43と

53と同金61角成があるので、1段目でもよいというか、元の後手玉が1段目なので1段目の飛打ちのほうが厳しい感じです。

 

 

△か× 44桂で攻めるのは

小さな駒から使うという寄せのセオリーに従っています。62金寄42と47銀68金寄58銀打

寄せの速度としては上がっていないですし、52と から金をはがしても と金+桂 VS 金ですからあまり得ではないです。飛+と金 で と金VS金 で交換する方が得です。(この図を避けて47銀の時に25角を打ちたいのですが、利きがダブっている=重い感じです。)

 

 

△ 43と と捨てて

43同金41飛52銀11飛成29飛成

52銀を打たせたので、後手からの攻めを緩和しています。この図は先手よしなのでしょうが、ぴったりした攻め方がわかりません。

 

 

○ さて何度か出てきた25角ですか、問題図ですぐに打ってもよいです。

受けるならば先に打つ方が手堅い原則です。47銀がなければ29飛成くらい。43と51金引31飛

(52とがあるので)82玉53と51歩32飛成19竜63と

後手は厳しい攻めがないので桂香を拾うくらい。先手は と金で銀を取れるでしょう。駒得が大きいです。

 

 

○ 47角はもっと受けに片寄っているのですが

29桂を守り、のちに25角から攻める手を見ています。先に受ける方が手堅い+駒を打つ方が手堅い 両方の原則に従っています。それでいて攻め駒不足も緩和しているのです。27歩成41飛36歩

後手は25角と出させない攻め方をして、36同歩38銀同角同飛成42と

これは先手が47角を打って後手の攻めを遅らせたのです。42同金同飛成47銀58角59金打

今度は金を手に入れているので金を埋める受け方もできます。

 

 

○ 68金寄は

47銀を避けた受けの手です。これも先に受ける方が手堅い原則ですね。持ち駒を打っていないので攻撃力はそのままです。47銀には25角がより効果的ですから、29飛成41飛51金引11飛成

こんなところでしょうか。19香も取られたとして、銀角交換+と金があるので先手の駒得を保っています。

 

 

△ 68銀も受けの手ですが

47歩に59金寄

48銀には69金なので、不安が残りますが問題はないようです。

 

 

△か× 48銀では

後手から47歩もありますし、27歩成~38と で当たってくるので薄い受けに見えます。

△ 68角は

29飛成41飛88銀59桂

これでも先手有利ですが88銀を打たせるか、打たれる前に59桂が必要か、というのは指しにくい手順です。

 

☆ まとめ

後手からの47銀68金寄58銀打というのがうるさい攻めでした。

寄せ合いでは負けそうなのです。

① 受けて手を延ばす

② 攻防の手を指す

どちらかが必要でしょう。

 

それ以前に、先に受ける方が手堅い原則にのっとり、後手からの47銀を避けて、68金寄や47角などの受けを考える方が、受けとしてはやさしいです。

また、先に25角の攻防手を打っておくのもよいです。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大山将棋問題集20191014 | トップ |  大山将棋研究(1377);四間... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今日の一手」カテゴリの最新記事