名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

棋聖宗歩問題集20220126

2022-01-26 | 天野宗歩研究

後手番大橋先生の手を考えます。

第1問

 

先手の68銀右は疑問手です。

A 75歩  B 86歩  C 55歩

 

第2問

 

どう応じても後手が良さそうですが、より実戦的な対応です。

A 75同歩  B 75同銀  C 31玉

 

第3問

 

これで攻めが切れません。

A 64桂  B 48角  C 55歩

 

第4問

 

即詰みです。

 

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天野宗歩研究(33);相掛り(大橋宗珉)

2022-01-26 | 天野宗歩研究

今日の棋譜20220126

1852年11月、大橋宗珉先生と御城将棋の2番目です。

ゴキゲン中飛車のようなスタートでしたが、5筋の歩を突き合います。

相掛りになり、天野先生は早めに2筋の歩を交換します。

85歩28飛23歩22角成、これは一手損になるのですが、

後手が8筋の歩を交換出来るかどうかです。86歩同歩同飛75角76飛は後手有利ですね。内藤先生の解説では、86歩同歩同飛85歩同飛96角82飛63角成は先手有利だというのですが、AIで確認すると後手が指しやすいと。(歩の損得はなく)馬を作っても使いにくいということのようです。

41玉57銀(ここで86歩同歩同飛は75角がある)33銀77銀と進み、飛先を交換出来た天野先生が少し指しやすいです。

でも駒組は後手のほうが進んでいます。大橋先生は早繰り銀から

左の銀も繰り出して5筋の歩を交換します。

天野先生は素直に交換を許しましたが45歩の突き出し。45同銀には65歩73銀55歩35歩・・・ではなくて18角を打てば44歩46歩で銀が死んでいるのです。(うっかりしそうですが。)

33銀69玉から駒組に戻ります。

大橋先生の52金は、71角から馬を作ってよいという手ですが

天野先生は打たなかったのでここまで進みました。銀を引かせたので先手の手得になりましたが、角を交換しているので手得を生かすのは難しいのです。後手からは75歩の攻めもある(今は1歩交換だけですが)ので、何を指しておくべきか。

天野先生の68銀右は、銀矢倉にしようというのでしたが疑問手です。86歩と突かれて、86同歩85歩は嫌な形ですし、

86同銀と取ったのですが、39角から馬を作られました。先手不利です。

じっとしていても仕方ないので、軽く動いて

角を合わせるのは勝負手でしょう。大橋先生は飛の取り合いでも57同馬同金としても悪くはないですが、

85飛35角同馬、これでも後手有利でしょう。先手の勝負手はうまくいきませんでした。

53歩同金47金85飛

56金52金。天野先生は攻め駒の配置ができましたが4歩損(で持ち歩1枚)では良くならないです。

75歩31玉53歩

53同銀には45桂ではないのですか。桂も渡しにくいのでしょうが、74歩では

後手に桂をさばかれてしまいます。

桂交換から64桂、金取りと76歩を打たれるのはどちらも痛いです。

73歩成76歩86銀、強く応対するのは二度目の勝負手ですが、

86同飛同歩44角、これは痛くて

飛を逃げている余裕もなくて、71飛51歩63と、で寄せ合いです。大橋先生は77銀から

1枚はがして76歩、どこに逃げるかの比較は難しいですが、

67玉26角と進みます。

52と87飛、先手玉が逃げると56桂や37角成で詰めろが続くでしょう。

77歩同歩成同銀76歩、これも詰めろです。

66玉77竜75玉、上に逃げだして難しく見えますが、

56桂51竜22玉53と。この図で先手玉に詰みがあります。(詰まなければ73金くらい。)

64銀で投了でしたが、64同玉66竜65歩37角成以下、ちょうど詰んでいます。

 

大橋先生は御城将棋で1番返して面目を保ちました。天野先生でも序盤にリードできなければ苦しいです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1852/11/17
手合割:平手  
先手:天野宗歩
後手:大橋宗珉
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 3四歩(33)  
   3 2六歩(27)  
   4 5四歩(53)  
   5 5六歩(57)  
   6 6二銀(71)  
   7 4八銀(39)  
   8 5三銀(62)  
   9 2五歩(26)  
  10 3二金(41)  
  11 7八金(69)  
  12 8四歩(83)  
  13 2四歩(25)  
  14 同 歩(23)  
  15 同 飛(28)  
  16 8五歩(84)  
  17 2八飛(24)  
  18 2三歩打    
  19 2二角成(88)
  20 同 銀(31)  
  21 8八銀(79)  
  22 4一玉(51)  
  23 5七銀(48)  
  24 3三銀(22)  
  25 7七銀(88)  
  26 6四銀(53)  
  27 6六歩(67)  
  28 4四銀(33)  
  29 5八金(49)  
  30 5五歩(54)  
  31 同 歩(56)  
  32 同 銀(64)  
  33 5六歩打    
  34 6四銀(55)  
  35 4六歩(47)  
  36 7四歩(73)  
  37 4五歩(46)  
  38 3三銀(44)  
  39 6九玉(59)  
  40 5二金(61)  
  41 3六歩(37)  
  42 8四飛(82)  
  43 7九玉(69)  
  44 9四歩(93)  
  45 8八玉(79)  
  46 7三桂(81)  
  47 6八銀(57)  
  48 8六歩(85)  
  49 同 銀(77)  
  50 3九角打    
  51 2六飛(28)  
  52 6六角成(39)
  53 7七銀(86)  
  54 5六馬(66)  
  55 3五歩(36)  
  56 4五馬(56)  
  57 3七桂(29)  
  58 3五馬(45)  
  59 5七角打    
  60 8五飛(84)  
  61 3五角(57)  
  62 同 飛(85)  
  63 5三歩打    
  64 同 金(52)  
  65 4七金(58)  
  66 8五飛(35)  
  67 5六金(47)  
  68 5二金(53)  
  69 7五歩(76)  
  70 3一玉(41)  
  71 5三歩打    
  72 同 銀(64)  
  73 7四歩(75)  
  74 6五桂(73)  
  75 6六銀(77)  
  76 7七歩打    
  77 同 桂(89)  
  78 同 桂成(65)
  79 同 銀(68)  
  80 6四桂打    
  81 7三歩成(74)
  82 7六歩打    
  83 8六銀(77)  
  84 同 飛(85)  
  85 同 歩(87)  
  86 4四角打    
  87 7一飛打    
  88 5一歩打    
  89 6三と(73)  
  90 7七銀打    
  91 同 金(78)  
  92 同 歩成(76)
  93 同 玉(88)  
  94 7六歩打    
  95 6七玉(77)  
  96 2六角(44)  
  97 5二と(63)  
  98 8七飛打    
  99 7七歩打    
 100 同 歩成(76)
 101 同 銀(66)  
 102 7六歩打    
 103 6六玉(67)  
 104 7七飛成(87)
 105 7五玉(66)  
 106 5六桂(64)  
 107 5一飛成(71)
 108 2二玉(31)  
 109 5三と(52)  
 110 6四銀打    
 111 投了        
まで110手で後手の勝ち

 

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棋聖宗歩問題集20220125

2022-01-25 | 天野宗歩研究

先手番天野先生の手を考えます。

第1問

 

自陣角を打ち合いました。ねらうところは?

A 65歩  B 55歩  C 46歩

 

第2問

 

抑え込まれないように攻めを続けます。まずはここから。

A 23歩成  B 36歩  C 34歩

 

第3問

 

先手玉が堅いので強く戦えます。

A 24歩  B 56歩  C 65歩

 

第4問

 

即詰みです。

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天野宗歩研究(32);矢倉対左美濃(和田印哲)

2022-01-25 | 天野宗歩研究

今日の棋譜20220125

1852年11月、和田印哲先生と初めての御城将棋です。

後手の和田先生は振り飛車模様からの52金右で居飛車です。

天野先生は78銀から引き角で、うそ矢倉をとがめます。

2筋の歩を切って角交換までは何局も並べました。互いに左美濃ですが、

天野先生は矢倉へ。

(総)片矢倉(天野矢倉)までは予定通り。和田先生は棒銀です。早繰り銀だとすぐに65歩を突かれるかもしれないから、このほうが自然でしょうか。

でも75歩や95銀の攻めを選択しないのです。待っているだけでは作戦負けになるでしょう。

天野先生は早繰り銀です。

和田先生の45歩は仕方ないのかもしれません。57銀に53角も、先手からの71角を防いで仕方のないところか。

天野先生も自陣角でけん制です。37角に73桂のところでは、手損でも73銀はあったかも。

55歩同歩同角52飛、戦場は中央に移るのですが、和田先生の棒銀が遊んでしまうので面白くないでしょう。と言って83飛~64歩~65歩というのも時間がかかるのですが。

37角35歩、後手の左翼で戦いたくはないです。現代ならば大局観が悪いと切られるところでしょう。

26飛44金35歩。自然なのは35同金ですが、56飛とまわって先手十分です。

55歩28飛

64角24歩、取れば王手金取りですね。

35金36歩、36同金には34歩です。

34金23歩成同銀56歩。56同歩同銀55歩65歩は先手よしですし、56同歩同銀37角成同桂55歩43角も後手陣が保ちそうにありません。

26歩55角、角交換は43角などがあるので

53角75歩同角35歩、取れば44角ですし、

24金でも44角。

64角55歩86歩同歩42飛、やっと和田先生の反撃の手順です。

71角成85歩、これで棒銀の顔がたちました。

8筋を詰めて32金と締まる、さてこれからということろですが。

56銀46歩同歩96歩同歩97歩同香までは良いとして、85桂ではなくて25金ですか。桂を渡して34桂を打たれるのも困るということなのでしょうが、それでも右の銀桂を使わないとだめだと思います。

28飛46飛34歩、34同銀には17桂が嫌なのでしょうが、取るしかないのでは。

27歩同飛36金

33歩成同金47歩。飛の取り合いにはできませんが、41飛が馬取りです。23飛成同金62馬でも先手有利というか優勢なのでしょうが、

56飛23飛成では駒得にもなりません。

23同金56金59飛、これは詰めろにも2手すきにもなりません。

45桂56飛成のところで

33桂成同玉34歩、即詰みでここまで。

 

和田先生に良いところがありません。序盤の失敗が原因なのですが、それがわかっていない時代なのでしょう。天野先生一人が先を行っていました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1852/11/17
手合割:平手  
先手:天野宗歩
後手:和田印哲
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 3四歩(33)  
   3 2六歩(27)  
   4 4四歩(43)  
   5 2五歩(26)  
   6 3三角(22)  
   7 4八銀(39)  
   8 3二銀(31)  
   9 5六歩(57)  
  10 5四歩(53)  
  11 5八金(49)  
  12 5二金(61)  
  13 7八銀(79)  
  14 4三金(52)  
  15 7九角(88)  
  16 4二玉(51)  
  17 2四歩(25)  
  18 同 歩(23)  
  19 同 角(79)  
  20 同 角(33)  
  21 同 飛(28)  
  22 2三歩打    
  23 2八飛(24)  
  24 3一玉(42)  
  25 6六歩(67)  
  26 2二玉(31)  
  27 6八玉(59)  
  28 8四歩(83)  
  29 6七金(58)  
  30 8五歩(84)  
  31 7七銀(78)  
  32 6二銀(71)  
  33 7八玉(68)  
  34 7四歩(73)  
  35 5七銀(48)  
  36 7三銀(62)  
  37 6八金(69)  
  38 8四銀(73)  
  39 3六歩(37)  
  40 9四歩(93)  
  41 1六歩(17)  
  42 9五歩(94)  
  43 1五歩(16)  
  44 3三桂(21)  
  45 4六銀(57)  
  46 4五歩(44)  
  47 5七銀(46)  
  48 5三角打    
  49 3七角打    
  50 7三桂(81)  
  51 5五歩(56)  
  52 同 歩(54)  
  53 同 角(37)  
  54 5二飛(82)  
  55 3七角(55)  
  56 3五歩(34)  
  57 2六飛(28)  
  58 4四金(43)  
  59 3五歩(36)  
  60 5五歩打    
  61 2八飛(26)  
  62 6四角(53)  
  63 2四歩打    
  64 3五金(44)  
  65 3六歩打    
  66 3四金(35)  
  67 2三歩成(24)
  68 同 銀(32)  
  69 5六歩打    
  70 2六歩打    
  71 5五角(37)  
  72 5三角(64)  
  73 7五歩(76)  
  74 同 角(53)  
  75 3五歩(36)  
  76 2四金(34)  
  77 4四角(55)  
  78 6四角(75)  
  79 5五歩(56)  
  80 8六歩(85)  
  81 同 歩(87)  
  82 4二飛(52)  
  83 7一角成(44)
  84 8五歩打    
  85 2六飛(28)  
  86 8六歩(85)  
  87 8八歩打    
  88 3二金(41)  
  89 5六銀(57)  
  90 4六歩(45)  
  91 同 歩(47)  
  92 9六歩(95)  
  93 同 歩(97)  
  94 9七歩打    
  95 同 香(99)  
  96 2五金(24)  
  97 2八飛(26)  
  98 4六飛(42)  
  99 3四歩(35)  
 100 2七歩打    
 101 同 飛(28)  
 102 3六金(25)  
 103 3三歩成(34)
 104 同 金(32)  
 105 4七歩打    
 106 5六飛(46)  
 107 2三飛成(27)
 108 同 玉(22)  
 109 5六金(67)  
 110 5九飛打    
 111 4五桂打    
 112 5六飛成(59)
 113 3三桂成(45)
 114 同 玉(23)  
 115 3四歩打    
 116 投了        
まで115手で先手の勝ち

 

 

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天野宗歩研究(31);角換わり早繰り銀(和田印哲)

2022-01-24 | 天野宗歩研究

今日の棋譜20220124

1852年5月、時は7年ほど進んで和田印哲先生と再戦です。

和田先生の先手で角換わりのオープニングでしたが、天野先生は62銀。飛先を交換されるので良い手ではないのですが、挑発なのでしょうか。

先手は68玉だったので角を交換します。

77同銀22銀のところで24歩同歩同飛33角34飛86歩同歩88歩33飛成というような変化はあったのですが、78玉33銀と進みます。現代的には後手の早繰り銀対策が面倒だと思いますが、

和田先生のほうが早繰り銀を目指します。歴史的には戦後に角換わり腰掛け銀のブームがあって、そのあとに角換わり棒銀が流行りました。早繰り銀は現代まで流行することはなかったのですが、江戸時代に指されていたとは。

長らく早繰り銀と腰掛銀では腰掛銀が指しやすくなると言われていました。どうでしょうか。

腰掛銀は45歩を突いて先手の銀を追えるからなのですが、34歩の取り込みは入ります。銀の取り合いは先手が1歩得になりますから。

34同銀35歩(打つほうが良いかどうかも微妙)の時に銀の取り合いは微妙なところでしたが、天野先生はおとなしく銀を引きます。

37銀に33角、この自陣角は攻防に働きます。和田先生は46歩から1歩持って待つくらいが自然なのですが、

26飛52金66歩、矢倉囲いをさらに進めようとしています。でも後手が65歩から攻めやすくなるので、疑問の構想だったということになります。

駒組が進行する途中で、天野先生は38歩。相居飛車の場合はまあまあの手になることが多いです。和田先生は48銀と受けるのかと思えば

28角、これはきかされでしょう。角の働きに差があります。73桂からもう少し駒組が進み、

この図で指しかけ、指し継がれませんでした。後手の作戦勝ちの図です。

今日の問題集は作りません。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1852/5/19
手合割:平手  
先手:和田印哲
後手:天野宗歩
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 8四歩(83)  
   3 2六歩(27)  
   4 8五歩(84)  
   5 2五歩(26)  
   6 3二金(41)  
   7 7七角(88)  
   8 3四歩(33)  
   9 8八銀(79)  
  10 6二銀(71)  
  11 6八玉(59)  
  12 7七角成(22)
  13 同 銀(88)  
  14 2二銀(31)  
  15 7八玉(68)  
  16 3三銀(22)  
  17 4八銀(39)  
  18 4二玉(51)  
  19 3六歩(37)  
  20 6四歩(63)  
  21 1六歩(17)  
  22 1四歩(13)  
  23 3七銀(48)  
  24 6三銀(62)  
  25 5八金(49)  
  26 5四銀(63)  
  27 4六銀(37)  
  28 4四歩(43)  
  29 3五歩(36)  
  30 4五歩(44)  
  31 3四歩(35)  
  32 同 銀(33)  
  33 3五歩打    
  34 4三銀(34)  
  35 3七銀(46)  
  36 3三角打    
  37 2六飛(28)  
  38 5二金(61)  
  39 6六歩(67)  
  40 7四歩(73)  
  41 6七金(58)  
  42 3八歩打    
  43 2八角打    
  44 7三桂(81)  
  45 3六飛(26)  
  46 4四角(33)  
  47 6八金(69)  
  48 6二飛(82)  
  49 3四歩(35)  
  50 中断        
まで49手で中断

 

 

 

 

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棋聖宗歩問題集20220123

2022-01-23 | 天野宗歩研究

後手番天野先生の手を考えます。

第1問

 

最善かは不明ですが、あまり見ない手筋で手を作ります。

A 64歩  B 68歩  C 24歩

 

第2問

 

先手玉を薄くできましたが、後手陣にも嫌味があります。

A 27金  B 67金  C 64角

 

第3問

 

厳しく迫ります。

A 84桂  B 67銀  C 57銀

 

第4問

 

きれいに寄せました。

A 86同歩  B 36角  C 95銀

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天野宗歩研究(30);相矢倉(市川蘭雪)

2022-01-23 | 天野宗歩研究

今日の棋譜20220123

1845年10月、市川蘭雪先生と平手です。市川先生は南町奉行、パトロンでもあって指導将棋だったとか。

後手の天野先生が振り飛車模様からの84歩、この当時の流行だったのでしょう。

先手が天野先生ならば77角の形で受けて引き角から2筋の歩交換を目指すところです。銀で受けたので

相矢倉(うそ矢倉)へ進みます。

先後同型になりました。戦後しばらくのころならば、46角64角から四手角総矢倉に進むのでしょうか。

16歩73銀、この73銀型が出現したのは、戦後に升田先生が雀刺しを考案した後だと思っていました。天野先生の棋譜には現代将棋の形が多く出てきます。

角で7筋の歩を交換して

84に引いて

矢倉崩しの理想形を目指します。これが江戸時代にあったのです。

これで後手の作戦勝ちかと言えば、そうでもないです。73桂45歩と進めば互角、先手番の得を失ったかなというくらいです。(後手が64角の形の矢倉崩しの理想形を作れたら作戦勝ちでした。)

天野先生は86歩同銀66歩同銀62飛、先攻を選びます。

市川先生は64歩同飛65歩の受け。65同銀は75銀右ですから、6筋は受かります。

桂を跳ねて6筋の位を守り、まあまあではないでしょうか。

73角48飛68歩、矢倉ではあまり出てこない垂れ歩です。まあ左金で取りそうなところで

64歩同歩65歩。天野先生はちょっと強引に攻めていきます。65同銀同銀同桂64角52銀か(後手にも59銀があるので互角)、65同桂64角45歩か(飛角を使えるので本筋)、と思いましたが、

75銀右同銀同銀59銀、先に割打ちを打たれて、先手がちょっと嫌な形です。

28飛66歩、これはどちらかで取るべきなのですが、銀でしょうか。

市川先生は57金寄と逃げたので、66に拠点が残ったままです。68銀成同飛64角、天野先生は先手に52銀を打たれる前に、駒損でも角飛をさばきます。

この図は67銀や79銀が残っていて、先手の嫌な形です。駒損でも後手が指せそう。

78銀に27金。ちょっとうっかりしそうですが、四手角の弱点です。

15角14歩33角成、33銀と交換できるのでまだ難しいでしょう。

33金寄35歩37金、後手の駒得に変わります。

34歩同金41銀

42金75角、厳しそうな攻めですが、

82飛42角成同飛32金、攻め駒が減ってしまうので先手よしにはなりません。

清算して82飛の王手。合駒は何が正解でしょうか。ここは小さい駒が良くて42桂でのはずでした。

42銀24歩同歩22歩。天野先生の42銀はわかっていて打ったのでしょう。53銀から千日手になるところです。指導将棋なので引き分けで終わるつもり。市川先生の22歩は、21歩成としても詰めろではないので甘い手です。

天野先生は寄せに出ます。39角58金84桂、気が付かない攻め方ですね。(59角とか59銀から攻める方が普通か。)

84同飛成に67歩成で両取りです。

83竜78と同飛73歩、後手玉はまだ安全です。

79飛66角成82竜

86歩21歩成。まだ後手玉は詰めろではなく、

87歩成同竜85歩。85同竜には74銀、よりも94角のほうが使えそうです。

68桂の強防に86銀

86同桂95銀、うまく寄せるものですね。ここまで。

 

江戸時代の棋譜には見えなくて、私が子供のころの定跡書に書いてあったような相矢倉です(矢倉崩しの理想形を作って攻めつぶす形が紹介されていた)。天野先生の序盤は100年は先を行っていたということですね。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1845/10/20
手合割:平手  
先手:市川蘭雪
後手:天野宗歩
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 3四歩(33)  
   3 2六歩(27)  
   4 4四歩(43)  
   5 2五歩(26)  
   6 3三角(22)  
   7 4八銀(39)  
   8 3二銀(31)  
   9 5六歩(57)  
  10 5四歩(53)  
  11 3六歩(37)  
  12 8四歩(83)  
  13 7八銀(79)  
  14 8五歩(84)  
  15 7七銀(78)  
  16 4二角(33)  
  17 7八金(69)  
  18 3三銀(32)  
  19 7九角(88)  
  20 3二金(41)  
  21 6八角(79)  
  22 6二銀(71)  
  23 6九玉(59)  
  24 5二金(61)  
  25 5八金(49)  
  26 4一玉(51)  
  27 6六歩(67)  
  28 4三金(52)  
  29 6七金(58)  
  30 3一玉(41)  
  31 7九玉(69)  
  32 2二玉(31)  
  33 8八玉(79)  
  34 7四歩(73)  
  35 1六歩(17)  
  36 7三銀(62)  
  37 4六歩(47)  
  38 7五歩(74)  
  39 同 歩(76)  
  40 同 角(42)  
  41 7六歩打    
  42 8四角(75)  
  43 5七銀(48)  
  44 6四歩(63)  
  45 5九角(68)  
  46 7四銀(73)  
  47 2六角(59)  
  48 6五歩(64)  
  49 3七桂(29)  
  50 8六歩(85)  
  51 同 銀(77)  
  52 6六歩(65)  
  53 同 銀(57)  
  54 6二飛(82)  
  55 6四歩打    
  56 同 飛(62)  
  57 6五歩打    
  58 6一飛(64)  
  59 7七桂(89)  
  60 7三角(84)  
  61 4八飛(28)  
  62 6八歩打    
  63 同 金(78)  
  64 6四歩打    
  65 同 歩(65)  
  66 6五歩打    
  67 7五銀(66)  
  68 同 銀(74)  
  69 同 銀(86)  
  70 5九銀打    
  71 2八飛(48)  
  72 6六歩(65)  
  73 5七金(67)  
  74 6八銀成(59)
  75 同 飛(28)  
  76 6四角(73)  
  77 同 銀(75)  
  78 同 飛(61)  
  79 6五歩打    
  80 8四飛(64)  
  81 7八銀打    
  82 2七金打    
  83 1五角(26)  
  84 1四歩(13)  
  85 3三角成(15)
  86 同 金(43)  
  87 3五歩(36)  
  88 3七金(27)  
  89 3四歩(35)  
  90 同 金(33)  
  91 4一銀打    
  92 4二金(32)  
  93 7五角打    
  94 8二飛(84)  
  95 4二角成(75)
  96 同 飛(82)  
  97 3二金打    
  98 同 飛(42)  
  99 同 銀成(41)
 100 同 玉(22)  
 101 8二飛打    
 102 4二銀打    
 103 2四歩(25)  
 104 同 歩(23)  
 105 2二歩打    
 106 3九角打    
 107 5八金(57)  
 108 8四桂打    
 109 同 飛成(82)
 110 6七歩成(66)
 111 8三龍(84)  
 112 7八と(67)  
 113 同 飛(68)  
 114 7三歩打    
 115 7九飛(78)  
 116 6六角成(39)
 117 8二龍(83)  
 118 8六歩打    
 119 2一歩成(22)
 120 8七歩成(86)
 121 同 龍(82)  
 122 8五歩打    
 123 7八桂打    
 124 8六銀打    
 125 同 桂(78)  
 126 9五銀打    
 127 投了        
まで126手で後手の勝ち

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棋聖宗歩問題集20220122

2022-01-22 | 天野宗歩研究

後手番天野先生の手を考えます。

第1問

 

ここに目がいくとは。

A 42銀  B 42飛  C 45歩

 

第2問

 

さらに掘り進めます。

A 57角  B 35角  C 42飛

 

第3問

 

どこかで飛を打ち込みたいのです。

A 28飛  B 26飛  C 14歩

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天野宗歩研究(29);相掛り(荻田重次郎)

2022-01-22 | 天野宗歩研究

今日の棋譜20220122

1845年、荻田重次郎先生と4局目です。

荻田先生の先手で相掛りです。

浮き飛車と引き飛車の対抗で

旧相掛り、と言ってもこの時代は旧型しかないでしょう。角交換するとは限らないので天野先生でも腰掛銀までは考えなかったか。

荻田先生は早繰り銀(江戸時代にはあったのに戦後になっても見かけませんでした)で、天野先生の44歩は雁木で受けるのだと思えたのですが。

69玉に45歩、57銀には角交換して35角が両取りです。ならば45同銀しかなく

42飛の銀取り。この受けは46歩しかなさそう。

で桂馬を跳ねます。荻田先生としては強く34銀しかなかったようです。後手に47角を打たれるのが気になりますが、33銀成同金45桂の攻め筋がありますから。

36銀と引いたら46飛ではなくて57角。ここで68角84角成ではちょっと悪いです。

なので角を温存して銀を引いたら45歩。45同歩35角成ではまずいから

58銀46角成

46同飛同歩48歩。この図でどちらが良いかですが、飛角交換は少し先手の駒損として、玉の堅さは同程度、持ち角2枚のほうが良いけれど後手の42飛もまあまあ。なので形勢は互角に近いはずなのですが。

82飛に18角、この自陣角が働くかどうかです。後手の28飛に備えた受けの意味は分かるのですが、

42銀上に55歩を突いて先手よしでなければなりません。でも43銀54歩同銀左55歩45銀のところで何もなし。こんなことならば角を打たずに28歩くらいで済ませておくべきだったか。荻田先生は長考したようですが、さらに68に自陣角を打ちます。

43銀46角14歩。先手の主張は1歩得ですが、後手に持ち歩があるので大した意味はありません。天野先生は端歩を突いて18角をねらい、飛の打ち込みを考えています。

68角44銀右36歩15歩、これで後手十分で、

シンプルに端を攻めます。

香を捨てても桂を取り返せるし

両取りで飛を打ち込めます。

桂得で竜を作ったところで、荻田先生は投了でした。

 

荻田先生の駒組に隙があったわけですが、天野先生の攻めは動き過ぎのようでも、これで指せるという自信はあったのでしょう。それは感覚的なものか、(感覚なしには読みませんが)読みの裏付けがどこまであったかは聞いてみたいところです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1845/00/00
手合割:平手  
先手:荻田重次郎
後手:天野宗歩
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 8四歩(83)  
   3 2六歩(27)  
   4 8五歩(84)  
   5 2五歩(26)  
   6 3二金(41)  
   7 7八金(69)  
   8 8六歩(85)  
   9 同 歩(87)  
  10 同 飛(82)  
  11 2四歩(25)  
  12 同 歩(23)  
  13 同 飛(28)  
  14 2三歩打    
  15 2六飛(24)  
  16 8二飛(86)  
  17 8七歩打    
  18 6二銀(71)  
  19 4八銀(39)  
  20 5四歩(53)  
  21 5六歩(57)  
  22 5三銀(62)  
  23 5七銀(48)  
  24 3四歩(33)  
  25 4六銀(57)  
  26 4四歩(43)  
  27 6九玉(59)  
  28 4五歩(44)  
  29 同 銀(46)  
  30 8八角成(22)
  31 同 銀(79)  
  32 4二飛(82)  
  33 4六歩(47)  
  34 3三桂(21)  
  35 3六銀(45)  
  36 5七角打    
  37 4七銀(36)  
  38 4五歩打    
  39 5八銀(47)  
  40 4六角成(57)
  41 同 飛(26)  
  42 同 歩(45)  
  43 4八歩打    
  44 8二飛(42)  
  45 1八角打    
  46 4二銀(31)  
  47 6八角打    
  48 4三銀(42)  
  49 4六角(68)  
  50 1四歩(13)  
  51 3六歩(37)  
  52 4四銀(53)  
  53 6八角(46)  
  54 1五歩(14)  
  55 7五歩(76)  
  56 1六歩(15)  
  57 同 歩(17)  
  58 同 香(11)  
  59 1七歩打    
  60 同 香成(16)
  61 同 桂(29)  
  62 1六歩打    
  63 2九角(18)  
  64 1七歩成(16)
  65 7四歩(75)  
  66 同 歩(73)  
  67 1七香(19)  
  68 2七飛打    
  69 4七角(29)  
  70 1七飛成(27)
  71 投了        
まで70手で後手の勝ち

 

 

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棋聖宗歩問題集20220121

2022-01-21 | 天野宗歩研究

後手番天野先生の手を考えます。

第1問

 

どう動くかの方針を決めます。

A 53角  B 73桂  C 34歩

 

第2問

 

76歩を払われて失敗したようですが。

A 77歩  B 65銀  C 19角成

 

第3問

 

2筋に嫌味があります。

A 77歩  B 76飛  C 34玉

 

第4問

 

この手で先手は投了でした。

A 29竜  B 69角  C 64馬

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