負けましたが後手番升田先生の手を考えます。
第1問
逆転して互角になったかな、という局面です。
A 69銀 B 73銀打 C 74飛
第2問
この75歩が甘くて後手有利になるのですが、手の選択は難しいです。
A 75同銀 B 77金 C 97香
第3問
ここで86歩と打ったのが失敗です。正しくは?
A 88金 B 69飛 C 78同飛成
負けましたが後手番升田先生の手を考えます。
第1問
逆転して互角になったかな、という局面です。
A 69銀 B 73銀打 C 74飛
第2問
この75歩が甘くて後手有利になるのですが、手の選択は難しいです。
A 75同銀 B 77金 C 97香
第3問
ここで86歩と打ったのが失敗です。正しくは?
A 88金 B 69飛 C 78同飛成
今日の棋譜20220718
1938年1月、加藤竹次郎先生(加藤博二先生の父親)と大阪中外です。
阪田流になりそうな序盤ですが、古い将棋では33同角成とすることが少ないです。
加藤先生は角筋も止めてゆっくり。
これは「中央に銀を二枚並べる戦型」になりそうなのですが、
升田先生は中飛車に。
玉を右に持っていくので、陽動中飛車です。後年振り飛車も指すようになってから多用していました。
加藤先生は矢倉から引き角ですが、57の銀を48に戻すのではつまらないです。(現代ならば居飛車穴熊に組み替えるところです。) 22飛を強要して
引き角棒銀の形です。矢倉は対振り飛車では堅くないので、作戦勝ちにはなりません。
この58飛の意味が良くわからないのですが、
45歩に35歩。なんだか方向があっていないです。
73角34歩32飛、後手を持ちたい感じですが、
升田先生は65歩を取ってしまいました。66歩で銀が死んではおかしいです。53銀と引いて問題はなかったと思いますが、66銀~55歩を面倒だと思ったのでしょうか。
34飛65歩、銀損ですし、28角成同飛37歩成、あるいは37歩成で良くなるわけはありません。
65同金57角33桂66銀、駒損なので金を逃げるのも嫌だと
66同金同角25桂で勝負になるのか?
75歩同歩11角成37歩成
37同桂同桂成74歩、これは取るしかないか。
74同飛65銀24飛。加藤先生の65銀では65金のほうが優りました。
37銀同角成74桂で寄せに行くのですが、65銀が金ならば、どこかで75歩を取れます。
83玉55馬
55同馬同歩73銀打86香。これは攻めあぐねています。74銀あるいは74飛と受けられたら切れたでしょう。
64歩に助けられ、82金
82同銀84香同玉82桂成
65歩72成桂。升田先生は当然72同金から受けに回るのだと思ったら、
76桂同金同歩61成桂。後手玉は裸です。先手の持ち駒(攻め駒)が多く、後手不利でしょう。
66角98玉74銀
51角3銀75歩。この75歩は詰めろではないし、詰み筋もないです。加藤先生は自玉に手を入れておくところだったでしょう。
97香同桂77金88金打。千日手で逃れたら良しです。(AIによると88金打では89香と受けたら先手が良いというのですが、怖いです。)
88金同金同角成同飛77金
78金88金同金77金78金28飛成、24飛が使えて、後手優勢です。
79銀88金同金77金78金打、千日手含みで粘っていたら、86歩という甘い手が出ました。升田先生としては、86歩ではなくて78同飛成同金78金の詰めろが正解でした。(ちょっと考えにくい手ですがAIは正確です。他に89金同玉69飛なんていう手順も指摘してくれます。)
68桂57飛89香、桂香で受けられて、先手玉はすぐに寄らなくなっています。
75玉42角成64金。こうなれば泥仕合です。
35角47飛成57銀。後手の入玉は難しくなりました。
78金同銀95歩同歩96歩。まだ升田先生が残しているように見えましたが、
67金に95香は敗着です。76金を受けるために36竜くらいでした。
76金85玉85金打から
95香を取られては望みはなく、
後は指してみただけ。
升田先生の銀損は流石に無理でした。加藤先生も間違えて、終盤で逆転します。粘っていたら升田先生が正解を見つけられず再逆転。長いですが見ている分には面白いです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.50 棋譜ファイル ----
開始日時:1938/01/13(木) 00:00:00
棋戦:大阪中外
戦型:その他の戦型
手合割:平手
先手:加藤竹次郎
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 3二金(41)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 5六歩(57)
10 5四歩(53)
11 6六歩(67)
12 5三銀(42)
13 5八金(49)
14 4四銀(53)
15 6七金(58)
16 8四歩(83)
17 7八銀(79)
18 5五歩(54)
19 同 歩(56)
20 同 銀(44)
21 5七銀(48)
22 5二飛(82)
23 5六歩打
24 6四銀(55)
25 6八玉(59)
26 4四歩(43)
27 7七銀(78)
28 4三金(32)
29 7八玉(68)
30 6二玉(51)
31 7九角(88)
32 7二銀(71)
33 1六歩(17)
34 1四歩(13)
35 4八銀(57)
36 2二飛(52)
37 3六歩(37)
38 7一玉(62)
39 3七銀(48)
40 5一角(33)
41 8八玉(78)
42 8二玉(71)
43 7八金(69)
44 9四歩(93)
45 9六歩(97)
46 5四金(43)
47 6八角(79)
48 7四歩(73)
49 5八飛(28)
50 4五歩(44)
51 3五歩(36)
52 7三角(51)
53 3四歩(35)
54 3二飛(22)
55 6五歩(66)
56 同 銀(64)
57 6六歩打
58 3六歩打
59 2八銀(37)
60 3四飛(32)
61 6五歩(66)
62 同 金(54)
63 5七角(68)
64 3三桂(21)
65 6六銀(77)
66 同 金(65)
67 同 角(57)
68 2五桂(33)
69 7五歩(76)
70 同 歩(74)
71 1一角成(66)
72 3七歩成(36)
73 同 桂(29)
74 同 桂成(25)
75 7四歩打
76 同 飛(34)
77 6五銀打
78 2四飛(74)
79 3七銀(28)
80 同 角成(73)
81 7四桂打
82 8三玉(82)
83 5五馬(11)
84 同 馬(37)
85 同 歩(56)
86 7三銀打
87 8六香打
88 6四歩(63)
89 8二金打
90 同 銀(73)
91 8四香(86)
92 同 玉(83)
93 8二桂成(74)
94 6五歩(64)
95 7二成桂(82)
96 7六桂打
97 同 金(67)
98 同 歩(75)
99 6一成桂(72)
100 6六角打
101 9八玉(88)
102 7四銀打
103 5一角打
104 7三銀打
105 7五歩打
106 9七香打
107 同 桂(89)
108 7七金打
109 8八金打
110 同 金(77)
111 同 金(78)
112 同 角成(66)
113 同 飛(58)
114 7七金打
115 7八金打
116 8八金(77)
117 同 金(78)
118 7七金打
119 7八金打
120 2八飛成(24)
121 7九銀打
122 8八金(77)
123 同 金(78)
124 7七金打
125 7八金打
126 8六歩打
127 6八桂打
128 5七飛打
129 8九香打
130 7五玉(84)
131 4二角成(51)
132 6四金打
133 3五角打
134 4七飛成(57)
135 5七銀打
136 7八金(77)
137 同 銀(79)
138 9五歩(94)
139 同 歩(96)
140 9六歩打
141 6七金打
142 9五香(91)
143 6四馬(42)
144 同 銀(73)
145 7六金(67)
146 8四玉(75)
147 8五金打
148 同 銀(74)
149 同 金(76)
150 8三玉(84)
151 8四銀打
152 9二玉(83)
153 9五金(85)
154 5三歩打
155 9四金(95)
156 9七歩成(96)
157 同 金(88)
158 7四角打
159 8五香打
160 9一桂打
161 8六金(97)
162 7七歩打
163 7五歩打
164 9六歩打
165 同 金(86)
166 3六龍(47)
167 6六歩打
168 8五角(74)
169 同 金(96)
170 7二金打
171 7四金(85)
172 9六歩打
173 9三歩打
174 8二玉(92)
175 7一角打
176 投了
まで175手で先手の勝ち
先手番宮田先生の手を考えます。
第1問
角交換して、ねらいはこの攻めです。(少し無理ですが。)
A 77桂 B 34角 C 33歩
第2問
細い攻めですが、つながりました。
A 22金 B 21馬 C 44金
第3問
先手玉は詰めろになっています。
A 78金 B 32馬 C 45香
第4問
この形ならば楽に詰むでしょう。
今日の棋譜20220717
1938年、対局日不明で宮田友和先生と、多分木見会です。
宮田先生の先手で相掛り、
5筋を突き合う先後同型のような形でしたが、升田先生は52金ではなくて64銀。66銀42銀68銀33銀46銀44銀の形はいつ指されるようになるのでしょうか。(激しい攻め合いになるので見てみたいです。)
宮田先生はおとなしく66歩75歩67金右と受けます。
7筋に位を取られても、後手の攻めはここまで。
駒組に戻ったのですが、この形で仕掛けました。うまくいくでしょうか。
35歩を同歩15歩同歩65歩。
88角成同金65銀33歩。これがねらいでしたか。22金には12歩同香11角で攻めが続きそうです。
33同桂34歩45桂46銀までは進むとして、升田先生の36角では44銀と受けるのが普通に見えましたが。
78玉44歩
33歩成同金22角。宮田先生は4歩損ですが両取りで
馬の作り合いも香を取っています。でも49香と受けに使うのでは今一つでしょうか。
14馬35銀36馬
46銀37歩(あまり効果がなかった)34歩
32金77桂76銀。77桂に74銀だと穏やかでしたが、銀を出れば激しいです。どちらが有利でしょうか。
76同金同65桂64銀。歩切れで桂取りなので、宮田先生は攻めを続けなければなりません。
45銀同歩74桂
72飛33銀。ねらいは32銀不成同玉33金です。升田先生は何か受けねばなりませんが、受けきりは難しかったのです。先手の攻めを遅らせる受けが正解だったようで、AIによると、22銀同銀成同金33銀の形で手を抜くか、31銀32銀成同銀33金の形で手を抜くか(先手の持ち駒に金と銀の違いが出てくる)が正解です。
34金は常識的ですが、32銀成同玉21馬。21同玉23竜は受けにくくて、詰めろに近い手が続きます。
41玉23飛成33金打
32金同金34竜。後手玉はまだ詰まないのですが、馬取りです。
69銀89玉78金98玉。先手玉も詰みません。
65銀と桂を取って、先手玉は詰めろでした。そこで45香が宮田先生の必殺の手です。44歩(とか43歩)でも32馬同飛44竜から詰んでしまうのです。詰みを逃れるのは45同馬しかなく
45同竜43歩78金。金を1枚補充しましたが、取らなくても32馬同玉34竜から詰んでいたようです。
97香同玉85桂98玉74飛、後手の飛の横利きが無くなれば簡単です。
32馬51玉52金、駒が余りますね。
52同玉43馬62玉51角まで。
激しい攻め合いになり、少し後手に分があったのですが、升田先生の見切りが早すぎました。宮田先生は強手で押し切りました。手としては選択肢が狭いので考えやすかったと思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.50 棋譜ファイル ----
開始日時:1938/00/00( ) 00:00:00
棋戦:その他の棋戦
戦型:相掛かり
手合割:平手
先手:宮田友和
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7八金(69)
6 8五歩(84)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 8六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 8七歩打
16 8二飛(86)
17 4八銀(39)
18 6二銀(71)
19 6九玉(59)
20 4一玉(51)
21 7六歩(77)
22 5四歩(53)
23 5六歩(57)
24 3四歩(33)
25 5七銀(48)
26 5三銀(62)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 9六歩(97)
30 9四歩(93)
31 5八金(49)
32 7四歩(73)
33 3六歩(37)
34 6四銀(53)
35 6六歩(67)
36 7五歩(74)
37 6七金(58)
38 7六歩(75)
39 同 金(67)
40 7五歩打
41 7七金(76)
42 4二銀(31)
43 6八銀(79)
44 5三銀(42)
45 6七金(77)
46 5二金(61)
47 3五歩(36)
48 同 歩(34)
49 1五歩(16)
50 同 歩(14)
51 6五歩(66)
52 8八角(22)
53 同 金(78)
54 6五銀(64)
55 3三歩打
56 同 桂(21)
57 3四歩打
58 4五桂(33)
59 4六銀(57)
60 3六角打
61 7八玉(69)
62 4四歩(43)
63 3三歩成(34)
64 同 金(32)
65 2二角打
66 4三金(52)
67 1一角成(22)
68 4七角成(36)
69 4九香打
70 1四馬(47)
71 3五銀(46)
72 3六馬(14)
73 4六銀(35)
74 3七歩打
75 3四歩打
76 3二金(33)
77 7七桂(89)
78 7六銀(65)
79 同 金(67)
80 同 歩(75)
81 6五桂(77)
82 6四銀(53)
83 4五銀(46)
84 同 歩(44)
85 7四桂打
86 7二飛(82)
87 3三銀打
88 3四金(43)
89 3二銀(33)
90 同 玉(41)
91 2一馬(11)
92 4一玉(32)
93 2三飛成(28)
94 3三金打
95 3二金打
96 同 金(33)
97 3四龍(23)
98 6九銀打
99 8九玉(78)
100 7八金打
101 9八玉(89)
102 6五銀(64)
103 4五香(49)
104 同 馬(36)
105 同 龍(34)
106 4三歩打
107 7八金(88)
108 9七香打
109 同 玉(98)
110 8五桂打
111 9八玉(97)
112 7四飛(72)
113 3二馬(21)
114 5一玉(41)
115 5二金打
116 同 玉(51)
117 4三馬(32)
118 6二玉(52)
119 5一角打
120 投了
まで119手で先手の勝ち
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
この攻めは案外にうるさいのです。
A 65同桂 B 77角成 C 55歩
第2問
これで後手十分です。
A 77歩 B 64歩 C 64金
第3問
これが速い手になるのですね。
A 19馬 B 45歩 C 55歩
今日の棋譜20220718
1938年月日不明で、神前光三先生と多分木見会です。
神前先生の先手で相掛りです。
5筋を突き合うのが普通で
先後同型で進んでいたのですが、この辺りから変わってきます。66歩と止めて
雁木へ。先手番にしてはおとなしい駒組です。
升田先生は63金から31玉。63金は気に入りませんが(当時は普通)、玉を深く囲い、角筋を通したままです。
神前先生も47金~37桂ですが、これだと玉の堅さは同等です。44歩79玉43銀と進めば先後同型ですし、ここまでは全くの互角のはず。
85飛77角84飛45歩という微妙なやり取り(45歩は先手の損かも)の後、升田先生が仕掛けます。
75同歩65歩同歩同桂。飛角桂だけなので軽い攻めですが、案外に手が続きます。先手の65同歩がおかしいのかもしれません。
22角成同玉66銀右39角。これは86歩同歩66角成同銀86飛88角87銀と攻める筋があります。
68飛64金。75金同銀同角成をみせて、先手の手が難しいのですが、
44歩同歩48歩28角成、神前先生は75金の筋は受けたけれど、48歩の形がひどいです。馬を作られ、19香は取られる形です。何か動かねばならないのですが、
77桂同桂成同銀65桂。これではだめですね。後手に持ち歩が多いので、玉が薄くなっただけです。
66銀左77歩88金45歩。升田先生は19香を取るのではなく、46歩同金37馬ねらい
当然45同桂ですが46歩。金が死んでいるのですね。でも57金のほうが難しそうですが、
53桂成同銀24歩47歩成。神前先生は桂を渡したし、24歩は同歩に51角とか23歩とか25歩とかの意味でしたが、もっと早くに工作していかねばならないところです。まあ形つくりでしょうか。
47同歩57桂打。79玉69金もやられそうですが、まあ仕方ないかも。
57同銀同桂不成58玉79銀、もう粘れなそうで、ここまで。
升田先生の軽い仕掛けが成功して、後手有利になりました。中盤でのスピード感覚があります。先手としては65歩を取らないか、もっと前に玉を79か48へ移動しておけば違うのですが。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.50 棋譜ファイル ----
開始日時:1938/00/00( ) 00:00:00
棋戦:その他の棋戦
戦型:相掛かり
手合割:平手
先手:神前光三
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7八金(69)
6 8五歩(84)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 8六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 8七歩打
16 8二飛(86)
17 4八銀(39)
18 6二銀(71)
19 6九玉(59)
20 4一玉(51)
21 5六歩(57)
22 5四歩(53)
23 7六歩(77)
24 3四歩(33)
25 5七銀(48)
26 5三銀(62)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 9六歩(97)
30 9四歩(93)
31 5八金(49)
32 7四歩(73)
33 6六歩(67)
34 6四歩(63)
35 6八銀(79)
36 5二金(61)
37 6七銀(68)
38 4二銀(31)
39 3六歩(37)
40 6三金(52)
41 4六歩(47)
42 3一玉(41)
43 4七金(58)
44 7三桂(81)
45 3七桂(29)
46 8五飛(82)
47 7七角(88)
48 8四飛(85)
49 4五歩(46)
50 7五歩(74)
51 同 歩(76)
52 6五歩(64)
53 同 歩(66)
54 同 桂(73)
55 2二角(77)
56 同 玉(31)
57 6六銀(57)
58 3九角打
59 6八飛(28)
60 6四金(63)
61 4四歩(45)
62 同 歩(43)
63 4八歩打
64 2八角成(39)
65 7七桂(89)
66 同 桂(65)
67 同 銀(66)
68 6五桂打
69 6六銀(77)
70 7七歩打
71 8八金(78)
72 4五歩(44)
73 同 桂(37)
74 4六歩打
75 5三桂成(45)
76 同 銀(42)
77 2四歩打
78 4七歩成(46)
79 同 歩(48)
80 5七桂打
81 同 銀(66)
82 同 桂(65)
83 5八玉(69)
84 7九銀打
85 投了
まで84手で後手の勝ち
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
先手玉のほうが堅く、後手は金銀が離れています。
A 24歩 B 35歩 C 45歩
第2問
大きな利かしです。
A 34同飛 B 35銀 C 44歩
第3問
ここまで予定通りです。
A 25飛 B 11と C 23と
今日の棋譜20220715
1938年月日不明で大野源一先生とサンデー毎日です。
大野先生の位取り
中飛車です。ちょっと流行してきましたか。
升田先生は前局と同じく端の位を取っています。
大野先生の64銀で変わります。
浮き飛車にする方が軽いです。大野先生の棋風にもあっているでしょう。
升田先生の左美濃にもちょっと驚きますが、天野先生の棋譜にもあったので珍しくはないのかも。大野先生は石田流ですが、1歩損なのと32金を使いにくいのがマイナスで、後手の作戦負けです。64銀と上がってから戻しているということもあるのですが、31銀のまま浮き飛車にして、24飛とぶつけるとか、74飛とまわって嫌がらせをするとか、端は受けておくか、工夫は出来たと思います。
升田先生は86角~65歩で動きます。
大野先生は65歩は取れないので45歩64歩31角の受け。
35歩は取ると38飛25飛37桂29飛成45桂でだめでしたから、54飛。
38飛46歩同銀24飛
28歩85歩77角37歩同銀64銀。あちこち手を出して難しくなったようですが、
46銀43金34歩。3筋は薄く、34同飛とは取れない形です。
34同金44歩42歩(これはつらい)55銀。大駒の働きにかなり差がついてしまいました。
65銀67金22角
75歩45金。雰囲気は出てきましたが、ここは34歩を打たれます。
34歩に37歩同飛28飛成
33歩成13角22と。升田先生の22と がおかしな感じです。普通は42と で十分すぎるのですが。意味としては香を取れると。
36歩47飛55金同角
38竜45飛54銀。両取りです。でもこの図を見越した22と だったのです。飛を逃げるとかではなく
11と45銀84香。後手は持ち駒飛しかないのです。
71玉53金、ねらいは63桂や83桂です。74桂もありますね。
86歩同歩62金64角
22角62金同玉53金71玉63桂。打ち歩詰めの形ですが、61玉には81香成か82香成で勝勢です。
63同銀同金44角77桂
62金81香成61玉
62金同玉42角成。これで詰めろです。
84飛に64歩も詰めろ。
72玉82金
清算して63歩成で詰めろ。
87歩97玉まで。
横歩を取られる位取り中飛車は、持久戦ではつまりません。最初のチャンスで56歩を突いたら、というのが戦後の名人戦(木村-塚田)で指されています。
升田先生は簡単に勝っていますが、飛を見捨てて香を取るというのが素晴らしい着想です。と金で香を取るのは8手後でなのです。堅い玉で駒損でも寄せてしまうというのは、現代的な終盤感覚でもあります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.50 棋譜ファイル ----
開始日時:1938/00/00( ) 00:00:00
棋戦:サンデー毎日
戦型:横歩取り
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:大野源一
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 5四歩(53)
5 2五歩(26)
6 5五歩(54)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 3二金(41)
11 3四飛(24)
12 5二飛(82)
13 2四飛(34)
14 6二玉(51)
15 2八飛(24)
16 2三歩打
17 5八金(49)
18 7二玉(62)
19 9六歩(97)
20 4二銀(31)
21 9五歩(96)
22 5三銀(42)
23 4八銀(39)
24 6四銀(53)
25 6六歩(67)
26 8二玉(72)
27 6八玉(59)
28 7二銀(71)
29 7八銀(79)
30 5四飛(52)
31 7九玉(68)
32 1四歩(13)
33 4六歩(47)
34 1三角(22)
35 4七銀(48)
36 3三桂(21)
37 7七角(88)
38 5三銀(64)
39 8八玉(79)
40 6四歩(63)
41 1六歩(17)
42 3四飛(54)
43 8六角(77)
44 8四歩(83)
45 3六歩(37)
46 4四歩(43)
47 6五歩(66)
48 4五歩(44)
49 6四歩(65)
50 3一角(13)
51 3五歩(36)
52 5四飛(34)
53 3八飛(28)
54 4六歩(45)
55 同 銀(47)
56 2四飛(54)
57 2八歩打
58 8五歩(84)
59 7七角(86)
60 3七歩打
61 同 銀(46)
62 6四銀(53)
63 4六銀(37)
64 4三金(32)
65 3四歩(35)
66 同 金(43)
67 4四歩打
68 4二歩打
69 5五銀(46)
70 6五銀(64)
71 6七金(58)
72 2二角(31)
73 7五歩(76)
74 4五金(34)
75 3四歩打
76 3七歩打
77 同 飛(38)
78 2八飛成(24)
79 3三歩成(34)
80 1三角(22)
81 2二と(33)
82 3六歩打
83 4七飛(37)
84 5五金(45)
85 同 角(77)
86 3八龍(28)
87 4五飛(47)
88 5四銀打
89 1一と(22)
90 4五銀(54)
91 8四香打
92 7一玉(82)
93 5三金打
94 8六歩(85)
95 同 歩(87)
96 6二金(61)
97 6四角(55)
98 2二角(13)
99 6二金(53)
100 同 玉(71)
101 5三金打
102 7一玉(62)
103 6三桂打
104 同 銀(72)
105 同 金(53)
106 4四角(22)
107 7七桂(89)
108 6二金打
109 8一香成(84)
110 6一玉(71)
111 6二金(63)
112 同 玉(61)
113 4二角成(64)
114 8四飛打
115 6四歩打
116 7二玉(62)
117 8二金打
118 同 飛(84)
119 同 成香(81)
120 同 玉(72)
121 6三歩成(64)
122 8七歩打
123 9七玉(88)
124 投了
まで123手で先手の勝ち
先手の升田先生の手を考えます。
第1問
対抗型では異筋なのですが。
A 36歩 B 36銀 C 56歩
第2問
攻めを続けます。この手はぴったりした感触でしょう。
A 23歩 B 25飛 C 65歩
第3問
これにて先手有利です。
A 42歩成 B 23金 C 53金
第4問
あちこち駒が当たっています。
A 24角 B 62角成 C 48飛
第5問
即詰みです。
今日の棋譜20220714
1937年12月、松田辰雄先生とサンデー毎日です。
現代将棋ならば55歩ではなくて52飛としてゴキゲン中飛車にするところですが、
横歩を取らせて52飛。これまでは居飛車ばかりでしたが、中飛車が登場しました。戦後に流行した(名人戦でも指された)のですが、この時期に出現していたのですね。
24飛に23歩ではなくて、56歩から急戦にする将棋が流行ったようです。(戦後の食糧難からか、急戦の将棋が流行しました。)
升田先生は横歩を取って手が遅れているのに、端の位を取ってゆっくりでも良いのでしょうか。
松田先生の54銀は好形ではあるのですが、もっと軽く攻める方が良かったでしょう。
升田先生の(47から)36銀。相居飛車ならば鎖鎌銀という名前です。対抗型では25に出られないから使いにくいのですが、ここでは25にも35にも出ることができます。
松田先生は51角35銀62角と受けます。
97角63銀上34銀に
53飛と受けられるから大丈夫だと。67銀に94歩は攻めてこいという手ですが、72金のほうが普通ではありました。
升田先生は45歩同歩43歩。歩を打つのは44からではないのですね。23銀成と42歩成のねらいです。
52飛に23銀成だと26歩と止められるから、24歩同歩同飛。
22歩に65歩。65同銀は45銀で良さそう。65同歩は42歩成で決まります。
51角26飛33歩。攻めは続くでしょうか。
64歩72銀23歩。34歩22歩成同金は63歩成同銀引42歩成で決まります。でも34歩22歩成43金11と24歩はまだ難しそうでしたが。
62角28飛23歩、後手が1歩しか持っていないので
23銀成26歩32成銀同飛。これならば有利になるでしょう。42歩成は22飛で失敗ですが、
63歩成同銀引53金。角取りで26飛をねらいます。
22飛62金同金24歩。取れば35角なので、35銀の我慢がまだ難しそうでしたが、
35同飛35角27歩成。飛の取り合いは怪しいですが、
62角成とすると、53角成が厳しいのです。松田先生は飛を取らずに75歩の我慢ですが、
71金73金75角。ここでも53角成は厳しく(72金同金71銀92玉72馬の筋)、
61歩35馬。金角交換から金を食い逃げした形ですから、先手のほぼ角得です。
28と72金同金24馬、飛を取り合って、升田先生の角得が確定します。
19と64歩74銀63銀
清算して22飛62香35馬。得している馬を使えば負ける要素がありません。
後手も金銀を持っているので粘れるのですが、と金が作れます。「勝ち将棋鬼のごとし」の状態です。
74歩は無視して と金を使い
72銀62と同歩63香。63同歩とは取れませんから
61銀打に62香成から清算して詰めろ。
71香に93銀。端の形が利いていて、桂香どちらで取っても同角成同玉の形は94歩から詰みます。93同桂同角成同香の形は91銀から。
松田先生は1歩損しているのに位を取ってゆっくり、ではうまくありませんでした。升田先生は難しいところもありましたが、攻め切って完勝しています。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.50 棋譜ファイル ----
開始日時:1937/12/05(日) 00:00:00
棋戦:サンデー毎日
戦型:対中飛車
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:松田辰雄
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 5四歩(53)
5 2五歩(26)
6 5五歩(54)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 3二金(41)
11 3四飛(24)
12 5二飛(82)
13 2四飛(34)
14 2三歩打
15 2八飛(24)
16 4二銀(31)
17 5八金(49)
18 6二玉(51)
19 9六歩(97)
20 7二玉(62)
21 9五歩(96)
22 5三銀(42)
23 4八銀(39)
24 5四銀(53)
25 6六歩(67)
26 8二玉(72)
27 6八玉(59)
28 7二銀(71)
29 7八玉(68)
30 6四歩(63)
31 6八銀(79)
32 7四歩(73)
33 4六歩(47)
34 3三角(22)
35 4七銀(48)
36 4四歩(43)
37 3六銀(47)
38 5一角(33)
39 3五銀(36)
40 6二角(51)
41 9七角(88)
42 6三銀(72)
43 3四銀(35)
44 5三飛(52)
45 6七銀(68)
46 9四歩(93)
47 4五歩(46)
48 同 歩(44)
49 4三歩打
50 5二飛(53)
51 2四歩打
52 同 歩(23)
53 同 飛(28)
54 2二歩打
55 6五歩(66)
56 5一角(62)
57 2六飛(24)
58 3三歩打
59 6四歩(65)
60 7二銀(63)
61 2三歩打
62 6二角(51)
63 2八飛(26)
64 2三歩(22)
65 同 銀成(34)
66 2六歩打
67 3二成銀(23)
68 同 飛(52)
69 6三歩成(64)
70 同 銀(54)
71 5三金打
72 2二飛(32)
73 6二金(53)
74 同 金(61)
75 2四歩打
76 同 飛(22)
77 3五角打
78 2七歩成(26)
79 6二角成(35)
80 7五歩(74)
81 7一金打
82 7三金打
83 7五角(97)
84 6一歩打
85 3五馬(62)
86 2八と(27)
87 7二金(71)
88 同 金(73)
89 2四馬(35)
90 1九と(28)
91 6四歩打
92 7四銀(63)
93 6三銀打
94 同 銀(74)
95 同 歩成(64)
96 同 金(72)
97 2二飛打
98 6二香打
99 3五馬(24)
100 7一金打
101 6四歩打
102 7三金(63)
103 4二歩成(43)
104 7四歩打
105 5二と(42)
106 7二銀打
107 6二と(52)
108 同 歩(61)
109 6三香打
110 6一銀打
111 6二香成(63)
112 同 銀(61)
113 同 馬(35)
114 同 金(71)
115 同 飛成(22)
116 7一香打
117 9三銀打
118 投了
まで117手で先手の勝ち