名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS2-11 先手石田流に右四間飛車(1)

2024-02-10 | 基本定跡の研究

では対石田流の秘策を公開しましょう。それは右四間飛車です。初手から、76歩34歩75歩62銀78飛64歩48玉63銀

先手が三間飛車、おそらく石田流を明示しているので、後手は83歩のまま63銀型を作ります。所司和晴先生も鈴木大介先生も、38玉42玉66歩32玉58金左62飛76飛54銀77桂

右四間飛車には石田流で受かるとしています。確かに65歩同歩同銀同桂と進めても後手不利ですね。

でも後手は32玉を保留して、38玉42玉66歩62飛と進めることは可能です。

76飛には32玉ではなくて65歩と仕掛けます。

先手の最善は65同歩ですが、88角成同銀67角

これは32玉58金左の交換が入っていると成立しないところですが。79飛54銀58金左45角成77桂

後手は1歩損で馬を作りました。普通は駒損なのですが、この45馬が威張っています。32玉28玉52金右38銀42銀

先手は高美濃にはできないので左の駒を動かします。86歩14歩16歩33銀87銀55銀

ここで先手の方針が岐れますが、76銀は66銀68金42金上

先手の動きが難しいです。58金上55馬96歩94歩85歩84歩

84同歩82飛に (77銀成があるので) 89飛とはできません。64角くらいの手で、

64同馬同歩84飛78金64飛

こんな図を想定しておきますが、評価値は-254の後手良し。

もう一つの想定変化はこの図から

69飛35歩67金

45馬の利きをさえぎらないと飛を使えません。34銀76銀33桂85歩42金上

89飛には66銀があります。なので一度68飛とすると44馬

やはり88飛には66銀があります。これで先手は動きにくく、評価値は-163で後手の作戦勝ち。先手が何もしなければ、45銀~36歩同歩同銀と1歩持って、馬の分が駒得になります。

 

 

 

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4月の予定

2024-02-09 | 名将会

4月の予定が決まりました。     

 

第250回

壱  1月27日(土)R1800点以上:開催済み

弐  2月24日(土)R1800点以下

第251回

壱  3月20日(水)R1800点以上

弐  3月23日(土)R1800点以下

第252回

壱  4月28日(日)R1800点以上

弐  4月27日(土)R1800点以下

 

 

壱は1回分先行していたので、2月は弐だけです。

プラスマイナス100点までは参加してよいです。つまり壱は1700点以上、弐は1900点以下です。
誤差100点は超えないように、R区分は守ってください。
皆様の参加をお待ちしています。

弐も250回ですね。おまけを用意しています。お楽しみに。

 

なお名南研究会の次回は2月17日(土)に予定しています。9時30分より。

どなたでも参加できますが、レーティング3局、表彰はありません。棋譜を残して感想戦をしっかり行い、棋力向上することを主眼にしています。

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SS2-10 先手石田流持久戦(24)

2024-02-09 | 基本定跡の研究

昨日の続きで、相穴熊です。

後手が31角と引いた場合。これは42銀~33銀とすれば「ビッグフォー」の完成です。36歩42銀74歩

先手は42銀と引いた時に仕掛けます。74同歩は64歩同歩同角75歩66飛

評価値は+391の先手有利。大駒の働きが違います。

なので後手は74歩を同飛と取るわけですが

74同飛同飛同歩64歩同歩同角

67飛61飛77飛成81飛成・・・で先手が指せるとされているのですが、67飛61飛には73桂

先手は角がピンされているので動きにくいです。評価値は-152の後手ペース。

61飛ではなくて91角成としておけば互角でした。

AIに聞くと、飛交換の後は64歩同歩同角ではなく、44歩同歩41飛

としておいて、評価値は+160の先手ペースなのでした。67飛には85桂と逃げます。97角は追われにくいし、いざとなれば切ればよいだけ。先手が指しやすいですね。相穴熊だと少しの差が大差になることが多いです。

つまり後手の31角~42銀~33銀の構想は角が使えなくなるので失敗でした。

 

では最後に、正しい居飛車穴熊の固め方をAIに聞いてみます。

64歩も54歩も突かずに右銀を引きます。39金42銀48金寄14歩16歩51金

67銀41金右77桂32金上97角94歩56銀24歩

33角の利きを通したまま、銀冠穴熊に組み替えます。この図の評価値は-164の後手ペース。

相穴熊は互いの経験 (値) が生きる戦型ですが、序盤では石田流に組んでも振り飛車の局面評価は上がりません。振り飛車側から見ると、一昨日までやったような、美濃囲いで角を使う (78金~65歩で角交換) 指し方が優ります。

居飛車側から見ると、居飛車穴熊は優秀だとは言えません。左美濃から急戦をねらうか、石田崩し棒金が有力です。実はもう一つ定跡書には載っていない秘策があるのですが、明日お教えしましょう。

 

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SS2-10 先手石田流持久戦(23)

2024-02-08 | 基本定跡の研究

次は後手が54歩を突く場合です。

67銀42角97角53銀

後手は引き角にして穴熊を固めてみるとしましょう。77桂94歩46歩51金39金41金右48金寄44銀

穴熊の堅さでは後手が上回るのですが。58銀32金右65桂

先手は軽く桂を跳ねます。95歩を取ると後手良しになるのですが、取らずに74歩

74同歩に45歩

これも軽いさばきです。97角成同香33銀引62角

評価値は+261で先手良しです。後手の穴熊が堅くても、84飛が使えません。65桂81桂の働きが違います。この変化は戸辺先生の本にある通り。

後手が44銀とするところで64銀と出た場合は

96歩同歩74歩同歩95香の攻めを見ています。なので先手は65歩の一手。53銀に45歩と突くのが

急所だそうです。後手の駒組に制限ができているのですが、32金右56銀14歩16歩24歩47銀23銀47銀22金上

銀冠穴熊にはできます。56歩25歩79角24角

この24角は後手の勝負手ですが、33角としておけば互角でした。24同角同銀74歩

57角や51角の筋があるので後手は忙しいです。67角66飛78角成

その筋を防いで桂取りですが、73歩成 (73同桂には75角) 77馬75角

これは66馬同角となっても、後手の飛が詰んでいるのでした。評価値は+837の先手有利。

話はもう少し続くのですが、長くなったので明日に回します。

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SS2-10 先手石田流持久戦(22)

2024-02-07 | 基本定跡の研究

「基本定跡」からは外れている気がしますが、戸辺先生の「石田流の基本」には相穴熊も書いてあるので、調べてみましょう。

この図の辺りの評価値は-100以下で後手ペースです。角の働きが違うからでしょう。駒組が進み

64歩を突くと後手は評価値を損ねます。おそらく

63銀型は穴熊を固めにくいからでしょう。この94歩は86歩同歩同角85歩95角の筋を避けたもの。

石田流本組+穴熊に、居飛車穴熊と腰掛け銀で対抗しています。ここから固め合った図は

評価値は0近辺の互角です。互いにどこから動くか、動くとカウンターを食らいやすいので難しい局面です。

さて戸辺先生は

この図から、46銀44歩55歩

銀を引かせて攻めようと書いています。怖いのは45歩54歩46歩

銀の取り合いのほうで、74歩同歩53歩成同金65桂

43金ならば64角

75銀には構わず53桂成

53同金同角成76銀43金

これで先手が勝ちやすいとしています。評価値は+592の先手有利。相穴熊の場合は玉の堅さが最優先ですから、駒損よりも後手玉に食いついてしまえば勝ちです。

AIに聞くと途中に問題があります。

この図では63金52銀75銀

これが難しくて、評価値は0近辺の互角です。

もっと戻って

ここから74歩に同歩は必然ではありません。86歩の返しがあって

73歩成87歩成は角取りが痛くて後手有利。86同歩74飛75歩87銀は

飛の取り合いですが、97角が働かいないので後手有利、評価値は-510

戻って

86同飛同飛同角89飛

これは66角や47歩成があるので後手の寄せが速いです。評価値は-582で後手有利。

となれば

ここでは86同角しかないのですが、74歩53歩成同金65桂

86歩同角が入っていなければ互角でした。後手は63金52銀85銀でも指せるようですが、ここは57歩同金52金

64角には87飛成ですね。54歩に86飛同歩65歩

86同歩のところ、86同飛には68角でした。この図は飛と角桂の交換、後手が攻めやすいようです。評価値は-460の後手有利。

戸辺先生の解説には穴があるようです。先手が積極的に動いて良しにはなりません。

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SS2-10 先手石田流持久戦(21)

2024-02-06 | 基本定跡の研究

またこの図からです。

44歩、42角を調べましたが、角を交換するのもあるでしょう。32金33角成同銀 (金) とすれば後手の手得ですが、まあ穴熊を維持する77角成のほうが普通でしょう。77同桂31金67銀54歩

角交換したので、駒の片寄っている後手のほうが神経を使います。16歩14歩36飛

33銀46飛32金

後手は (61角があるから) 52金とは上がりにくいところ。ここまで揺さぶってから、戸辺先生は76銀だというのですが、86歩に85銀

87歩成に84銀78と は互角です。87歩成を同金と取って、82飛84歩78角86飛

この図を先手大優勢だというのですが、67角成にはすぐに76銀とは引けず96歩が必要です。

76銀だと49馬同銀95金があるところでした。72金76銀57馬61角

先手が攻め続けるならばこの筋だと思うのですが、51銀64歩同歩83歩成同飛同飛成同金同角成

先手が金得になっても、評価値は0近辺の互角です。左の駒が遊んでいるので先手玉が薄いのですね。

戻って

ここでのAIの最善手は76銀ではなくて56飛です。51金に74歩と突いて

74同飛には82角、53銀には75角です。ならば54歩を取れるのでまずまず、評価値は+153の先手ペース。先手としては大さばきをねらわずに、小さくポイントを稼ぐほうが良いのでしょう。

もう少し戻って

後手が54歩を突くと36飛からの揺さぶりがあったので、歩を突かずに51金と固めてみます。戸辺先生は16歩14歩96歩94歩を入れて74歩

74同歩に66角から動いていくのですが、AIに聞くと74同飛同歩85桂55角

戸辺先生は55角では84歩くらいだから先手ペースだというのですが、この図の評価値は-173の後手ペースです。飛交換は先手良しというわけにはいきません。

なので先手は74歩を突く前に46角と打って

54歩74歩同飛同飛同歩91角成

これをねらうほうが良いです。評価値は+88の先手ペース。

後手としてはこの図で

93香とかわすのが良く見る手筋なのですが、56歩41金右57角

先手は角を移動して飛交換を見せます。後手は穴熊が堅くなったけれど、飛の打ち込みには弱いです。83飛74歩同歩同飛73銀

というのは仕方ないところでしょうか。76飛32金右55歩

これで72歩を見て先手の作戦勝ち、評価値は+263です。

この石田流対居飛車穴熊という戦型は、振り飛車のほうが指しやすいようです。穴熊に悩まされている振り飛車党には、重要な選択肢になるのでしょう。ただし後手番では使えなさそうですが。

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SS2-10 先手石田流持久戦(20)

2024-02-05 | 基本定跡の研究

この図から

昨日は44歩を調べましたが、先手ペースかなというところでした。今日は42角を見てみましょう。67銀31金56銀51金45銀

戸辺先生は玉頭銀を勧めます。41金右に74歩同歩66角

82飛34銀32金右55角

飛角銀をさばきます。73銀74飛72飛76飛と進んで

先手良しと書いてありますが、AIの評価値は0近辺の互角です。

戻って

この図での後手の受けは、73銀74飛に72飛ではなくて64歩です。

76飛54歩46角65歩

先手は73角成とするのでしょうが、同桂同飛成55角

71竜には64角上

これで36歩と99角成を見ます。評価値は-158の後手ペース。先手の玉頭銀はうまくいかないようです。

ということで最初まで戻って

AIに聞くと、42角には67銀31金66角

54歩77桂52金16歩14歩74歩

銀は67のままで、飛角をさばきます。82飛73歩成同銀72歩

取れば85桂なので、53角56歩44歩55歩

55同歩71歩成同角55角

74歩75歩同歩同飛74歩85飛

ここまでは気持ちよく進みます。84歩86飛54歩46角53角

後手も盛り返してきて、76飛75歩56飛45歩

57角43金55歩

先手は細かく動きます。55同歩同飛に42角は

53飛成を避けた手ですが、45飛32金66角

74銀55角92飛43飛成同金82金

ここまで進んで、やっと評価値が+127の先手ペースです。実戦でこう進むというわけではありませんが、先手は飛角の動きで翻弄している感じです。

 

 

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SS2-10 先手石田流持久戦(19)

2024-02-04 | 基本定跡の研究

後手としては

7筋は84飛と受けて

穴熊を目指すことのほうが多いのではないでしょうか。戸辺先生は

金を78に上がってから65歩を勧めています。おとなしく44歩ならば、67銀31金74歩と仕掛けます。

手元にないのですが、小倉久史先生の下町流三間飛車にあったと思います。74歩同歩66角82飛74飛

84飛のぶつけがあるので、73銀76飛54歩77桂

52金74歩62銀75飛

これで飛交換をねらいます。この図の評価値は+121の先手ペースです。

AIで確認すると

この図では73銀ではなくて、86歩同歩同飛だと。 (後のことを考えて) 88歩の受けに

73銀77飛66飛

66同銀45歩には67飛の受けが最善で

46歩同歩47歩

これは同銀に94角のねらいです。なので66銀を取られないように75銀ですが、74歩86銀48歩成同金59角68飛打

68同角成同飛51金

すごい手順ですが、これで評価値は0近辺の互角です。

どうも先手の動きは早すぎたようです。この図から

44歩には16歩54歩15歩52金66角

後手にもう少し囲わせると飛交換 (や飛切り) ができなくなります。82飛46歩43金77桂

24角と揺さぶられますが、47銀53銀58銀左

じっくりした展開でも、いつかは74歩からの打開があります。評価値はまだ+104ですが、先手の作戦勝ちでしょう。

 

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SS2-10 先手石田流持久戦(18)

2024-02-03 | 基本定跡の研究

77角型の続きで

後手がより慎重に、12香の前に飛を浮いて、67銀に94歩

95角の筋も消してから、59角12香

穴熊にした場合はどうでしょうか。77桂11玉36歩22銀37角

これは楠本 (誠二) 流対潜石田ですね。後手陣の形が違いますが、奇襲大全という本に出ています。93香56銀54銀16歩14歩26歩

先手は楠本流の18玉ではなくて、銀冠に囲って待つのが良いようですが、評価値は+120ほどですから先手の作戦勝ちなのでしょう。これは後手が先手の仕掛けを警戒した指し方ですが、先手が (昨日調べた) 65歩の仕掛けではなくて、角を転回すれば、これに似た形になるのではないでしょうか。

ただしAIに聞くと、

ここでは93香ではなくて、32金56銀24歩

銀冠を目指す方が良いと言います。互いの駒組は

居飛車穴熊から銀冠、銀冠から穴熊、ということになり、評価値は0付近の互角です。

戻ってこの図から

先手が65歩と仕掛けると、65同歩74歩同歩91角成75歩

実は63銀型だと、先手の飛が捕獲されるのです。75同飛74銀に同飛しかなさそうですが、74同飛78歩73桂

この図の評価値は-257の後手良しです。

つまり先手が77角を選んだ場合は

この図を目指して、形勢は互角だろうという結論です。

 

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SS2-10 先手石田流持久戦(17)

2024-02-02 | 基本定跡の研究

石田流対居飛車穴熊で、先手が石田流本組ではなく

77角とする形もあります。22玉68銀12香67銀11玉56銀22銀65歩

戸辺先生はここで開戦するのだというのですが。後手は84飛の受けも互角ですが、65同歩同銀に62飛

6筋で反撃するのも有力です。74歩同歩同銀同銀同飛

この図の評価値は-62です。73銀75飛69飛成33角成同銀77桂

戸辺先生は先手ペースだというのですが、この図の評価値は-252で後手良しです。67歩65飛62銀

67飛99竜64飛76歩

先手が飛をさばこうとすれば、後手に と金を作られるから苦しいようです。

戻って

AIによると、73銀には33角成同銀63歩同飛64歩62飛77飛74歩

これが先手の最善でも、評価値は-74で改善せず。

もっと戻って

74歩同歩には33角成同銀46角

このほうが少し優っていて、54銀同銀同歩91角成69飛成74飛

評価値は-52ですが、このほうがわかりやすい互角ではないかと思います。

でも

この図で74歩を同銀ならば、最初にやった変化に合流しそうで、ならば先手の仕掛けはちょっと無理ではないかと思えます。

 

 

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