歌ってスゴイ。嬉しい時にハッピーな気分を倍増させて、寂しい時は聴き手を映画の主人公のような気分にさせて、悲しい時は自分に大雨を降らせる。歌には無限のパワーがあるのです。
震災の事を思いながら、こんな時に聴きたくなる歌って何だろう?と考え事をしていて、頭にいくつか浮かんだ歌の多くはモーニング娘。の歌だった。長年の活動でアルバム11枚も出しているモーニング娘。だ。励ましになる歌はたくさんある。
そんな中から一曲選んで、私の脳内で最近リピート中なのが「みかん」です。
このシングルが発売された当時のモーニング娘。の状況と言えば、決して順調なものではありませんでした。このシングルも残念ながらセールス的には底となってしまいました。まあ、売上に関しては握手会の有無などもあるから何とも言えませんが。
モーニング娘。 『みかん』 (MV)
「みかん」というタイトルは何を意味しているのだろう? 蜜柑? 未完? 両方だと思います。
つんくPの解説ではどうなのかはとりあえず置いておくとして、私なりの解釈を。
当時、高橋愛リーダー体制になった頃でしたが、テレビ露出が激減し始めた時でもありました。つまり、モーニング娘。冬の時代。コンサートツアーからアリーナクラスの会場が遂に消え、急速に衰退感が出始めた時期です。
私は愛ちゃんがリーダーになるなんてどんなモーニング娘。になるんだろう?と期待していた人なので、この流れが実に寂しく思えたものでしたが、冬という季節だからこそ、来るべく春に向けてパワーを蓄える時期でもあります。
世の中うまく出来ているもので、冬の味覚の一つである蜜柑は寒さを吹き飛ばす暖色系な色の皮に包まれて、そして風邪に効くビタミンも豊富。そういう食べ物が冬の味覚としてポピュラーな存在であるという事。これはまさに自然の恵みと言えそう。
モーニング娘。も冬の時代だからこそ、スキルを上げて、新人の八期を伸ばしてあげてグループ全体が元気になるのだ。そんなプロデューサーからのメッセージが込められているような気がしています。
そして、決して自分の今に満足するな。自分に完成形などないんだ。常に未完成。モーニング娘。みんながそういう気持ちで日々を生きていけば、きっと冬から春へ歩いていけるのだ。そんな想いも込められているように思えて仕方がありません。
年月が過ぎ、グループを構成するメンバーも変わりましたが、まだまだ春への道を歩いてる途中。
でも、今だから言えますが、「みかん」が発売された当時はモーニング娘。が横浜アリーナで単独コンサートをやる事などもう無いかもしれない。そんな風に弱気な考えが頭をよぎっていました。でも、また横浜アリーナで出来た。
今はこう思えます。苦しい時に消極的な将来像を描くよりも、積極的な将来像を描こう。「積極的に生きる」、「どんな人も朝の陽に包まれる」のですから。