tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

待合の掛け物は道しるべ

2013-01-25 17:59:33 | 茶の湯
1月25日

今日は初天神。天神様を御祭りしている神社は賑やかになっていると思います。

朝から強い北風が吹き荒れておりまして、出かけるのが難儀なほどでしたが、今日はお稽古日でした。



宝舟の画賛

宝船はお正月によく掛けられる事がほとんどで、7福神の乗られた舟が好んで描かれております。

その宝船の軸が、時には全く違った使われ方をいたします。

何年か前の12月お茶事で、待合に宝船の軸が掛けられておりました。
相席をします方々も、「何で今ごろ宝舟?」10人くらいおりましたがどなたも理解できずに席入りをいたしました。

「雪片々」の一行が掛けられており、挨拶の後にお炭手前がありまして、交合の拝見をいたしますと、「太鼓の香合」です。
何となく解ってまいりました。

12月で雪の一行に太鼓ですから、赤穂浪士の討ち入りしかありません。

懐石を頂きながら、「宝船」の話で盛り上がり、楽しいお茶事になったことを思いだしました。



討ち入りの前日に、すす払いの竹売りに変装して吉良屋敷を探っていた大高源吾は、両国橋のたもとで、交流していた宝井其角とバッタリであったのです。

そのとき、源吾が、「西国への旅立ち」を告げ別れの挨拶したところ、宝井其角が旅立ちのの餞に「年の瀬や水の流れと人の身は」と詠んだところ、大高源吾は、「あした待たるるこの宝船」と返し、吉良邸への討ち入りをほのめかしたという逸話残っているのです。

そんな事を物知りの方が話してくれまして、楽しいお茶事をした事を思いだしました。

こうした物語などをお茶に取り入れて楽しむのも素敵な事だと思います。
謎々を解き明かしたように嬉しくなってしまいます。






コメント
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