平成22年9月、私は北海道にいました。保存車両群を撮るためですが、この年は、「名寄にあるキマロキがある。」と聞き、日没も近い時間に名寄に到着。名寄市街南部の、「北国博物館」にも近い、名寄本線(廃止)本線跡に並ぶ列車群を捉えます(写真)。これがいわゆる「キマロキ」編成です。完全な姿で残っているのは、まず間違いなく名寄だけです。この編成を見た時、感動のあまり震えました。
「キマロキ」とは、機関車、マックレー車(掻き寄せ車)、ロータリー車、機関車の順に並ぶ、SL時代の最強除雪編成で、その頭文字から「キマロキ」と呼ばれます。その完全な姿でした。
先頭の牽引機は9600形。それに続くマックレー車、キ911(写真、キ900形)。車両後方の羽根で、ロータリ-車の前に雪を寄せます。
マックレー車は、他には小樽に1両残るのみです。ロータリー車DD14やDD53の、前羽根に相当します。
続いては、ロータリー車、キ604(写真、キ600形)。蒸気ロータリー車は、現存全3両、うち完全な姿で残るのは2両のみです(小樽のロータリー車は、テンダーが無い)。ロータリー車は、テンダーが必要なほど石炭や水を消費するのだと、改めて感じました。確かに本体一杯の大きさの石炭ボイラが入っており、それは大型SLにほぼ匹敵し、当然と言えば当然です。
回転部(写真)。これで雪を吹き飛ばします。
同車はD51が後押しし、編成末尾に車掌車が繋がれます。
除雪がディーゼルで行われるようになって久しいですが、この編成が未だ残ることは、特筆すべきと思います。
北海道遠征の一週間前、スポットで苗穂工場のイベントに参加しました。それ自体は他で語るべきですが、その中に写真のようなDE15前頭部の整備中の姿がありました(写真、車番不明)。単線形でした。
過去の記事を見返すと、確かにキマロキの記事はありますが、角度と光線から、別の時の撮影であることが分かると思います。この、邂逅の感動を、皆さんにも伝えたいと思います。
それでは、次回をお楽しみに。
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