それでは、本連載第3シリーズである、中国編を始めたいと思います。こんな波風の立つ時期にどうかとは思いますが、まあ始めてしまいたいと思います。
最初は大連、かつての満鉄沙河口工場であろう場所に残る、「亜細亜757」、いわゆるパシナをお届けします。
某航空会社のツアーに申し込んだ所、何と大連空港からは貸し切りツアーとなっしまいました。そこで最初に行ったのが、沙河口でした。そこには、扇形庫の片隅に押し込められた、同機の姿がありました(写真)。
全景といっても、狭い庫内では、これが限界です(写真)。かつて満州の大地を全速力で駆け抜けた時代の、面影すら残りません。
動輪、主連棒の様子(写真)。200キロ近い高速走行のため、通常の単純な一本棒の主連棒ではなく、伸縮式で、機械的にピストンの進角の調整が出来たのでしょう。複雑な構造です。軸配置はパシナの名の通りパシフィックで、7番目の形式、よってパシ・ナなのです。
キャブの様子(写真)。中央の巨大なボイラに、大量の石炭をスコップでくべるのは現実的ではないので、自動給炭装置、すなわちメカニカル・ストーカーが床下に装備されているため、投炭口は小さいです。左側、すなわち機関士側に、赤い加減弁が出ています。
観光客用に、日本語で解説が書かれます(写真)。川崎重工で落成した完成車3両と現地沙河口工場で組み立てられた9両が走り、特急「あじあ」に使用されました。
このような状態になっているのは、「満州国」=「日本帝国主義」と教条的に教える中国での教育が原因で、日本の極右同様、極左とでも呼ぶべき人々の標的になってしまうからでしょう。現存はこの缶も含め2両とのことで、広い中国の片隅で、押し込められるように残っています。
今が、行くべき時とは思いませんが、残っているうちに行かれた方が良いと思います。
次回以降は北京なのですが、今は時期ではありません。もう少し、領土問題が沈静化してからでしょうか。
それでは、次回をお楽しみに。
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