バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

忘れの里 雅叙苑@妙見温泉

2019-09-18 08:29:58 | 温泉(鹿児島県)

鹿児島空港の東側、天降川の畔にある妙見温泉、ここでは川沿いを掘削すると火山性の炭酸水素塩泉が自噴するという、豊富な源泉に恵まれた温泉地です。この「雅叙苑」は古民家を移設した田舎情緒溢れる温泉旅館で、メディアの露出も多い、予約困難な有名旅館です。


敷地内に入ると標識があって、ここでは人や車より鶏の通行が優先されるとのこと、気分を盛り上げますね。


この旅館の客室は全10室。そのうち8室が露天風呂付きになっていて、スタンダードな部屋でも二間続きで20畳ぐらいの広さをもっています。客室、お風呂、食堂、ロビーなどが、それぞれ独立した建屋になっています。


ここの一般浴場「建湯」は、一枚岩をくり貫いた浴槽が特徴、岩の手触りがいいですね。お湯はやや白濁した炭酸水素塩泉で、舐めてみると長湯温泉ほどではないがかなりの金気臭が感じられる。赤茶色の湯の華が舞っていて温度も比較的高めで、ガツンと身に沁みいるお湯です。


ここの白眉は貸切浴場の「ラムネ湯」にあります。部屋名の入った木札をお風呂の入口に引っ掛けることにより「貸切風呂」となるシステム。ここには2つの浴槽と打たせ湯があり、入口に近い浴槽は比較的湯温が高い炭酸水素塩泉、建湯と同様のガツン。



奥の浴槽は低温の澄明なお湯です。「ラムネ湯」というのはこれのことかな?かなり温いがしばらく浸かっているうちにホカホカしてきます。舐めると確かにラムネのような炭酸を感じます。実に優しい浴感、これはひとたび浸かってしまうと時間が止まってしまう…


このラムネ湯は今のような特徴的な旅館となる前、普通の温泉旅館だったときの大浴場。それを貸切専用にして再利用しているのですね。こちらの風呂にはシャンプーや石鹸が置いてなくて、純粋にお湯を楽しめるようになっています。10室中、8室が露天風呂付き客室なので、この貸切湯が混み合うことはないでしょう。ゆったりできますね。


お風呂はさらにもう一つ、天降川沿いに露天風呂があるようだが、大雨などによる増水で目隠しの囲いがしばしば流されるため、現在は足湯になっているとのこと。しかし、この日はそのお湯すら抜かれていました。冬場は使用しないのかもしれません。


この旅館の料理は良質の素材を用いた素朴ながら手の込んだ数々が並びます。


忘れの里 雅叙苑(料理・夕食)@妙見温泉 - バスde温泉

忘れの里 雅叙苑(料理・朝食)@妙見温泉 - バスde温泉

メディアで見るイメージとは違い、絶景があるというわけではないし、近くの道路を走る車の音や鹿児島空港を離発着する飛行機の騒音が聞えたりして、秘湯というような気はしない。が、田舎の親戚を訪ねてきた感覚っていうか…なんだか心安らぐんですよね。


「和」の空間構成は、それが作られたものであるとしてもかなり心地よい。これぞ空間デザインの成果。スタッフのみなさんの肩に力の入っていない適度なホスピタリティも心地いいですね。お代は決して安くはないが、それ以上の値打ちを感じさせてくれました。

  • 場所:妙見路線バス・妙見BS
  • 泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉 49(ラムネ湯・49度)
  • 訪問日:2010年1月27

山川天然砂むし温泉「砂湯里」@指宿温泉郷(伏目温泉)

2019-09-15 19:14:01 | 温泉(鹿児島県)

指宿駅から開聞岳に向かうバスで20分ぐらいのところ、伏目口BS近くにある温泉です。日本最南端の鉄道駅として有名な西大山駅を使うことも可能だが、かなり歩くことになるのでバスの方が賢明です。

火山地形の海岸に向かって崖を降りる急な坂道を進んで行き、眼前に恐ろしく尖った竹山、後ろに美しいコニーデの開聞岳(曇っててその裾しか見えなかったが…)を眺めながら防波堤沿いを200mぐらい歩いたところ。温泉の蒸気がもくもく立ち上っているからすぐ判りました。

コンクリート造りの質素な建物が山川天然砂むし温泉の本館です。温泉と行ってもここは指宿。砂蒸し温泉です。まず、受付で入浴料(800円)を支払い、浴衣を借り受けます。脱衣所で素っ裸になって借りた浴衣を纏い、タオルを持って外へ。

砂場でタオルを被り、タオルの両端を口で噛んで砂の上に横たわります。そしたら麦わら帽子のおっちゃんがスコップで砂を掛けてくれます。

この状態で10分から15分蒸される訳だが、想像以上に砂が重くて少し苦しい。それより、足の先が熱い…というか痛い。これで10分も耐えれるのか?っと最初は思ったが、だんだん慣れてきて、つま先の痛みも心地よく感じてきました。

波の音を聞きながらジッと耐えていたら、恐ろしいぐらいの汗が噴き出してきました。それより、全身が圧迫されているので、ドクドクと脈打つのが感じられる。それは相当新陳代謝が得られそうです。

さすがに15分もすると耐えられなくなり、砂をかき分けて脱出。すると、不思議なことに全身に清涼感が駆け巡る。これが実に気持ちいい。砂に埋まってる間、砂ををかけてくれるおっちゃんが写真を撮ってくれるのもありがたいサービスです。

砂蒸しの後は浴場で汗を流します。ここのお湯、ここ単体でも充分の値打ちがあるお湯が掛け流されています。排水がそのまま海に流れていくため石鹸類は使えないが、ここで石鹸を使うのはもったいない、トロトロで塩気の強いナトリウム泉です。

指宿の旅館街にもきれいで立派な砂蒸しの浴場があるようだが、こちらの方が小ぢんまりして素朴なので好感が持てます。

・場所:鹿児島交通、伏目口BS
・泉質:ナトリウム-塩化物泉
・訪問日:2011年6月27日


上大坊@有馬温泉

2019-09-12 23:32:29 | 温泉(兵庫県)
有馬温泉のバスターミナルから、この温泉街のメインストリート(といっても路地みたいな狭さですが…)を少し上ったところに小さいながらも風格の漂う有馬の老舗旅館、上大坊があります。

ここ有馬で「坊」のつく旅館が多いのは、もともと宿坊だった名残。なので、坊を名乗る旅館はたいがい老舗です。今回、ここのお湯にじっくり浸かっていたくて、近くながら宿泊してみることにしました。

案内された客室は6畳間。トイレはあるものの和式なのでやや不満。でもまあ、この有馬で素泊まりで一人当たり8,000円を切るんだから文句はないか。

さっそく温泉へ。脱衣所から階段を降りていく構造だが、なんか廃墟に侵入していくような感じ…あちこちの温泉に入って修行を積んでいる身には、これは良泉の予感。

浴室に入ると、強烈な金気臭が襲ってきます。意外に広い浴室の中には澄明のお湯の満たされた中ぐらいの浴槽と、茶褐色のお湯が掛け流されている小さい浴槽があります。澄明のほうは沸かし湯だそうだが、小さい方がいわゆる金泉ですね。

金泉の浴槽の壁は温泉の成分で変色してしまっています。新湯は竹の樋を伝って滴り落ちている。これで温度を下げているようです。

お湯を舐めると猛烈に塩辛く金気臭も著しい。鉄工所の臭いです。そして、この湯に浸かったら不思議なことに体が安定しません。尋常でない濃度のため体が浮いてくるんですね。

浴槽の底には温泉の泥がたまっていてプチ泥湯。この湯で顔を洗うとヒリヒリするし、誤って目に入ったら大変なことに。これほど濃い湯を保てるのは天神源泉に近いことと、浴槽を大きくしていないからではないかな。

この旅館の温泉に至る途中の小さなロビーに古ぼけた卓球台があって、無料で卓球することができる。久しぶりに浴衣&スリッパ姿で卓球をしてみました。この卓球台、表面はボコボコでピンポン球はイレギュラーバウンドしてしまうのだが、これぞまさしく温泉卓球。意外に楽しめました。

・場所:神戸電鉄有馬温泉駅
・泉質:含鉄-ナトリウム-塩化物強塩高温泉 82.4度
・訪問日:2011年8月31日

御前湯@有福温泉

2019-09-06 22:24:21 | 温泉(島根県)
山陰本線・江津駅より石見交通バス有福線で30分ほど、およそ1300年前の開湯以後、湯治場として栄えた有福温泉は、石段が入り組む山峡の斜面に旅館や民家、共同湯が建ち並ぶその景観から「山陰の伊香保」とも呼ばれています。

実に鄙びた、時が止まったかのようなこの温泉街には、9軒の小規模な旅館とともに、3箇所の共同浴場があります。

そのうちのひとつ、斜面の上方に、小さな温泉街に似合わぬほどの立派な建物が、この温泉のアイコンと言っていい有福を代表する共同湯、御前湯です。


実にレトロなこの共同湯が建てられたのは昭和初期とのことで、今でこそひっそり佇んでいるが、建設当時はかなり賑わっていたとのことです。


番台で300円を支払って中に入るのだが、この番台もレトロだ。じっと時代を見つめ続けてきた矍鑠とした存在感がありますね。


浴室に入ってみると、室内は古さこそ感じるが、手入れが行き届いていて意外なほど清潔です。中央に設えられた浴槽の、その真ん中から清澄な湯がこんこんと沸いて出ています。


ここの湯は無味無臭なアルカリ性の単純泉。シルクのような淡白な感触で、個性は希薄だが、肌触りがしっとりしている、いわゆる美人の湯といった感じです。

この建物の2階は休憩室なのだが、実質は昔の写真のギャラリーとなっています。当時の温泉街には人がいっぱいで、艶やかな芸妓が華を添えている…当時の栄華がしのばれますね。

当時のように賑わいを取り戻してほしいと思う反面、この静寂のままでいてほしいとも思ったりもします。

・場所:石見交通、広島電鉄(高速バス)・有福温泉BS
・泉質:アルカリ性単純温泉 45.5℃
・訪問日:2009年4月12日

薬師湯@温泉津温泉

2019-09-04 08:20:29 | 温泉(島根県)
山陰本線・温泉津駅から太田市生活バス温泉津線で5分ほど。鄙びた日本旅館が建ち並ぶ温泉津温泉には「元湯泉薬湯」と「薬師湯」の2軒の湯元が存在し、それぞれ泉質が異なります。

「薬師湯」は明治時代の浜田地震によって新たに湧出したため、「新湯」あるいは「震湯」とも呼ばれています。こちらの建物は昭和初期の建築で、2階建てのレトロモダンな造りです。

浴室の真ん中に、あまり大きくない楕円形の浴槽が掘られていて、そこに褐色のお湯がコンコンと掛け流されています。湯口の形状はナマズを模していて、この温泉の由来を表しているのが面白い。

自噴湧出のお湯は湧出時こそ透明だが湯船で淡茶褐色に変化するそう。強烈な金気臭で、舐めてみるとかなり塩辛い。浴槽の縁には析出物がこびりついていて、この温泉の濃厚さを物語っています。

この建物の上階は休憩所になっていて、洋館造りの旧館と繋がっており、カフェで食事をいただくことができます。また、屋上も開放していて、石州瓦の茶色い甍を望みながらコーヒーをいただくこともできます。

お湯の質もさることながら、街並みの美しさを持つこの温泉津温泉。ここは山陰の第一級の宝物です。

・場所:大田市営バス・温泉津温泉BS
・泉質:カルシウム・ナトリウム‐硫酸塩・塩化物泉 45.9℃
・訪問日:2009年4月13日

元湯泉薬湯@温泉津温泉

2019-09-03 09:16:49 | 温泉(島根県)
山陰本線・温泉津駅から太田市生活バス温泉津線で5分ほど。山陰の古湯・温泉津温泉は鄙びた日本旅館が建ち並ぶ、歓楽街など一切見られない静かな温泉地です。

開湯は古く1300年前。戦国時代や江戸時代には石見銀山から産出される銀の積出港にもなったことから、大いに栄えた宿場町でもありました。

その町並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているとともに、銀を積みだしていた港は「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部として世界遺産に登録されています。

温泉津には2箇所の異なる源泉があり、それぞれに共同浴場があります。それらの源泉は旅館へ分湯する程の湯量がないので、旅館内に内湯を造らず、宿泊客は共同浴場に通うという昔ながらの湯治場のスタイルを維持しています。

この元湯泉薬湯は開湯以来の源泉を連綿と保ち続けている温泉津温泉を代表する共同湯です。何気ない単なる古びた建物だが、控えめな唐破風が歴史ある温泉を主張しています。

脱衣所には鍵の付いたロッカーがなく、名前の入ったマイ洗面器がキープされています。地元の方々と湯治客が主な利用者なのでしょうが、バスで訪れる旅行者にはいささか不便です。

浴槽は三つに分かれていて、左側は浅い浴槽、真ん中が適温、右側が熱い浴槽となっています。やや緑がかった褐色お湯は、かなりの金気臭と塩分。浸かっていると体が浮きそうになるぐらいです。

浴場の床は温泉成分が茶色に染み付いていて、独特の造形を織りなしています。濃厚なお湯であることの現れです。熱いほうのお湯に地元の爺さんが何食わぬ顔で浸かっているが、ワタシには手を浸けることさえできません。

建物の外には飲泉場があるが、強烈な塩分と金気臭があり、とても飲めたものではありません。泉質を求められるいま、再びホンモノの温泉を求める湯治客で栄えることを期待します。

・場所:太田市生活バス・温泉津温泉BS
・泉質:カルシウム・ナトリウム‐硫酸塩・塩化物泉 49.9℃
・訪問日:2009年4月13日

皐月湯@有福温泉

2019-09-02 22:45:04 | 温泉(島根県)
現在の有福温泉は、観光客も多いわけでもなく、潰れたスナックやみやげ物屋が寂寥感をいっそう増幅させます。そんなひっそりとした温泉街で、夕方になるとひときわ賑わうのがここ皐月湯です。

レトロな建物で一部愛好家に人気の御前湯とは異なり、坂の下方、民家に近い場所にあるこちらのほうが地元の方に人気のようです。

有福温泉にはなんと13箇所もの源泉があり、各共同湯もそれぞれ独自の源泉で、この皐月湯も当然ながら自家源泉。無味無臭の、しっとりとした浴感は有福温泉ならではのものです。

有福の温泉効能表示にはリウマチや通風などと並んで原爆症の記載があります。また、老朽化により2013年に閉所するまで、この温泉街の一角に原爆被爆者有福温泉療養研究所もあり、46年間で83万7千人が利用したとのこと。

広島に近いからでしょうね。戦争があった歴史の重みを感じます。平和を享受して温泉めぐりを楽しめることのありがたさを噛みしめました。

・場所:石見交通、広島電鉄(高速バス)・有福温泉BS
・泉質:アルカリ性単純温泉 45.9℃
・訪問日:2009年4月12日


洞川温泉センター@洞川温泉

2019-08-25 00:35:02 | 温泉(奈良県)
洞川は大峰講の宿場としての歴史は古く、その起源は役小角に従った後鬼の末裔によって起こされたと伝えられています。修験道の行者たちの宿場として修行に赴く前泊に、また世俗に戻るためのいわばリハビリ施設として、今日まで栄えてきました。

温泉は近年になってボーリングで掘り当ててもので、その歴史は浅いものの、「ごろごろ水」と呼ばれる名水の里として、また、大峰山秘伝の胃腸薬「陀羅尼助丸」の生産地として知られていますね。

奈良交通・洞川温泉BSのほど近く、この町の入り口付近にある村営の日帰り入浴施設です。ここは割合新しい施設で、名産の吉野杉を多用した、木造建物の良さを感じさせる作りになっています。

浴場は内風呂と露天それぞれひとつずつの浴槽で、至ってシンプル。内風呂は高野槙の感触が優しい大きな浴槽だが、一部ジェット風呂になっています。

露天湯は岩風呂になっていてオーバーフローもみられるが、内風呂、露天とも循環濾過しています。無味無臭の単純泉のこと、あまり浴感がなくて特徴も希薄です。
温泉というより白湯の銭湯のようではあるが、大峯登山の疲れを癒すには絶好の施設であると言えます。

・場所:奈良交通・洞川温泉BS
・泉質:弱アルカリ性単純泉 26℃

別府・明礬温泉と鉄輪温泉@別府八湯

2019-08-24 22:43:00 | 温泉(大分県)
温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇る大分県は、「おんせん県」と自称するほど温泉を大切にしている地域です。この「おんせん県」の代表的な温園地は別府温泉であることは間違いありません。

一口に別府温泉というものの、市内にはおのおの泉質や雰囲気を異にした温泉が数百もあり、大まかに8箇所の温泉郷として分類し、これらを総称して別府八湯と呼んでいます。

この中で、急傾斜の地熱地帯に石垣が築かれて湯の花小屋が建ち並ぶ明礬温泉と、貸間旅館が建ち並び、いまだに湯治の雰囲気を残し、随所から湯けむりの立ち上る景観は、「別府の湯けむり・温泉地景観」の名称で国の重要文化的景観として選定されています。

別府市街と明礬温泉との中間ぐらいのところに位置する鉄輪温泉は、別府温泉などと同様、単純泉、食塩泉、炭酸鉄泉など多彩な泉質の温泉が湧き出しています。この鉄輪の風物といえるのが点在する貸間旅館です。湯治客はここの湯に浸かるとともに、温泉の蒸気を利用した「地獄釜」で自炊しながら逗留します。

この温泉街の中心部に、手軽に地獄釜を利用できる地獄蒸し工房もあり、食材を持ち込みむことも、ここで購入することもできます。その傍らに無料で利用できる足湯…ならぬ足蒸し風呂があり、観光客が思い思いに足を突っ込んでいます。

この鉄輪周辺には海地獄、鬼石坊主地獄、山地獄、鬼山地獄、白池地獄など、多くの地獄があって、別府観光の目玉になっています。坊主地獄では温泉の噴気とともに自然の泥を噴出させています。これは温泉というよりミニ火山、地球の営みを少しだけ感じることができます。

今はもう閉鎖されてしまったが、この坊主のごとく湧き出す泥を活かした泥湯もありました。マニアの間では結構有名なところだったんですが、さすがに老朽化は否めませんでした。また、もちろんここにも共同浴場があり、強力な浴感を味わうことができます。

別府市街からバスで20分ぐらい、明礬温泉は、別府市街から少し離れた伽藍岳の中腹標高400mの所にある温泉です。ここには小規模な旅館街とともに、湯の花小屋が建ち並び、その湯の花製造技術は、国の重要無形民俗文化財に指定されているとのこと。

別府八湯の中で、ここだけ異質のひなびた雰囲気を持ち、泉質も特徴的で、酸性硫化水素泉、緑ばん泉で、コロイド硫黄を含んで白濁した温泉が多くなっています。

ここには大規模なホテルはなく中小の旅館が10軒足らず。その中に別府市営の共同湯があるとともに、日帰りの入浴施設に力を入れてる旅館もあります。中には入浴できる「地獄」があり、そこでは美肌効果の高い『ドロ湯』が味わえます。

高級旅館やら湯治宿、地元の共同湯やらキワモノ温泉、地獄、芝居小屋、秘宝館…なんともカオスな情緒を味わえるのが別府八湯の魅力といえるでしょう。

渋の湯@鉄輪温泉(別府八湯)

2019-08-24 10:13:41 | 温泉(大分県)
日豊本線・別府駅から亀の井バスで鉄輪温泉BSで10分ほど、別府八湯のひとつ、鉄輪温泉は、今なお湯治場の面影を濃く残し、として残り、路地を挟んで古い宿泊施設が旅館や貸間が建ち並ぶレトロで情緒豊かな温泉街です。

国内最大の源泉の数を誇る別府ではあるが、その大半が鉄輪に集中し、地上に吹き上げる高温の蒸気は「湯けむり」となって、温泉場らしい雰囲気を醸し出しています。

ここにももちろん共同湯があります。メインストリートのいでゆ坂ににあるこの「渋の湯」地域の人たちの日常使いの温泉であるとともに、一遍上人が開設したと言われる歴史ある鉄輪の代表的な共同湯です。

入浴料としては無料だが、観光客は100円のロッカーを使用して運営に協力することになっています。早速服を脱いでお湯をいただくことにするが、竹瓦温泉で間違って300円を入れてしまった失敗があるのでここは慎重に。

それほど大きくない浴槽には澄明の美しいお湯が当然の如く掛け流されています。鉄輪の高温のお湯を薄めないため、ここでは竹枝の束に湯を流しかける方式のラジエーターで湯音を下げています。湯雨竹という商品だそうです。

ラジエーターがあってもそれでも熱い。せっかくの工夫に水を差すことなく必死の入浴、かなり我慢を強いられるがそのうちにちょっと慣れてきました。実質、無料の温泉で非加水の源泉を味わ贅沢なことです。

・場所:亀の井バス・鉄輪温泉BS
・泉質:ナトリウム-塩化物泉 源泉温度87.1℃
・訪問日:2008年5月11日