旅館が4軒しかない、実に小さな温泉地、木津温泉。この「ゑびすや」は松本清張が2ヶ月に渡って投宿し、「Dの複合」を執筆したことで知られる老舗です。
ここのお料理は部屋だしではなく、食堂でいただくことになります。竹の美しい庭を眺めながらの食事は心和みますね。
まずはお酒。とりあえず6種の地酒を一杯ずつ取り合わせた利き酒セットをいただくことにしました。後でいちばん気に入ったお酒を注文してじっくり味わおうという魂胆。
この時期、お料理は丹後、若狭の魚がメインになるようです。前菜に続いてお造りはイカ、ヒラメ、カンパチ、ウニです。
煮魚は「アカラ」という魚です。初めて聞いた魚の名前に、思わず聞き返してしまったが、どうやらこのあたりではポピュラーな魚のようです。いささか小骨が多くて食べにくいが、上品な味付けは、さすが京都だ。
焼き魚は巻貝とエビとキンキです。キンキはさすが高級魚。淡白のなかにしっかりとした旨みがあって美味。天ぷらは熱々を絶妙のタイミングで持ってくる。部屋だしだとこうはいきません。
魚に比べて、お肉はボチボチかなぁ…もうちと質を高めてほしいが。
アイナメのお吸い物とご飯に続いて、デザートのマンゴープリンで〆ます。
朝食は大皿に盛られたカレイや野菜の炊き合わせ。サラダやフルーツはブッフェになっています。関西風の味付けが好ましいですね。朝から箸が進みます。
浅利のお味噌汁は固形燃料で温めるのだが、これは意味がよく判りません。お椀で出してくれたらいいのね…
ここは場所柄、カニのシーズンにお客さんが集まってくるようだが、オフシーズンのほうが値打ちあるかも。
- 場所:木津温泉
- 訪問日:2010年5月30日