洞川は修験道の行者たちの宿場として、江戸時代中期に開かれた歴史ある温泉です。以来、厳しい修行を終えた行者が、世俗に戻る前に湯に浸かって疲れを癒す、いわばリハビリ施設として今日まで栄えてきました。また、大峰山秘伝の胃腸薬「陀羅尼助丸」の生産地として知られていますね。
この町の入り口付近に村営の洞川温泉センターがあります。ここは割合新しい施設で、名産の吉野杉を多用した、木造建物の良さを感じさせる作りになっています。浴場は内風呂と露天それぞれひとつずつの浴槽で、至ってシンプル。内風呂は高野槙の感触が優しい大きな浴槽だが、一部ジェット風呂になっている。増設されたという露天は、岩風呂になっていてオーバーフローもそこそこみられるが、実は循環。無味無臭の単純泉のこと、あまり浴感がなくて特徴も希薄です。まして消毒の塩素臭が強めなため、温泉というより白湯の銭湯のようです。
洞川温泉では湧出量も多くないので、循環は致し方ないところ。泉質を追求するなら残念な温泉ではあるが、大峯登山の疲れを癒すには絶好の施設ではないかな。
- 泉質:弱アルカリ性単純泉 26度
- 場所:奈良交通・洞川温泉BS