京阪・伏見桃山駅か近鉄・桃山御陵前駅から伏見大手筋商店街を西に5分ほど歩き、アーケードの終端のところを少し北に上ったところ、風呂屋町商店街にある京料理のお店です。実に目立たない店構えながら、創業は明治43年というからなかなかの老舗。仕出料理がメインのようだが、お手ごろな値段のランチもあるということで訪れてみました。
店内はカウンター席がたったの4席。2階にはお座敷もあるそうだが、個人のお客はこのカウンターでいただきます。カウンター内の厨房は綺麗に磨き上げられていて、食器や道具類も整頓されている…ご主人と奥さん二人で切り盛りされているようです。
早速、お昼の定食「きまぐれ膳」(1,050円)をお願いしました。先ずはごはん、味噌汁とともにお造りが出されてきました。今日は鯛と中トロの2種とのこと。小ぶりながら良質な素材を使っていることを実感させます。
お味噌汁は具だくさんで家庭的な味付けです。
焼物は、マナガツオの幽庵焼。ユズの香りが清々しいですね。こちらも身は小ぶりだが、満足させる味わいです。
天ぷらはエビをメインにして、お茄子などの野菜が盛られています。エビもこれまた小ぶりながら、エビの香味が存分に凝縮されています。なんだか京料理のミニチュア版みたいだが、その真髄が凝縮されている感があります。そして、ご飯がまた美味しい。やや柔らかめでふんわりと炊かれたご飯は、米の一粒一粒が艶やかです。
これらお料理全体として実に丁寧に拵えられている感があります。ランチだけではここのお料理の本質を知ることはできないかもしれないが、一品一品に京料理たる矜持の片鱗を窺うことはできますね。また、話好きで物腰の柔らかいご主人と奥さんの人柄にも好印象です。今度は夜のおまかせ料理をいただいてみたいですね。
- 営業時間:11:30~21:00
- 定休日:水曜