花にまつわる幾つもの話

子供時代の花にまつわる思い出や、他さまざまな興味のあることについて書いていきたいと思ってます。

天然石標本~エジプトの星~

2011年02月24日 | 天然石標本
今週は暖かい日が続き助かります。
そろそろ春の兆しでしょうか…?


今週二度目にご紹介する珍しい形をした天然石は
ヘマタイト(赤鉄鉱)とマーカサイト(白鉄鉱)の混合仮晶で
通称『エジプトの星』と呼ばれる
ヒトデみたいなユニークな形をした結晶です。
何でもエジプトがまだ海の底だった頃に
できた石なのだとか。


ちなみに仮晶とは、鉱物の結晶形が保たれたまま、
中身が別の鉱物によって置き換わること。
(外形がヘマタイトで中身がマーカサイトに
置き換わっています)
本来はありえない外形をとる現象のことをいうそうです。


『Hematite(after Marcasite)』
 ヘマタイト(マーカサイト仮晶)
  Locality:White Desert Faratra Oasis.Egypt産





砂漠にこんな不思議な物体が
転がっていたなら
誰しもがつい流れ星?と思ってしまうかも。





金属質のすべすべした手触りで
ややずっしりと重さを感じます。
購入したのは昨年12月の
池袋ミネラルショーにて。
最後の最後に訪れた第二会場での
運命的な出逢いでした♪



それでは次回更新は来週火曜日
春らしい桃色の蛍石をご紹介したいと思います。
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天然石標本~卵形の晶洞瑪瑙~

2011年02月22日 | 天然石標本
先週の木曜日はお休みしてしまってすみませんでした。
ようやく仕事の方も一段落ついたので
今週からまたブログ更新に励みたいと思います。


今週は予告でもお知らせしました
卵形の晶洞瑪瑙(しょうどうめのう)――ジオードアゲートです。


ちなみにネット及び書籍説明によると


「晶洞とは岩石の中にある不規則な空洞で
 空洞内部の壁は鉱物の殻で囲まれている」


だそうです。
この場合の鉱物の殻が瑪瑙なわけですね。


『DEODE AGATE』
Soledade RioGrande do Sul BRAZIL産





卵形の晶洞が半分になっています。
中でキラキラ輝いているのは水晶。
画像ではやや黒っぽく見えますが
実際にはミッドナイトブルーの
とても綺麗な天然石です。





反対側から見た画像です。
購入したのは数年前のミネラルマーケットにて。
新宿だったか池袋だったかは不明(苦笑)。
縁の部分は研磨されています。





裏面からだとこんな感じに。
まるで鳥の卵みたいです。


瑪瑙に関する書籍説明は以下のとおり。


「水中に溶け込んだ珪酸分が低温化で沈殿したもの。
 カルセドニー(玉髄)の一種だが、
 アゲートは目視的に形成のサイクルが
 縞となって見えるものを言う。
 縞が肉眼で確認できないものは
 カルセドニーとして区別。」



それでは次回更新は木曜日。
次もまた変わった形の天然石を
ご紹介したいと思います。
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天然石標本~十字石~

2011年02月15日 | 天然石標本
昨日は都心部で久しぶりの積雪
思いがけずホワイトバレンタインデーとなりました。
私の職場でもご多分にもれず
義理チョコが飛び交いました(苦笑)。


それでは今週ご紹介するのは
とても不思議な形の天然石
スタウロライト――和名:十字石です。
その名の通り、綺麗な十字を形作る石で
別名「フェアリー・ストーン」
(キリストの死を悼んで、
妖精(フェアリー)が流した涙が
十字石になったという伝説から)
とも呼ばれています。


同じ「十字石」の別名を持つ天然石に
以前ブログにも登場しました
キャストライト(=空晶石)があるのを
ご記憶でしょうか?


古くは中世ヨーロッパで「十字軍」が
シンボルとして掲げ、兵士たちが持参したという
逸話も残っています。
またそのせいか、スタウロライトは
キリスト教国にとっていまだに
大切にされている石だとか。
ちなみにスタウロライトの語源は
ギリシャ語で「十字」を意味する
『stauros』からきているそうです。


『Staurolite』
 ロシア産





最初にこの石を目にした時は
正直ビックリしました!
本当にくっきりとした十字の形。
サイズはかなり小ぶりで
それでも珍しい石のせいか
そこそこの良いお値段でした(苦笑)。
購入したのは池袋のミネラルショーにて。
確かロシア人のお店だったと思います。





横から見た画像です。





裏側から見るとこんな感じに。
キラキラ輝く母岩は変成岩とそれに伴う
白雲母(=マスコバイト)です。


天然石にはいつも驚かされることばかりです。
色や形、これが本当に自然に形成されたのかと
不思議に思うことが沢山あります。


それでは次回更新は来週火曜日。
木曜日は会議のためブログをお休みさせていただきます。


次は卵形の晶洞アゲートを予定しております。
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天然石標本~翡翠三種~

2011年02月10日 | 天然石標本
関東平野は初雪
しかも祝日から週末にかけては
日本各地で雪模様のようですね。
職場の上司がインフルエンザで倒れ
おかげで昨日、病院に検査しに行くはめに(苦笑)
ただの風邪で一安心しました。


さて、今週二つ目のご紹介は
三種類の翡翠(ひすい)です。
それぞれ産地が異なっていて
同じ翡翠でも趣きの違いが
なかなかに面白いです。


『jadeite[ジェダイド](=翡翠輝石)』


 翡翠と呼ばれるものの中には
 硬玉(=翡翠輝石)と
 軟玉(=nephrite[ネフライト]と呼ばれる
 透閃石、緑閃石系の角閃石のこと)の
 二種類があり、今回は宝石に分類される
 翡翠輝石を指す。
 (軟玉=ネフライトは半貴石)





一番上の未研磨タイプは
日本有数の翡翠の産地、新潟県糸魚川流域のもの。
いかにも河辺で拾った素朴な感じがありますね。
右下の綺麗に研磨された光沢のあるものは
世界最大の産出地ミャンマー産。
明るいエメラルドグリーンが魅力的です。
左下の緑が鮮やかなのはナミブ産。
ナミブ産のものはかなり珍しいのではないでしょうか?
私が知る限りでは、世界各地にある翡翠の産地としては
これまでなかったような気がします。





裏側から見た画像です。


翡翠輝石に関する書籍説明は以下の通り。


「翡翠輝石は造山運動に伴い蛇紋岩の中に生じる。
 地殻変動後地表に押し出され、
 鉱床の風化により転げ落ち、
 川から海に流される(新潟県や富山県のヒスイ海岸)。
 最大の産地はミャンマー。
 ジェダイドの緑色はクロムや鉄による。」





おまけのコバルト・ヒスイ=青い翡翠です。
こちらも新潟県糸魚川産。
名前にコバルトがつきますが
実際の青色の原因は鉄やチタンだそうです。
長年探して、ようやく入手した極上の一品。
ここでも青い石好きの血が騒いでしまいました(笑)


それでは次回更新は来週火曜日になります。
次はユニークな形の鉱物をご紹介したいと思います。
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天然石標本~琥珀~

2011年02月08日 | 天然石標本
節分も終わり、先週末からようやく
少しずつ暖かさを感じるようになりましたが
天気予報によると、今日からまた気温が下がるとか。
私の風邪も天候と同じで一進一退の繰り返し(苦笑)。
日曜日の夕方頃から今度はのど風邪を
ひいてしまったようで、本当に油断大敵ですね。


それでは今週ご紹介する天然石は
琥珀(こはく)――アンバーです。
厳密には鉱物ではありませんが
その中から二種類の琥珀を
お届けしたいと思います。


『amber&copal』


産地は不明です。
恐らくロシアか東欧辺りではないかと。
実はこの琥珀、生まれて初めて
ミネラルマーケットに参加して
一番最初に手にした記念すべき品なんです。
慣れない英語での身振り手振りの交渉の末
親切な白人男性の売り子さんが
ちょっぴりおまけしてくれたのを
とてもよく覚えています。
それでも当時の私にしてみれば
清水の舞台から飛び降りるくらいの
勇気がいる価格でしたが(笑)





飴色が濃い方がいわゆる一般的に『アンバー』と呼ばれるもので
小さい方は琥珀の若年版(=年数が若い)で『コーパル』と呼ばれています。
コーパルの方は、数年後にやはりミネラルマーケットで
入手しました。





反対側から見た画像です。
画像では小さすぎてわからないと思いますが
大きな琥珀の真ん中辺りには
一匹の小さな蟻が閉じ込められています。
ちなみに虫入り琥珀のことを
『インセクト・アンバー』と言いますが
映画「ジュラシックパーク」は
確か琥珀に閉じ込められた
蚊の腹部の血液からDNAを採取して
恐竜を蘇らせたんですよね?





裏側の画像です。
琥珀についての書籍説明は以下のとおりです。


「およそ3,000万年以前の
 松柏類の植物樹液(樹脂)が硬化したもの。
 崩壊した地層から洗い流され、
 川から海に流れ出し、
 漂流先で再堆積するものを『ピット・アンバー』という。
 海岸に打ち上げられたものを『シー・アンバー』」


なお、琥珀はオパール同様
非晶質(=結晶系がない)で
元が樹脂なので非常に軽いです。


それでは次回更新は木曜日
琥珀に引き続き、ポピュラーな天然石として
翡翠(ひすい)をご紹介したいと思います。
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