花にまつわる幾つもの話

子供時代の花にまつわる思い出や、他さまざまな興味のあることについて書いていきたいと思ってます。

天然石標本~カーネリアン~

2010年10月28日 | 天然石標本
今週二つ目にご紹介する天然石は
カーネリアン――『紅玉髄』です。
水晶に並ぶポピュラーな石ですが
(産出地も多く、日本もその内の一つ)
同じ『玉髄』(=カルセドニー)でも
色や模様によって名前が変わる
ちょっぴりややこしい天然石でもあります。
その中で特に赤味の強いものを
カーネリアンと呼びます。


ちなみに石の総称である『玉髄(ぎょくずい)』とは
水中に溶け込んだ珪酸分が
低温化で沈殿してできたもの。
カーネリアンの他に
褐色から橙色の強いものを『サード』
(ただしサードの場合は縞目の有無にかかわらない)
黄色味のある淡緑色の変種は『クリソプレーズ』
くすんだ緑色、濃灰緑色や濃緑色は『プレーズ』と言います。
最も日本人に馴染み深い『瑪瑙・メノウ(=アゲート)』も
実はこの『玉髄』の一種。
縞目となって見えるものを特にこう呼ぶのだとか。
これだけ名称が豊富にあるのは
この玉髄ぐらいかもしれませんね。


『carnelian』
 産出地不明





石自体は特別珍しいものではありませんが
どことなく金魚を彷彿とさせる色味が可愛らしいです。





別の角度から見た画像です。
白っぽい筋が入っていて
メノウの仲間だというのも納得かも。





裏側の画像です。
ますます金魚っぽさが目立ちます。
何となくですが、カーネリアンって
和風の石って感じがしますよね?


購入したのは数年前の
新宿ミネラルショーにて
数百円程度の値段でした。
手の平の上のころりんとした感触に
心惹かれまして。
この感覚は以前ブログでご紹介した
タンブル状のピンク霰石の時と似ているかも(笑)


基本的に『玉髄』全般、お手頃なものが多いですが
ついこの間、ラリマーコレクターの友人に連れられて
訪れた天然石の店で
色鮮やかなクリソプレーズの
数珠玉ブレスレットに遭遇しました。
艶、輝きともアップル・グリーン(青林檎)色の宝石の
名に恥じぬ美しさ。
なかなか出回らない一品らしく
値段も万単位に。
まさに目から鱗の出来事でした。
つくづく天然石の世界は侮れないってことですね(苦笑)。


それでは次回更新は来週火曜日を予定しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天然石標本~スプートニク・アラゴナイト~

2010年10月26日 | 天然石標本
今週ご紹介するのは、以前にも幾つかご紹介した
ユニークな形の天然石の一つとして
スプートニクタイプのアラゴナイト(=霰石)です。
アラゴナイトは今回で三度目の登場になるのでしょうか。
それだけ変わった形状が多いということですね。


名前の由来はまさに見た目どおり
石の形が旧ソ連の衛星に似ていることから
スプートニクと呼ばれるようになりました。
あるいは松ぼっくり状とも。
ちなみに以前ご紹介した花の形をした
アラゴナイトは三連双晶タイプだそうです。


購入した際、産地の記載はなかったのですが
大体この手のタイプは
モロッコ産であることが多いみたいです。
外観の面白さのわりに値段もお手頃で
初心者向けにはお勧めかも。


『Aragonite var.Sputnik』











色々な角度から撮影してみました。
サイズはちょうど手のひら大でしょうか。


次回更新は火曜日になります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天然石標本~ストロベリー・クォーツ~

2010年10月21日 | 天然石標本
今週の『水晶』特集第三弾としてご紹介するのは
ストロベリー・クォーツ――『苺水晶』です。
名前からしてとても可愛らしい水晶ですが
これもまた水晶の中にインクルージョンを含む
いわゆる『変り種』と呼ばれるものの一つです。


ちなみに前回ご紹介したハーレクイン水晶を
一部でストロベリー・クォーツと呼ぶケースもあるそうですが
そこはあくまでもストロベリー(=苺)なわけですから
ふんわりとやわらかいイチゴピンクの色合いがこそが
このストロベリー・クォーツの真骨頂なのかもしれません。


ハーレクイン水晶に含まれる内包物が
レピドクロサイト(燐鉄鉱)だとするなら
こちらはゲーサイト(針鉄鉱)
鱗状の結晶片ではなく
針状の細かい結晶ということになります。
そのおかげでこの愛らしい苺色になるんですね。


『Strawberry Quartz』
 Kazakhstan産(カザフスタン産)

 



購入したのは数年前のミネラルショーにて
まだストロベリー・クォーツが出回り始めた
ばかりの頃でしょうか。
全く未知の水晶だったので(しかも販売していた方が
ロシア人らしく、言葉も通じず・苦笑)
とりあえず名前と産地名だけ書いてもらって
購入したのを覚えています。





後日、カザフスタン産のストロベリー・クォーツは
産出量が少なく、宝石に加工される場合が多いと知り
そういえば、水晶にしては値段が
やけに高かったな、と今更ながらに納得。
表面は色及びキラキラと輝くインクルージョンを強調するためか
一部研磨加工(=ポリッシュ)されています。
このキラキラ感はアベンチュリン・クォーツ(=砂金水晶)に
含まれる雲母結晶に似ています。





横から見た画像です。
こちらはいかにも水晶といった感じ。
甘くて美味しそうな苺色部分は
やはり内包物なんですね。





裏側です。
こちらは研磨加工が施されていないので
ちょっぴり無骨な感じに。


類似品として『チェリー・クォーツ』なるものが
存在しますが(もっぱら天然石ビーズとして
売られているようです)
これは天然石でも、まして水晶でもない
ただのガラスに染色したものなので注意が必要です。
水晶には苺はあってもさくらんぼはないってことですね(笑)


次回更新は来週火曜日になります。
来週からは珍しい形の天然石になります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天然石標本~ハーレクイン水晶~

2010年10月19日 | 天然石標本
先週に引き続き『水晶』特集第二弾です。
今回ご紹介するのは『ハーレクイン』と呼ばれる
レピドクロサイト(燐鉄鉱)入り水晶です。


水晶は様々なインクルージョン(=含有物)を
取り込みやすい鉱物なので、
前回ご紹介した青水晶の
針状結晶のインディゴライトといい
本当に色々な内包物が存在します。


名前の由来はハーレクイン
(フランス語でピエロ=道化師を意味する
『アルルカン』の英語読み。
トランプのジョーカーの派手なタイツ模様を
ご想像いただければわかりやすいかも・笑)の
服装がまだら模様であることから
水晶に内包されたレピドクロサイト(燐鉄鉱)の結晶片が
ピエロの衣装の派手さを彷彿とさせるため
この名で呼ばれるようになったのだとか。
また、燐鉄鉱の赤が炎のようにも見えることから
ファイアー水晶の別名もあるらしいです。


購入したのは今年6月の新宿ショーにて。
かなり以前から欲しい水晶の一つではあったのですが
これはと思うものに中々巡り会えず
今年に入ってようやく
質、値段とも満足のいくものに遭遇し
購入と相成りました。


『Harlequin Quartz』
  Madagascar産





インクルージョンの特徴を際立たせるため
全体的に研磨(ポリッシュ)が施されています。
ハーレクインの中でもかなり
燐鉄鉱が多いタイプなので
赤い輝きがまだら模様というより
ファイヤー=炎のイメージの方が
強いかもしれませんね。





やや斜め上から見た画像です。
サイズは2cm程度と
かなり小さめですが
水晶の特徴である六角柱状の
きれいな自形結晶が見て取れます。





先端部分のレピドクロサイト(燐鉄鉱)を
強調して撮影してみました。
画像では若干わかりづらいかもしれませんが
細かい鱗状の小片が集まっています。


このハーレクイン水晶は
色の綺麗さ、可愛らしさでは
内包物水晶の中でも上位に
数えられるものではないでしょうか。
値段もお手頃なので
天然石コレクター初心者にも
入手しやすい石だと思います。


それでは次回更新は木曜日になります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天然石標本~青水晶~

2010年10月14日 | 天然石標本
お待たせしました!今回からようやく『水晶』特集となります。
第一弾は『青水晶』です。
水晶専門のコレクターがいるほど
とにかく多種多様な色や形が存在するのが水晶です。


一般的には水晶と一括りに分類されていますが
透明度のないものを『石英(クォーツ)』
透明度のあるものを『水晶(ロック・クリスタル)』
工業用途分野では『珪石(けいせき)』
鉱物標本や観賞用の置物として
結晶が群生しているものは『突鉱』と
様々に区別されています。
それだけ奥が深いということですね。
天然石の世界では水晶に始まり水晶に終わるという
ことわざまであるとか。


最初に手にするには一番馴染み深く
(日本は世界有数の水晶産出地です)
値段が手頃で、何より見た目が綺麗
(これは天然石では最も重要な要素です!・笑)
それらの条件を全て網羅しているのがこの水晶だと思います。
パワーストーン業界においては
もはやなくてはならない最強のアイテムでしょう。


その中でも私が一番好きな
青い石である青水晶には特別な思い入れがあります。
今回は二種類ある青水晶のうち
インディゴライトと呼ばれる
紺色の針状結晶インクルージョン(=含有物)を内包する
水晶の変種をご紹介します。


購入したのは昨年のジェムアート展にて
(ジェムアートについては
アパタイト・ボールの回にて
説明がありますのでご参考に)
一番初めにご紹介した天然石
『Rose do France』(ライラック色のアメシスト)と
同じ店でした。
ガラスケースの中に大切そうに陳列され
しかも置かれた向きが後ろ向き…。
おかげでどんな石かわからず
お店の人に頼んで取り出してもらう際には
ちょっぴり緊張しました。
けれど現物は想像以上に素晴らしい石でした!
(値段の方も想像以上でしたが・笑)
一目で気に入り購入となりました。


『Blue Quartz(Indigolite Quartz)』
  Jenipapo mine,Itinga,Minas Gerais.Brazil産





画像ではわかりずらいかもしれませんが
青い針状結晶のインディゴライト中央部分には
レインボー(クラック=ひびによるプリズム効果で虹色に見える)が
現われています。
なのでこの石は青水晶であると同時に
レインボークォーツでもあるわけですね。
ご一緒したラリマーコレクターの友人が
発見してくれたのですが
とても得した気分になりました。





母岩の白い石は大理石っぽい感じですが
もしかしたら白い花崗岩かもしれません。
この画像だとより針状結晶がわかるかと。





立たせた画像です。
尖った先端がいかにも水晶的です。


『青水晶』には他にスペイン・マラガ産の
アエリナイト入りの変種もあります。
こちらも入手するまでに随分と年数がかかりました。
石というのは欲しい時に必ずしも見つかるものではなく
運まかせというのが、ある意味ひどくもどかしく
また、手に入れた時の喜びがひとしおになるのだと思います。


それでは次回更新は来週火曜日
次回も『水晶』特集の続きです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする