花にまつわる幾つもの話

子供時代の花にまつわる思い出や、他さまざまな興味のあることについて書いていきたいと思ってます。

天然石標本~トルコ石~

2010年07月29日 | 天然石標本
今週二度目にご紹介する青い天然石は
目にも鮮やかな空色をした
トルコ石――ターコイズです。
12月の誕生石としてもよく知られていますね。


発色の原因は銅によるもの。
産地によっては鉄を含み緑味を増すことも。
特に中国では緑色味が強いものが多いことから
『緑松石(りょくしょうせき)』と呼ぶこともあるそうです。


ここでご紹介するのは
スリーピング・ビューティー鉱山で採れた
それは美しいトルコ石の原石です。
トルコ石は宝飾品としてもよく使われているので
研磨加工されたものをご覧になられた方は
多いのではないでしょうか。


『Turquoise』
 Sleeping Beauty Mine Arizona産





この面でのスカイブルーが最もくっきりしています。
触れるとどこか白墨(チョーク)に似た手触りがあります。





横から見た画像です。





反対側から見た画像です。
こちらは若干母岩部分の露出が高いです。
一般的なトルコ石の原石はこちらのイメージでしょうか。


トルコ石は高品質に見えるようなものでも
合成樹脂を使用して石の粉末を固めたもの(=プレスト加工)や
あるいは(マグネサイトやハウライト等)他の鉱物や岩石を
トルコ石の色に着色したものがあります。


また、本物のトルコ石であっても、着色して色を強調したり、
合成樹脂を浸透させて(=この処理をスタビライズドと言います)
脆弱な性質を改良しているものが普通に見られるので
購入の際には注意が必要です。


トルコ石はネイティブアメリカンの人々から
『空の石』あるいは『守護石』として大切にされているそうです。
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天然石標本~天青石~

2010年07月27日 | 天然石標本
もはや猛暑を通り越して、酷暑の日々が続いています。
このまま日本は熱帯になるんじゃないかって
たまに思ったりもします(苦笑)


さて今回からは、うだるような暑さの中
一服の清涼剤として、しばらくの間
青い天然石についてご紹介したいと思います。


青い石は天然石通にとってまさに魅惑の世界。
その中でも名実ともに文句なく美しいのが
天青石――セレスタイトです。


青い発色の原因はストロンチウムが含まれるため。
ストロンチウムは熱発光という現象を持ち
セレスタイトを粉末にして火にくべると
炎が赤く染まります(=この作用を『炎色作用』と言います)
この性質を利用して作られたのが
この時期よく目にする花火です。


『Celestite』
 Majunga,Madagascar産





どことなく水晶を彷彿とさせる姿形
透きとおるブルーグレイの色合いは
セレスチャル・アクアマリン
(天空のアクアマリンの意味)
というフォールス・ネームがつくのも
無理からぬほどです。





以下は、購入した際、添付されていた説明文です。

『古い地質時代の炭酸塩岩にはストロンチウムに富むものが多く、
再結晶などによって天青石を含む団塊が形成されることになる。
この際、鉱物組合せは非常に単純になる傾向がある』





裏面から見た画像です。
母岩の白っぽい部分がかなりはっきり残っています。


天青石が日本でよく知られるようになったのはマダガスカル産の
高品質な石が大量に出まわったおかげだと言われています。
値段も手頃で、天然石コレクター初心者にはぜひともお勧めの一品です。


ただこの石も劈開性が強く、衝撃で容易に割れてしまうので
宝石加工にはあまり向かないようです。


次回の更新は木曜日を予定しております。

ここのところ火曜、木曜更新が続いていますね。
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天然石標本~燐灰石~

2010年07月22日 | 天然石標本
今週二度目にご紹介する天然石は
『燐灰石』――アパタイトです。
アパタイトというと、歯を形成する物質として
連想される方も多いかと思います。
ちなみに、歯を形成するアパタイトは『水酸燐灰石』と言い
「生体鉱物」として広く知られ、それらの微細結晶が集合して
哺乳類の骨や歯の『硬組織』を形成しています。


ここでご紹介するのは、若干変わり種のアパタイトです。
一見するとアズロマラカイト(またはアジュールマラカイトとも。
藍銅鉱と孔雀石が混合するブルーグリーンの石)
にも似た球形に研磨されたものです。
購入したのはいつも行くミネラルマーケットではなく
去年、招待状をいただき、初めて参加したジェム(=加工により宝石あるいは
宝飾品として一般的に利用される価値をもった鉱物)アート系の展示即売会でした。



エメラルド・スフィア(恐らくフォールス・ネームと思われます)
と名付けられたアパタイトボールが
描き出す青と緑の模様はまさに地球そのもの。






緑と青がくっきりと分かれて
いかにも地球の大地と海を連想させます。





こちらの面では特に青=海が美しいです。
さしずめ宇宙空間に浮かぶ地球といったところでしょうか。


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天然石標本~グリーン魚眼石~

2010年07月20日 | 天然石標本
今回ご紹介する天然石は
暑い夏に相応しい、とても涼しげな
『魚眼石』――アポフィライトです。
まだミネラルマーケット初心者だった頃
ひたすら憧れ続け、ついに思いきって購入した
私が持つ石の中で、今現在に至るまで最も特別な石の一つです。


名前の由来は英語の別名である『Fish eye stone』から
石の劈開面が真珠光沢を放ち、その白い輝きが魚の眼に似ていることから
この名がついたのだとか。
魚眼石はほとんどがインド原産で
実際、私がこの石を購入した先も
インド人の方が開いていた店でした。
ちなみにこの店、現在も新宿ショーでよく見かける老舗です。


魚眼石は一般的に透明感のある白や無色が主流で
石自体はわりにポピュラーで安価なものですが
その中でも、透明度が高く、色鮮やかな緑の石だけは
大変稀少で、値段もとても高価になります。


『green apophyllite』
 India Poona産




少し画像が暗いのですが
とても綺麗なエメラルドグリーンのクラスター(=群晶)です。
母岩の白い部分は輝沸石です。





これほど美しい魚眼石ですが、硬度が低く
残念ながら、研磨加工して宝石にするには向きません。





下の画像は上記と比べ1/10の値段の『グリーン魚眼石』です。
束沸石(スティルバイト)の中に埋もれたように
小さなエメラルドグリーンが点在しています。





天然石を扱う店で偶然見つけたのですが
なかなか可愛らしいです。
さしずめ、薄くメロンシロップがかかった
ミルクシャーベットといったところでしょうか





石の裏面です。
母岩部分が露出していて
いかにも鉱物といった風情です。





天然石通の間では昔から人気の高い石ですが
最近では、パワーストーンの世界でも瞑想を助け、霊力を授ける石として
人気が出てきているそうです。

今週は先週に引き続き、木曜日に天然石について更新したいと思っています。

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天然石標本~アトランティスの石~

2010年07月15日 | 天然石標本
今回ご紹介する石は『アトランティサイト』と呼ばれる
オーストラリア・タスマニア島で発見された新種の天然石です。


出逢ったのは、先の『Rose do France』を手に入れた
今年6月の通称『新宿ショー』と呼ばれるミネラルマーケットでした。
名前に惹かれ手に取り、お店の方からも親切に色々と教えていただきました。
あいにくとタンブル(=樽磨き)を先に入手してしまい
後で、未研磨のものと遭遇しましたが
こちらは買わずじまいで終わりました。
よくよく考えてみれば、そんなに高いものではなかったので
未研磨のものも購入しておけば良かったかなと。
やはり石は一期一会ですね、機会を逃すと後々悔やんだりします。


ちなみに値段は、タンブル、未研磨とも500円程度と、新種にしてはかなりの低価格。
珍しくはありますが、見栄えの点からは若干地味な印象を受けるので
そのせいかもしれません。


このアトランティサイト
実は黄緑のサーペンチン(蛇紋石)と
紫のスティヒタイト(紫色のサーペンチンに付けられた名称)との混合石です。
幻の大陸アトランティスとは無関係だそうですが
名前の由来は、有名な外国のヒーラーの方が付けられたとか。



黄緑色のサーペンチンの中に
斑点のように紫色のスティヒタイトが点在しています。



上記画像は一番大きなスティヒタイト部分です。
光の反射で紫色が黒っぽく映ってしまいました。



天然石の独特の色合いを撮影で出すのは
とても難しいものですね。
プロの写真家の方でさえかなりご苦労されるそうです。

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