友達のお薦めの本、人気本なので図書館に予約してやっと回ってきました。曲亭馬琴(滝沢馬琴)家に嫁いだお路のお話です。曲亭に嫁いで深い後悔に苛まれたお路がとうとう忍耐袋の緒が切れて、「実家に帰らせていただきます」と宣言する場面から物語が始まりました。私は同じ嫁の立場から清々する、あっぱれと応援する気持ちになりました。舅姑と夫が我儘で女中さんもすぐやめてしまうような家でした。あっぱれと思ったのもつかの間、夫の宗伯が迎えに来て元の鞘に戻ります。その変わりようを酔芙蓉の花にたとえました。嫁いで6年、相変わらず苦労の日々ですが小さな幸いを見つけて暮らしの糧にします。
「小さいからこそ、慈しむのです。幸せとはそもそも、小さいものなのですよ」
「婚家の暮らしの中で見つけたお路の人生哲学。」
「苦労があるからこそ、その陰で見つけた幸せは色濃く映る。些細な幸いを見つける力を育んだのは、元立とお琴の底抜けに前向きな気性であろう」
嫁いで最初に反乱を起こしたお路はそれ以後は楽しいことがなくても受け入れて、家族の要になります。馬琴の口述を筆記するようにまでなりました。苦労はあっても、苦労苦労といじけていていないで前向きになるのでした。最後は曲亭の家の女傑になりました。まるで私?もちろん冗談です(笑)
2023-7-20(木) 図書館資料 請求番号:913/サイ