高田郁作「銀二貫」を読みました。時代小説は興味がなくて今までもあまり読んだことがありません。最近、高田郁さんの書かれたものが読みやすく面白いのではまっています。やはり「読まず嫌い」はダメですね。
「銀二貫」、題名が素晴らしいです。「銀二貫」を要所要所で上手に使っておられると思いました。この本の題名は「銀二貫」しかありえないと思うほど読み手の心に印象付けられます。お金としての使い道も素晴らしくて、さすが大阪商人だと思いました。半分ほど読み進めると高槻の原の寒天作りが出てきます。「糸寒天」もよく食べていましたが、このような苦労の末に作られたものとは知りませんでした。主人公松吉が糸寒天を完成させたのを読んで、もっと味わって食べたら良かったと思いました。この次に糸寒天を買う時は感謝して大切に頂きたいと思います。
それから大阪は何回も火事の被害に遭ってそのたびに復興してきたことを知りました。昔は木造建築で延焼しやすかったので大火になったのです。生きていくことは苦労の連続だったのだなと思いました。
高槻市宮之川原元町にある聞力寺です。ここは寒天発祥の地です。宮田半平さん(小説では半兵衛さんです)は京都伏見で寒天作りを学び高槻に広められました。高槻の寒天作りは飛躍的に発展し、海外へも輸出するほどだったそうです。半平さんの功績をたたえて大正3年(1914)に建てられた石碑がありますが写真は撮っていませんでした。
我が町が出てくる小説、またゆっくりと散歩したいと思いました。
2021-9-1(水) 図書館資料 請求番号:B/タカ