完全なる飼育 etude

1999年の第1作以来、劇場公開映画「完全なる飼育」シリーズ作品として過去8作品作られてきましたが

一応そこまでは見てきていますが、映画のいろんな情報入れないのと

コロナ禍で全く知らなかったんですが

最新第9作目がこの「完全なる飼育 etude」なんですね

その最新作っても2020年製作公開作品だったようですが、それが5月10日の日本映画専門チャンネルの深夜枠で初OAされたものを録画視聴です

こんな作品が作られてたのも知らないはずで未パッケージ作品でDVDリリースの情報はまだ出てきてないから

私が知らなかっただけですが

 

孤独な少女と孤独な中年男との歪んだ純愛を描いてきた究極のラブストーリーが

ようやっとというか、今作ではなんと男女逆転

そうなんです飼育調教する側が女で、若い男が飼育調教される作品として映画は始まります

月船さらら演じる天才舞台演出家が、台湾で日本の時代演劇“完全なる飼育”を上演しようとするのだが、天才舞台演出家の演出パワーが凄すぎて主演の若手主演俳優が逃げ出してしまい、公演もヤバイ状況で、今回公演中止しようってした時に
謎めいた若い役者が代役に売り込んできて、最初断ったものの彼の押しに強さに負けて

ついに天才女性演出家の狂気のリハーサルがはじまる

中盤まではこの物凄いパワハラ的な演出に耐えられない若手男優の姿を見せてくれ

月船さんの狂気演技を堪能させてくれるんですが

中盤以降この男と女の立ち位置が逆転してくれて本来の男が女を飼育調教するというこの映画の根本コンセプトの世界観でその逆転版をやると見せかけて

実は本来のこの映画の基本パターンにW逆転するという構成は面白かった。

 

シリーズの構造を逆手にとった、先の読めない情念の物語は月船さららさんを得てなかなか見応えのある作品に昇華されていたものの
残念なのは、今までのもう一つの基本コンセプトであるエロスが皆無な作品（と言っても女優さんのヌードは出てくるには出てきますが・・・エロス作品ではなく）

ネタばらししちゃうと男の復讐劇でしかなかったのがねぇ

 

2020年製作、日本映画、SEDIC INTERNATIONA.SEDIC DILON 作品

加藤卓哉監督作品

出演：月船さらら、市川知宏、金野美穂、寺中寿之、永井すみれ、松井るな、竹中直人