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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

重臣と青年将校 陸海軍流血史

2025-02-17 17:17:17 | 邦画
国際放映が新東宝キネマノスタルジアからもまたディアゴスティーニの東宝・新東宝戦争映画シリーズとパッケージとしてリリースされてる作品ですが
何故か手に入れて無かった作品
それがなんとYouTubeの新東宝公式チャンネルで無料公開されていたので視聴させてもらいました。
新東宝お得意の日本軍の血の歴史を描いた作品で
 
邦題からも分かるように張作霖爆死事件から二・二六事件までの軍部の若手将校たちのいわゆる血の抗争事件を歴史的に89分の尺で上っ面だけを歴史的になぞって見せるある意味女優さんを抜きにしての新東宝男優陣オールスターで描いて見せた作品
上っ面ではありますが
こう言う経緯で日本はあの戦争に突入していったのかって言うのが少しはわかるような錯覚に陥らせてくれる作品
 
そういやここんとこ笠原和夫さんのこと少し書いていましたが東映で笠原脚本で作られた「日本暗殺秘録」は長らく封印映画としてパッケージ化されていなかったのは物語の中の人物が生存されていたためって言うお話を聞いたことがありましたが
その中の1エピソードで二・二六にも繋がっていく永田少将斬殺した相沢中佐(日本暗殺秘録では高倉健さんが演じられていましたが^_^)
この映画では沼田曜一さんが演じていたのね
 
まぁこ言った軍部が起こした流血のある意味クーデターとかそれぞれそれらの事件の一つ一つを深掘りするのではないところが新東宝らしいちゃらしいのですが
この時代まだまだ新東宝もきちんとお金かけて映画製作に精出してるようで
軍人さんやらその他多勢のエキストラも大量に動員でするだけの力はあったようですね
ゲスト的に高倉みゆきさんが出演されてるんですが彼女のどこに魅力を感じて会社潰してしまったんでしょうかねえ大倉貢さんは
 
1958年製作、日本映画、新東宝作品
大蔵貢製作、土居通芳監督作品
出演:宇津井健、細川俊夫、中山昭二、丹波哲郎、中村竜三郎、御木本伸介、沼田曜一、松本朝夫、三村俊夫、伊達正三郎、淺見比呂志、杉山弘太郎、小林重四郎、九重京司、林寛、鈴木義十郎、若宮隆二、千葉徹、晴海勇三、坂東好太郎、竜崎一郎、高田稔、三ツ矢歌子、高倉みゆき
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妖艶毒婦伝 般若のお百

2025-02-15 19:19:19 | 邦画
東映とか日活作品の未パッケージ作品をヒトツのボックスにして売り出してくれてるベストフィールドって言う会社から
当時東映京撮所長だった岡田茂がエロチック路線で活路を見出そうって東映京都で明朗快活な東映調時代劇を作らずに
セットとか衣装小道具や美術の人々を活用してエログロ時代劇を量産させることをおもいついた作品群の一本で
 
まぁ中堅女優として泣かず飛ばずだった宮園純子さんを登用して作ったのがこの“妖艶毒婦伝シリーズ”
一応シスタームービーとして制作されるもののそれなりの成果をあげてた岡田路線でしたが
このシリーズ三本作られて各作品宮園純子さん主演ではあるものの各作品の主人公は違う人物設定のシリーズ作です
 
まぁ歴史上の毒婦の名を冠した主人公ではありますがお名前を拝借しただけでこれまたオリジナルストーリーって言う作品
まぁ時代劇でありつつ東映の新路線であるエロチックシリーズっていう事で作られておりますが1968年製作ということで女優さんのB地区が見られるわけでもない作品
そんな作品でありつつも若山先生が出演されてて映画を締めてくれてる作品でして
名和宏さんとか山城新伍ちゃんなんかちょい顔見せ程度でしたねぇ
これって出演料貰ってるのかもらってないのかノンクレジットだったし完全なる宮園純子主演映画でのご祝儀出演って事なんでしょうか
 
好きになった男の敵討ちをメインテーマにしており、佐渡金山から荒くれ男を手玉にとって脱出してきての敵討ち
この時代のありもしないギロチンまで映画の小道具として活躍させてる作品
一応モノクロですが第二作目以降は東映東撮で作られてのカラー作品になるんですね
 
見てる分には退屈させないとこはさすが東映作品
 
1968年製作、日本映画、東映作品
高橋猛原案、高田宏ニ脚本、石川義宏監督作品
出演:宮園純子、村井国夫、南原宏治、高野真二、小松方正、三島ゆり子、小島恵子、関山耕司、芦屋雁之助、中村錦司、高並功、那須伸太朗、川浪公次郎、大城泰、堀田真三、阿波地大輔、若山富三郎
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サユリ

2025-02-15 05:05:05 | 邦画
白石晃士版「変な家」だったのねババァが活躍する点でもそう思えた
って言うか、私はJホラー初心者ですからまぁ極力Jホラーをみていこうっていうことで視聴した作品ではあるんですが
まぁ白石監督作品はそれなりにみてきてはいるんですよ、ちゃんと白石和彌と白石晃士の区別はついてますよ
ってもホラージャンルじゃなくてね低予算のちょっとしたドタバタ作品とか私お得意のエロチック作品とかしっかり白石晃士作品は見てきてる
そうなじみのある監督さんの一人ではあるもののここきてフェイクドキュメンタリー的なホラー作品を見てもいるにはいるんですが
本格的なホラー作品は初めてってって言ってもいいのかな
 
なんと原作はあの「ミスミソウ」の押切蓮介氏の漫画だそうで
どうりで中坊の少年が主人公だったわけだ
けどこの映画全ては根岸季衣さんがかっさらって行ってる作品
それと不思議に思うのはよくあんなデブを探してくるよね
世の中デブ専の男もいるのでピンク映画でもデブを主演にアヘアヘ作品もあったけど私は見てないゲテ趣味じゃないんで
 
まぁ実は冒頭の一文はこの後に書いてる映画の中でのセリフから書こうって思っていたんだけど・・・
憧れの中古マイホームが実は事故物件(っても死体が埋められてて未公認)だったっていうことで
爺さん婆さん含めて7人家族で引っ越してきた家族が
この家で起きる不可思議現象によって一人死に二人死にって父さん母さんじいさんにJKの姉さんに小学生の弟と5人も次から次にと死んでゆき
最後に残ったのが主人公の中坊とちょっと認知の入った婆さん
 
俄然ババァの意識がシャッキリして中坊を鼓舞してこの家の根本原因を探り出し
怨念を抱いて死んだサユリの怨念を晴らしてやる作品
後半の根岸季衣さんの抜けっぷりがあまりにも見事すぎて
キャスティングの妙ですよね前半は中坊役の近藤華さんのいかにもな見えるっぶりと主人公への恋心
こんな両方の思いが実は告白しようかどうしょうかって言うふうに迷える女子に完全にハマっていました
 
押切蓮介原作ということで必然中坊が主人公ですから
やっぱでました“元気溌剌!おま○こまんまん”まさに廚坊言語
そして現代が抱えてるDVでもある父親が実の娘に対して行う性的虐待を裏テーマに据えて
家族とはなんだっていう作品
音や映像で驚かすのではなく、ほんとじっくり怖い内容で攻めてきてる作品でした
よく出来てた作品と言える
 
ただ婆さんが元に戻って施設入りしてるんで主人公は必然中坊ですから養護施設入りなんですが、そこはフィクションと言うことで・・・

2024年製作、日本映画、映画「サユリ」製作委員会作品
押切蓮介原作、白石晃士共同脚本・監督作品
出演:南出凌嘉、近藤華、梶原善、占部房子、きたろう、森田想、久保遙、猪股怜生、根岸季衣
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肉体の門

2025-02-14 17:17:17 | 邦画
昨年末から日活さんとそれを発売するかハピネットさんとで日活時代とそれ以降の鈴木清順監督の全作品のパッケージ化を図って毎月5、6本をリリースしてきましたが
これまで発売された作品はほぼ全作録画したりしたのも含めてほとんど持ってる作品ばっかだったんですが

なんと今月リリースされた作品のほとんどが一応は見てる記憶はあるのですがコレクションされておらず
さらにこの作品は初Blu-rayとしての再リリースということで一応コレクションしておこうと購入しました

田村泰次郎のこの原作は発刊当時の1947年から何本か映画化やドラマ化されてますけどっていうかプログラムピクチャーとして日活ではこの鈴木清順バージョンと日活ロマンポルノで二本映画化されていたり
先に書いた「十一人の賊軍」の原作者笠原和夫さんの脚本で五社英雄監督の東映作品まではいいとして
ちょっと驚いたのは最近チャンネルNECOで市販のAVをR -15版の30分程度に再編集する作品群を見てきてますがその中に明らかにこの『肉体の門』をベースにして作られてた作品もあってちょっと驚いた記憶もありますが

1964年製作の日活のプログラムピクチャーの一本として鈴木清順監督がまだ当時19歳だった野川由美子さんをボルネオ・マヤに配して作ったのがこの映画
カラー作品でしてこの時代の鈴木清順監督の映画にしてはかなりわかりやすい作品ですし
清順さんらしいのはカラー映画でもライトの当てかたの工夫によって影を作ったりしてくれてますし
何より演出力がすごいようで画面から漂ってくる匂い立つような女の匂いと汗のにおいはさすがです。

戦後の風景はこの作品の製作年が64年ということもあってか、って東京オリンピックの年ではあるにはあるのですがまだまだ日本もっていうか映画の内容自体が戦後から完全に脱却できておらない作品も多く
作品的にもかなりリアルな感じがただよってくるのですけども
街では庶民の疲弊した感じはほとんど見られず、きちんとセットを組んで撮影されてたようですね

主人公たちの生き方を通して戦後の飢餓と混乱の中で女一人が己の肉体を武器に生きるというバイタリティがこれまたスクリーンからプンプンと匂い立ってくる
パンパンの一人として石井富子さんが、ハダカもいとわない好演
そうですこの時代として画面におっぱいはあんま見せないはずなのに、松尾嘉代さんもそして主人公の野川由美子さんまでがまさかの全裸サービス
そうモロ全裸で吊るされて全身が見えますが映画は光と影のマジックですから見えてはいけない部分にはライトで影をつくっておりますが
この映画の時の野川さんは、日本映画史上はじめて前張りつけたとか・・・

ということでカラー映画ってもいわゆるどぎつい色合いのテクニカラーのような色彩映画でしたけど
照明での光と影と主人公たちのパンパンのそれぞれの衣装に赤・黄・水色・緑や和服とカラー映画を意識して鈴木清純らしい絵作りだった作品でしたかね

切り口の違う記事はコチラ

1964年製作、日本映画、日活作品
鈴木清純監督作品
出演: 野川由美子、松尾嘉代、石井富子、富永美沙子、河西都子、玉川伊佐男、和田浩治、野呂圭介、江角英明、緒方葉子、横田陽子、中庸子、長弘、チコ・ローランド、宍戸錠
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十一人の賊軍

2025-02-14 05:05:05 | 邦画
この映画はいわゆる東映の十八番であって常に観客を動員してきてた痛快明朗なスターシスで東映の番線を埋めてきていプログラムピクチャー東映明朗時代劇に陰りが見えて
さらに映画観覧人口にも陰りが見えて各社そろって映画が斜陽産業といわれ始め
東映時代劇調の勧善懲悪の時代劇がTVで気軽に見られるようになっていった中で
東映京都が破れかぶれでスターシステムが損なわれないシノプシスで集団抗争時代劇を作り
それがスマッシュヒットして一時時期って言っても任侠映画のプログラムピクチャーにとって変わられるつなぎ的な役割を東映東京撮影所ではギャング映画を、京都撮影所では集団抗争時代劇で繋いでた時代がありましてギャングも集団時代劇も根っこはある意味同じであるようで
 
そう言った作品は大御所と若手のスターで作られていわゆる善悪の問題を通り越してて組織と組織の存亡をかけて使命を果たすためには仕掛ける方も仕掛けられる方も組織の人間は誰もが捨て石に徹するって言う不文律の元に作られていたものの
最終的には今までの大御所なり若手のスター俳優が最後に目的を果たすって言う作品でして
三〜四年作られていたのじゃないかなまぁ平成の時代にも「十三人の刺客」という集団抗争時代劇がリメイクされていましたが
 
そんな集団抗争時代劇の一本として任侠映画「総長賭博」がなんと三島由紀夫に絶賛されたり、日本映画を変えたって言われてる「仁義なき戦い」全作品の脚本を書いた笠原和夫氏がそんな存在になる以前に集団抗争時代劇の脚本を一本書いていたのがこの「十一人の賊軍」という作品でしたが
なんと結末が暗すぎると当時の京都撮影所長岡田茂から却下され映画化されずに捨てられたのがこの作品で
原本は残ってないもののプロットだけが笠原さんのとこに残っていたので池上純哉が脚本にして白石和彌が監督して出来上がったのがこの作品
したがって構想時代劇といわれる作品に一本の笠原作品も存在してない
 
まぁ笠原和夫原案ということで当時の作品とちょっと時代に迎合する様に作り替えられてはいるものの
それなりに笠原和夫らしい作品として東映さんが蘇らせてくれたのは嬉しい限りです
が東映さんがどうしてこうなったのかはわかりませんが二次使用のDVDリリースは実は3月14に予定されているんですが
なんとレンタルでは1ヶ月も早くリリースされたということで
一応はセル購入予定ですが見たいものは早い方が良いということでレンタルしてきての早速視聴
なんとも2時間35分もの尺の映画でしたがあっという間の映画でした
 
千原せいじさんが賊軍の一人で破壊坊主の役で出演されていたのね
賊軍の一人に女がいて演じているのが鞘師里保
私は一時期ハロヲタしてましたがモー娘。に鞘師里保が加入する前にヲタカツやめていたもんだから鞘師里保という存在自体はしってはいるんですがその実態を見たのはこの映画がお初だった
まぁ集団抗争時代劇っていうことで誰が主役っていうことはないものの
笠原作品ということもあって
 
舞台である幕末の官軍と佐幕派との争いに巻き込まれたくない新発田藩の実態を描いた作品で
佐幕派の羽越同盟と官軍との駆け引きに巻き込まれたくない新発田藩の家老の阿部サダヲの謀略に捨て駒としていわゆる罪人十人とその監督藩士数人が官軍の侵攻を止めるために砦に篭って羽越同盟の旗幟のもとで官軍を新発田領内に入れないように戦うだけの映画
 
彼らに思想もなんもあるわけではなく自らの命をなんとか守るために一人また一人と戦死していくだけ
新発田藩としては罪人の釣り餌として役目が終われば無罪放免って言う事ですが
実は捨て駒であり用済みは消すのが常でっていうのが映画でも常套手段
 
まぁ罪人10人でタイトルと数が合わねえって最後に帳尻が合うようになっていたのね、ここいら泣かせるシノプシスだよね
集団時代劇っていうことで新発田藩家老の阿部サダヲの映画でもあったのね
 
2024年製作、日本映画、「十一人の賊軍」製作委員会作品(幹事会社東映)、東映配給
笠原和夫原案、池上純哉脚本、白石和彌監督作品
出演:山田孝之、仲野太賀、尾上右近、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯、小柳亮太、本山力、野村周平、田中俊介、松尾諭、音尾琢真、柴崎楓雅、佐藤五郎、吉沢悠、駿河太郎、松角洋平、浅香航大、佐野和真、安藤ヒロキオ、佐野岳、ナダル、木竜麻生、長井恵里、西田尚美、玉木宏、阿部サダヲ
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木枯し紋次郎 関わりござんせん

2025-02-11 17:17:17 | 邦画
東映版菅原文太の木枯し紋次郎の第二作目
柳の下に二匹目の泥鰌がいないって知らしめる作品だった
っていうか前作が笹沢佐保の原作の映画化だったのでそれなりに渡世人のあり方とか紋次郎という人物像が描かれていたように思えるものの
なんと今作は原作から離れて紋次郎という人物だけ借りての野上龍雄にオリジナル脚本で作られた作品となってる
 
まぁ個人的に市原悦子さんのネチネチとした演技が嫌いな私ですからねぇ
乗り切れないって言うのもあったのかもしれませんが
映画の内容的には重くてくらい作品となってるのもマイナス点かもしれない
こびきのお話がトップシーンから始まり
それが紋次郎の人間性に尾を引いてるって言うのがなんとも
東映の作風に合わないないように思える
 
しかし、待田京介さんにしても田中邦衛さんにしてもいい役でしたねぇ
んsんと名和宏さんがたったあれだけですから東映の役者の層の厚さを思い知らされる
手紙を国定忠次の代貸しに読んでもらうのは文盲だからでしょうが
田舎女郎の手紙にしては実によくできてる手紙でしたが生い立ちから考えても紋次郎の姉にしても文盲(再びの差別用語ご無礼つかまつる)としか思えんのだが
そこいらの矛盾に気はつかなかったのか野上さんは・・・
 
まぁ紋次郎人気という時代の流れに流れに乗っかって作られたこの二作品の時代劇でしたが
この後深作さんが「仁義なき戦い」で監督として不動の地位を得て時代劇を本格的に作るまでの徒花的な作品だったわけね
 
1972年製作、日本映画、東映作品
中島貞夫監督作品
出演:菅原文太、市原悦子、田中邦衛、大木実、汐路章、志賀勝、月亭可朝、白川浩二郎、待田京介、大木晤郎、山本麟一、伊達三郎、川浪公次郎、西田良、奈辺悟、中村英子、丸平峰子、賀川雪絵、平沢彰、名和宏
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罪と悪

2025-02-09 05:05:05 | 邦画
日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で視聴した作品
なんと斎藤勇起監督のオリジナル脚本での映画ということで原作のない順然たる映画ということですか
20年前に友人が川に死体で浮かんだことで、友人だった中坊三人が犯人とおぼしきホームレスを殺害してしまい
そのまんま誰も罪に問われずっていうか彼らの胸にこのことをしまって20年生きてきた
 
ちょっと個人的に冤罪で罪を犯した中学生たちって思ったのと
中3といえどもみんな14歳なんで誰かが告白しようとするのかって思っていたけど
胸にしまって大人になっていったんですね
 
そんな中坊三人組がいわゆる一地方の町の閉鎖性と閉塞感の中で三人のうち二人はそこで20年暮らし続け
一人は半グレたちをまとめ土地のヤクザとも渡り合えるボス的な存在になっており
もう一人は実家の農家を継いだ
 
ある日あの二十年前と同様に川に中坊の死体が浮いた
捜査にあたる刑事の一人に警察官になるために唯一町を離れていたもう一人の男がこの町の刑事として帰ってきていた
そして再び彼らの胸に去来するのは20年前のあの殺人
 
劇中過去の彼らの殺しには正当性っていうか殺しに正当性もなんもあったもんではありませんが
殺したホームレスはホモでしっかりと被害者を掘っていたんですね
まぁ刑事が今の事件と過去の自分たちの事件を重ねてゆくことで
20年にわたる少年たちの成長過程における殺人という行為が彼らに与えた心の傷が炙り出されてゆく過程で
今回の中坊殺人の意外な犯人が炙り出されていくというミステリー作品でもあるのですが
 
まぁ限界町というか地方の町の現状をも同時に述べられてて
映画的には登場人物の心裡(誤字ではない・・・こころうち)を描いていく中で現代日本の姿をも見せていくという作品だったのじゃない
たんたんと描いている作品ではあるものの
一地方のやくざのこわさしつこさみたいなものも描いているんですが、その親分があまりにも好々爺すぎて、そのギャップにあぜんと刺せられた、さすが佐藤浩一さん
やくざも黒服、刑事も黒服っていうことっでどっちがどっちやら(笑
 
勝矢さん「日本統一」ではほとんど口だけの人ですが、あの体躯で全力であんだけ走れるんですね、さすが役者さん
 
2023年製作、日本映画、「罪と悪」製作委員会作品
斎藤勇起脚本・監督作品
出演:高良健吾、大東駿介、石田卓也、村上淳、市川知宏、勝矢、守屋茜、奥野壮、坂元愛登、田代輝、しゅはまはるみ、中野英樹、佐藤浩市、椎名桔平
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もしも徳川家康が総理大臣になったら

2025-02-05 05:05:05 | 邦画
2025年の一月もとうとうこの作品で終わります。
一番最後に期待値大の作品を持ってきたものの、さほど期待したほどではなかった作品ではありました。
けど原作がベストセラーってこともあって見てて退屈はしなかった
ケド原作はいつもの通り未読
 
眞邊明人による原作小説がそれなりに売れて、日本の出版ビジネスにおけるプロトタイプとしてこれを漫画化し
そして映画化って言う寸法の作品
個人的には野村萬斎さんって時代劇映画に向いてないと思うんだけどまぁ仕方ないよね
 
て言うのも古典芸能の人だから時代劇映画の中でも一人時代劇になってしまって他の俳優さんとのいわゆるコミュが浮いて見えるとこが個人的に嫌いだったんですが
この作品ではやはり家康演じても基本時代劇ではなく現代劇でしたのと
最後に見せ場があるだけで前半とクライマックスに至る元凶はやはりあのお方で
最後の締めに長台詞を頂いてるだけで後は存在価値を示してればいいだけなので
彼の時代劇時代劇した演技は今作ではきっちりとはまっていた
 
後の偉人もそれなりにハマっていたもののできれば吉宗さんは松平健さんをキャスティングできてて、あの台詞を吐かせてくれてると良かったけど
珍しく東宝が製作委員会筆頭幹事会社で東宝製作の映画ってことで「暴れん坊将軍」の版権は東映さんが持ってるからねぇ
まぁ遠目ですと高島さんもマツケンさんに見えていたからこれは不思議
 
まぁ現代日本の政治批判であり、かつ政治への願望を歴史上の人物に託してた作品ということで主題は見え見えなんですが
それに歴史上のウグイスに例えられた三人の英傑の歴史的な確執と野望をそのまんまテーマにしていたので見てるうちにミステリー部分んが透けて見えてしまって・・・
結果秀吉の家康への江戸の仇は長崎で的なお話でしかなかったのね
 
浜辺美波さんをしっかりとヒロインにしていたんですね
今や日本映画界において欠かせない女優さんになられた感のある浜辺美波サン出演作にも恵まれてるようですね
彼女と竹中さんで見せる映画ではあったものの
もっと竹中さんをはっちゃけさせて欲しかったかな
まぁ現代日本へのメッセージ映画としても底が浅かったのは否めませんですが、眞邊明人さんと言うお方はそれなりに歴史に造形の深い方だったようですな
 
っていうか久々お金のかかってる邦画にお目にかかった
モブシーンでのエキストラの人海が半端なかった。
 
2024年製作、日本映画、「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会作品、東宝配給
武内英樹監督作品
出演:浜辺美波、赤楚衛二、GACKT、髙嶋政宏、江口のりこ、池田鉄洋、小手伸也、長井短、音尾琢真、山本耕史、田中茂弘、梶原善、小籔千豊、観月ありさ、竹中直人、野村萬斎
 
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地獄の掟に明日はない

2025-01-30 17:35:09 | 邦画
昨29日に東映チャンネルでリアルタイムで視聴した作品
降旗監督と高倉健さんの初タッグ作品だったそうですが、鶴田浩二さんでは任侠路線中でのいわゆる背広やくざの映画は恒常的に作られているもののは
健さんには現代やくざものと言ったら「網走番外地」の新旧シリーズがあるだけで
きちんと背広にネクタイのやくざ映画はお初で最後ではないだろうか
って「日本侠客伝」シリーズに一本あったっけ(汗

長崎にオールロケして作られた作品という事で主人公を被爆者としておりある意味戦後を引きずってる作品と言ってもいいけど
白血病が生かされていたのは堅気のヒロイン十朱幸代さんと出会うって言うシーンのみに使われるだけで
本筋に全く絡んできてなかったのは・・・

長崎での競艇場の利権をめぐって同根の新旧やくざが対立してる中でケンさんは旧組織で新興組織との対立に苦慮する主人公ですが
三国連太郎演じる旧組織の顧問弁護士にいいようにあしらわれて利権からシマまで両組織を飲み込まれてしまうと言うお話

東映任侠映画には珍しい恋愛ロマンスもプロットに組み込まれてる作品でしたねぇ
背広だじぇでなくダボシャツや着流し姿の健さんも見られる
先に書いてますが主人公は被爆者で白血病って言う設定をもう少し活かせなかったかなぁ
エンディングは刺されるんじゃなくてねぇ
誰だこんな中途半端なエンディングにしたのは・・・

1966年製作、日本映画、東映作品
降旗康夫監督作品
出演:高倉健、三國連太郎、十朱幸代、南田洋子、佐藤慶、今井健二、河津清三郎、串田和美、石橋蓮司、皆川和子、国景子、関山耕司、佐藤晟也、八名信夫、久保一、日尾孝司、片山滉、小林稔侍
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人斬り与太 狂犬三兄弟

2025-01-29 17:52:07 | 邦画
菅原文太さんの苦節何十年かの鬱憤をはらすかのように東映さんでついに「現代やくざ」シリーズの主演を掴み、全六話あるうちの5話までは東映人きぃう路線の戦後版みたいな作風だったのが第6話の「現代やくざ 人斬り与太」で深作欣二さんが監督をしてその今までの鬱憤を主役のキャラに被せての無軌道ぶりが首脳陣に触れたのか
旬日を得ずに“人斬り与太”の続編を・・・


その他を顧みない彼なりのキャラが岡田さんの目に止まっての第二作
前作とは人物も何もかも違うものの東映初出演の渚まゆみの体当たり演技と
前作での薄気味悪さが買われての三谷昇さんがこの作品に立て続けに出演され
三谷さんはなんとその薄気味悪さをさらに強調したキャラで三兄弟の一人に
そして次男にはこれまた演技派の田中邦衛さんを充ってくると言うナイスキャスティング

そして今作での渚まゆみさんはもうお尻まるだしの全裸シーンまで披露してるんですが
彼女をよく見ると目だけでの演技なんですね
そうセリフが一言もない役で前作同様文太さんに犯され殴られてもその彼への愛を貫く女
全くセリフがないって言うたら梶芽衣子さんの「さそり」でもありましたよね
でもあれは深作欣二さんではなかった

まぁ弾けるだけ弾いた分その反動としての見返りが人の人生にはあるわけで
三谷昇は血塗れて、なんと田中邦衛さんは自分に母親に命を絶たれると言う最期を迎えるわけで
暴力の果の因果応報の世界観が色濃く出ており
その先に見えるものはラストシーンの渚まゆみさんが具現化して見せると言う
実によくできてる作品でした

1972年製作、日本映画、東映作品
深作欣二監督作品
出演:菅原文太、田中邦衛、渚まゆみ、今井健二、三谷昇、室田日出男、菅井きん、小林千枝、松井康子、藤山浩二、東竜子、由貴リエ、城恵美、河合絃司、小林稔持、日尾孝司、相馬剛三、高月忠、城春樹、誠直也、土山登志幸、谷本小夜子、渡辺文雄、須賀不二男、内田朝雄
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