日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で視聴した作品
なんと斎藤勇起監督のオリジナル脚本での映画ということで原作のない順然たる映画ということですか
20年前に友人が川に死体で浮かんだことで、友人だった中坊三人が犯人とおぼしきホームレスを殺害してしまい
そのまんま誰も罪に問われずっていうか彼らの胸にこのことをしまって20年生きてきた
ちょっと個人的に冤罪で罪を犯した中学生たちって思ったのと
中3といえどもみんな14歳なんで誰かが告白しようとするのかって思っていたけど
胸にしまって大人になっていったんですね
そんな中坊三人組がいわゆる一地方の町の閉鎖性と閉塞感の中で三人のうち二人はそこで20年暮らし続け
一人は半グレたちをまとめ土地のヤクザとも渡り合えるボス的な存在になっており
もう一人は実家の農家を継いだ
ある日あの二十年前と同様に川に中坊の死体が浮いた
捜査にあたる刑事の一人に警察官になるために唯一町を離れていたもう一人の男がこの町の刑事として帰ってきていた
そして再び彼らの胸に去来するのは20年前のあの殺人
劇中過去の彼らの殺しには正当性っていうか殺しに正当性もなんもあったもんではありませんが
殺したホームレスはホモでしっかりと被害者を掘っていたんですね
まぁ刑事が今の事件と過去の自分たちの事件を重ねてゆくことで
20年にわたる少年たちの成長過程における殺人という行為が彼らに与えた心の傷が炙り出されてゆく過程で
今回の中坊殺人の意外な犯人が炙り出されていくというミステリー作品でもあるのですが
まぁ限界町というか地方の町の現状をも同時に述べられてて
映画的には登場人物の心裡(誤字ではない・・・こころうち)を描いていく中で現代日本の姿をも見せていくという作品だったのじゃない
たんたんと描いている作品ではあるものの
一地方のやくざのこわさしつこさみたいなものも描いているんですが、その親分があまりにも好々爺すぎて、そのギャップにあぜんと刺せられた、さすが佐藤浩一さん
やくざも黒服、刑事も黒服っていうことっでどっちがどっちやら(笑
勝矢さん「日本統一」ではほとんど口だけの人ですが、あの体躯で全力であんだけ走れるんですね、さすが役者さん
2023年製作、日本映画、「罪と悪」製作委員会作品
斎藤勇起脚本・監督作品
出演:高良健吾、大東駿介、石田卓也、村上淳、市川知宏、勝矢、守屋茜、奥野壮、坂元愛登、田代輝、しゅはまはるみ、中野英樹、佐藤浩市、椎名桔平