ここ1年でめっきりテレビを見なくなりました。
オンタイムで見るのは朝のニュースくらいで、
NHKの朝ドラ、ワンクールに一つか二つの民放
連ドラ、推しが出演する番組を録画して、都合
の良い時間に見ると言う形が定着。
無駄にテレビを付けっぱなしにすることはなく
なりました。
朝は、NHKの「おはよう日本」をとりあえず流
しています。
先日、桑子アナとの対談で、川崎元気さんが出
演していました。
ちらっと耳に入って来たワードに興味を覚え、
家事の手を休め、テレビの前まで行って立った
まま聞きました。
川村元気さんが制作に関わった映画「告白」や
「悪人」「おおかみこどもの雨と雪」「君の名
は」などは、観た後しばらく強い印象が残るも
ので、なんとなく気になっていました。
小説を書いていらしたとは知らず、先月20日に
2年半ぶりに新作を刊行したということで、にわ
かにまた興味が湧きました。
対談の場所が、小説に合わせてなのか、川村さ
んの母校上智大学の聖堂で、十字架に架けられ
たイエス・キリストの前という厳かな場。
この大学に在籍したことも少なからず影響して
いるという今回の小説は、「信仰」「信じる」
ということがテーマ、「神の正体を知っていま
すか。」とサブタイトル。
気になる題材です。
この不安定な時代、情報が散乱、錯綜し、SNS
では考え方の違いや不安、余裕の無さから来る
不毛な叩き合いが蔓延り、物事を簡単に信じる
ことが難しくなっているように思います。
それでも、人は信じたいし、信じないと上手く
生きていけない。
家族が理不尽な殺され方をしたとなったら、何
かにすがらなければ正気を保てないというのも
当然のことでしょう。
番組を見た数日後には本を購入し、早速読みま
した。
衝撃的なシーンから始まる小説ですが、文章を
読むとそのまま映像に変換されていくという面
白さがあります。
風景や人物像、建物、小道具、色味、質感等、
一瞬にして全て映像化され、まるで映画を見た
ような気分にさせるのは、流石映像プロデュー
サーだなと。
小説としては、父親、母親、姉、3人の目線で書
かれた構成はとても良いと思うのですが、私に
は迫り来るものがあまりなかったというか、ど
こか物足りなさが残ってしまいました、残念な
がら。