びすた~り、びすた~り。

のんびりゆっくり歩いていこう。Kana-catの、日々のつぶやき。

鋸、ふたたび。

2010-09-27 20:57:31 | 山歩き
 土曜日に蓼科山から青空さんに「このお天気でどこにいらっしゃるかな~」(自分の行き先の参考にしようと思っていた)と連絡したところ、「鋸に行くけどいかが?」とのことだったので、急遽ご一緒させていただきました。
 鋸岳には、既に一度登っています。2004年の年末。冬山を始めたばかりだった私は、よく調べもせずに鋸縦走コースに申し込み。生憎の荒天のなか、角兵衛沢を登り切ったときには既に寒さと慣れないザックの重さにすっかり消耗。なんとか縦走して北沢峠に生還したものの(笑)、つらかった記憶しか無く、以来北沢峠を往復するバスの車窓から懐かしく眺めるだけとなっていました。今回お誘いいただいたときも、最初は角兵衛沢から上がると思い「石ゴロゴロなんでイヤです」と一旦お断りしたのですが、別ルートで核心は長~い林道歩きだと聞いて連れて行っていただくことにしました。

9月26日(日) 鋸岳

  4:05 林道ゲート
  6:45 林道終点(小屋)
  8:05 横岳峠
  9:55 三角点ピーク
 10:52 鋸岳山頂(第1高点)
 11:36 山頂発
 14:30 林道終点(小屋)
 16:44 林道ゲート

 前夜、小淵沢ICで待ち合わせて入山口へ。車は数台。超マイナールートとのことでしたが、ちゃんと登山者が居るのですね。翌朝はヘッドランプをつけて4時に出発。同時刻、自転車3人組が軽やかに出発していきました。
 ゲートをすり抜けて、林道歩きの始まりです。駐車スペースから約10km。最初の4kmほどは舗装の平坦な道路で、自転車がとてもうらやましくなります。沢沿いの林道は復旧工事中で、明るくなってくるとなかなかの景観です。半分歩いた時点で既にうんざり。一人だったらとても耐えられませんね。
 明るくなってから朝食を食べ、2時間40分ほどかかってようやく登山口に到着。赤い屋根の小屋があります。休憩を終えた自転車組がちょうど出発していきました。あれ?とっくに居ないと思ったのに・・・。後で聞いたら「自転車のメリットは下りなので登りはかえって大変」なのだそうです。
 ペンキや目印に従って、沢を遡上し(渡渉するほどではない)、富士川源流という標識で尾根に取り付きます。ここからは横岳峠まで急登。目印はありますが、マイナールートゆえに登山道が他ほど明瞭ではないので慎重に拾っていく必要があります。あれ?と思ったら少し引き返したほうがよいでしょう。我々は賑やかにおしゃべりしていたので(笑)、二度ほどウロウロしました。
 峠に出て、一休み。木々の隙間から仙丈ヶ岳、北岳が見えます。お天気は上々。ここからも三角点ピークを目指して急登です。地図でルートを見ると、長~い林道歩きが大半を占め、登りはちょこっと(笑)。その登りが急なのですからとても極端なルートといえます。
 樹林帯から抜けて、ガレ場が出始めると三角点ピーク横です。いよいよここから稜線歩き。特に危険なところは有りませんが、長野側はスパッと切れ落ちているので慎重に歩きます。鋸頂上の第1高点がぽこっと見えています。ルートは比較的明瞭ですが、やはり慎重に目印を拾いましょう。
 右側の角兵衛沢をのぞき込みます。・・・懐かしい。冬の記憶が蘇ります。その年はまだ雪が少なく、一番たちが悪い状態のガレ場を、足を取られながら登りました。やっと着いたコルには強風が吹き荒れていて、みんなで叫びながらダウンを着込みました(寒くてヤッケを脱げないのだけれど、脱がないとダウンが着られない)。この時点で既に半べそだった私。その後の記憶は断片的です。第1高点はふーん、とあっさり通過、シカの窓を覗いて「こえ~」、懸垂下降を待つ間に凍え・・・石室に着いたのは19時を回っていた気がします。街明かりがきれいだったなあ・・・(涙)。翌日も視界が悪くて、甲斐駒ヶ岳に着いたと言われても「なんか見覚えがあるかも」ぐらいで展望は望めず・・・。
 角兵衛沢のコルから、いよいよ第1高点へ。霜柱を発見して、季節が確実に移っているのを確認。登山道はしっかりしているのだけれど、霜のおかげで滑りやすくなっています。雨の後も注意ですね。さくさく上がって到着、鋸岳山頂です。目の前に甲斐駒ヶ岳があって、仙丈ヶ岳や北岳も大きく見えます。この角度の眺望は新鮮!八ヶ岳や北アルプス、中央アルプスもよく見えます。前回晴れていれば、こんな景色が見られたんですね~。歩いた稜線も確認しました。今の私なら岩場をアックスで登れと言われても戸惑わないし、ヤケになってザイルを掴むようなまねはしないでしょう(笑)。成長は遅いけど多少はましになったかなぁ。・・・山頂はいつでもうれしいですが、今回はちょっとひとしおでした。眺望を確認して、やっと本当に鋸岳に登ったんだな~と思いました。
 しばらくするとガスが上がってきて、雲も増えてきました。いいタイミングで山頂に到着したようです。下山は当然ですが往路を戻ります。三角点ピークまでは慎重に、あとは一気に下山です。登山道は荒れていないので歩きやすいです。木の根っこだけ注意ですね。急なだけあってあっという間に林道終点に到着。しっかり休んでから、消化試合となった林道歩きです。下り勾配なので思ったより楽です。ダメージは途中で追い越された自転車部隊ですかね~(笑)。また日曜日なのに工事をしていました。冬が長いからでしょうか。ご苦労様です。歩き出してすぐ雨がぱらつきましたが、なんとか車に戻るまでカッパを出さずに済みました。

 下山後はお約束の温泉へ。道の駅「蔦木の宿」で汗を流して、おそばを食べて解散。疲れたけれど楽しい1日でした。青空さんは「おバカな企画につきあってくださって・・・」と何度もおっしゃいましたが、もう二度と登ることはないだろうと思っていた鋸岳に会えてとてもうれしかったです。夏場にルートを選んで登れば、恐れおののく山ではなかったんですね(笑)。とはいっても、安易な気持ちでは登れる山ではないですが・・・。青空さん&ひーちゃん、誘ってくださってありがとうございました。

<ぽこっとしたのが鋸山頂>


<角兵衛沢>


<着いたよ~。ルートは左側・潅木のほうを行くので大丈夫です>


<甲斐駒をバックに>


<3人で。この頃にはだいぶガスが・・・>
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6 コメント

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Unknown (やっとし)
2010-09-27 22:09:55
僕もちょうど同じ時間に地蔵岳にいました。
ホント天気ギリギリ間に合ったって感じでしたよね。
オベリスクのてっぺんを目指しましたが、ザイルのあるところまでで断念しました。いっぺん行ってみたいですね。
返信する
思い出します (kacchin)
2010-09-28 09:40:26
お久しぶりです、覚えていますか
(ワイナポトシ&イリマニのザイルでね)

何気に覗かせて頂いたら青空さんと鋸へ、の記事、懐かしくなって、初コメを。

当時300名山を目指していて、私にとって鋸は難関の一つ、
車なしなので、戸台口からの日帰りは難しいと判断し、やむなく2日間のを狙って、ビバーグ体勢であのガラッガラの角兵衛沢から登りました

遡ること16年前の事で、山名板はなく、鉄棒が一本だけあったような記憶が・・・?

いつもHガイド氏のブログ上でお名前を拝見しては、懐かしく思っています。

またお邪魔しますね、





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割り込み (青空山岳会)
2010-09-29 00:10:06
やっとしさん

オベリスクの山頂、残念でしたね。スキルアップし、いつか是非リベンジして下さい


kacchinさん

前回の荒川岳でも、今回の鋸でも噂をさせていただきました(笑)。

鋸の山頂で休んでいる時に足元に錆びた鉄棒が一本転がっており、「これは何だろうね?」と・・・、謎が解けました
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もちろんです! (kana-cat)
2010-09-29 21:12:36
kacchin様

ご無沙汰しております。もちろん覚えておりますとも!その節は本当にお世話になりました。

鋸は形も登山道も印象に残る山なんですね~。
どの山にも大事な思い出があるんですけどね~。

イリマニの平和なBCがとても懐かしいです。
またご一緒させて頂くチャンスがありましたら嬉しいです!
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オベリスク (kana-cat)
2010-09-29 21:16:53
今もトラロープがぶら下がってます?ちゃんとしたザイルになってました?
私も基部まで行ってやめました。ちゃんと確保してもらわないとイヤだわ(笑)。高所恐怖症なので。
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Unknown (やっとし)
2010-09-29 21:57:34
結構、登ってられていたかたがいたのでちゃんとしていたのかな?
それとも、ザイルには頼らずに登っていたのかもしれません。

今回、Kana-catさんの言うとおり、十分余裕を持って日帰りすることができました。久しぶりにまったりした登山をしました。
3ヶ月ままで立山登るのも精一杯だった自分が信じられないですね。
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