「MOTアニュアル2019 Echo after Echo：仮の声、新しい影～三宅砂緒、吉増剛造プロジェクト、鈴木ヒラク」②／／政府・官庁の「隠蔽体質」から、あれこれ考える。／ダイヤモンドプリンセス号の船内情報やコロナウイルス感染者情報で顕著だが、政府は「国民をパニックに陥れないために」という口実をつけて、様々のデータや事態の経緯・結果を公表せず、内部機密化することを常習化してきた。／たしかに、デマから発したトイレットペーパー売り切れ続出騒動を見るにつけ、大衆がパニックを起こさないとは言わないが、むしろ情報を隠すことの方がずっとパニックを生みやすいと思う。大体、「国民のためを思って隠してる」なんて頓珍漢な言い草だ。／狙いは別にある。／昨日の首相の、偽善的言葉で飾られたプロンプターの棒読みと、予定非調和の質問は一切受け付けない「意味のない会見（だよ）」でも明白にわかるが、本当に隠したいのは、「責任体系が曖昧で、誰も責任を取らない‐取りたくない権力システム」であり、首相の「無能ぶり」、その無能な人物にぶら下がる大臣たちの「隷属ぶり」、そしてその配下にある官僚の「権力盲従ぶり」である。／ただし、いくら無能な艦長に一蓮托生と付き従ったところで、この難破船も早晩、沈没する。その時、タガが外れ、隠していた大量の事実が明らかになる。／／驚愕なのは、すでにそこら中、綻びだらけで、瑕疵を繕えていないのがとっくにバレているにもかかわらず、本人は弱気になるどころか、まだ大層、ご立派なおつもりなところ。／去年から今年に至るまでの間によくわかったことは、無能・無恥な人間でも権力を笠に着さえすれば社会的に高い地位に上り詰めることが可能であること。また、当該人物の自己および周囲の評価が異常なレベルで高止まりしたままで、強大な影響力を長期的に行使できてしまうこと。日本の政界や政治史でもここまで異常な政権は前例がない。前例がないだけに、このド派手な反面教材はとても勉強になる。／隠しても隠しても切りがない。／またやれ緊急事態条項などという劇薬で世間を騒がせることで、失策や不正への目くらましにし、今後も「ヤッタ感」カードを切り続けるのか。／自分が手を染めた数々のあやしい所業への疑惑を頑なにスルーする「観念しない意志」を、いつまで発揮するおつもりか。／／あらら、ここで股靄幻聴です。「私に限界の文字はありません。今後とも国民の負託に全身全霊で応えていく所存であります。」／幻聴へのツッコミ：「まず辞書で限界の意味を調べ、定義づけし、限界を設定してください。」「次に、国民とはひとりひとりの日本人です。先日の小中高の全国一斉休校要請でよ～く分りましたが、あなたは国民ひとりひとりの生活なんて眼中にない。つまりあなたの言う国民は顔がのっぺらぼうの烏合の衆です。その実体のないのっぺらぼう国民から受けた負託に全身全霊で応えるって、邪教の教祖か、全霊なだけに怪奇小説かなんかですか？あなたが実際に負託を受けているのは、のっぺらぼうの民ではなく、顔かたちがよく見える如何わしい取り巻きと料亭通いして身贔屓する関係者だけ。というわけで、あなたが「国民」という言葉を発するのを聞くたびに虫唾が走り、吐き気を催します。せめて自分個人の権力欲のため、そして与党や忖度官僚のため、と明言してくれれば吐き気も少しは治まります。そもそも公人が露骨に私的権力の維持を図ろうとしている時点で失格です。早く私人になって、償うべき罪は償ったうえで、ポケットマネーで信奉者と料亭に行くなり、ゴルフに行くなりしてください。」／幻聴は奇想天外な妄想を生むものです。
