第86回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース 男子U23
6月24日(土) 階上岳登山口周辺周回コース(約14km/周)
・8:00~ U23 個人ロード・スタート 140.0 km (14.0 km× 10 周)
出走選手:横山航太 水谷翔 小山貴大
2017年の全日本自転車競技選手権大会ロード・レース、6月24日は男子U23(19~22歳)のロードレースが行われ、シマノレーシングの横山航太がサバイバルレースを制してU23全日本チャンピオンに輝いた。
青森県階上町の階上岳が見下ろすロードレースのコースは、前日の個人タイムトライルとはレイアウトが異なる1周14㎞。中盤以降に厳しい上りが2カ所あり、過去に全日本アマチュア選手権やインカレロードなどでも名勝負が繰り広げられた屈指の難コースである。
男子U23ロードレースは、このコースを10周する140㎞。プロチーム、クラブチーム、学生からなる124選手が出走した。
シマノレーシングからは、横山航太、小山貴大、水谷翔の3人が参戦。チームは約2週間前からここで合宿を行って、コースを入念に走り込んできた。特に今年がU23最終年の横山は高校時代から全日本の合宿でこの地を走っており、熟知したコースでのレースで優勝に狙いを定めていた。
前日に続いて、強い日差しの下でレースはスタート。1周目、5人の逃げが飛び出し、それをチェックする4人の追走集団に小山が入るなど、序盤からシマノレーシング勢は積極的な走りを見せる。
結局この逃げは決まらず、その後もアタック合戦が繰り広げられる。小山、水谷らは危険な逃げを許さないようにチェックし続け、厳しいレース展開に集団は序盤から早くも70人ほどに絞られる。
5周目の上りでは、横山が「ジャブ程度」というアタックを仕掛け、集団をさらに40人にまで絞りこむ。
その後も新城雄大(EQADS)、新城銀二(那須ブラーゼン)などが飛び出しを試みるも、決定的なリードを開くには至らない。
7周目に入ると冨尾大地(鹿屋体育大学)、野本空(明治大学)、中井唯晶(京都産業大学)の逃げが決まり、最大45秒ほどのリードを築く。これを追うメイン集団は20人ほどにまで減り、序盤からチームのために動いていた水谷もここで遅れ、残念ながら8周目にリタイアとなった。
その8周目、集団から横山が2つ目の上りでアタックし、山本大喜(鹿屋体育大学)がこれに反応。先頭3人をとらえることはできなかったが、再び集団に戻ったときは実力ある選手が10人ほど残るだけになっていた。
9周目には逃げる3人もバラバラになり、野本が単独先頭に。それを数10秒差で追う集団内では横山、小山も終盤に向けチャンスを狙っていた。
ラスト10周目に突入すると、上りで「自分が勝つつもり」だったという小山が単独アタック。これを追う山本(鹿屋)に横山が反応。小山を抜いて、2人で単独先頭の野本を捕まえる。
結果的にチームメイトの小山の動きがきっかけとなって、レースは横山が山本と野本と争う展開に。ラスト数km、横山は他の2人のアタックを冷静に封じ込め、最後のスプリントに備える。そして「合宿で試走して決めていた」というラスト150mの緩やかな上り勾配でスプリントを開始。圧倒的な力でライバル2人を引き離し、右手を突き上げてゴールラインを突破した。
完走わずか22人のサバイバルレースで、最後まで力強い走りを見せた小山は5位フィニッシュ。ゴール後はコース脇に倒れこむほど全力を出し切っていたが、前日の個人TT4位に続く好結果に成長を感じさせた。
表彰式でチャンピオンジャージに袖を通した横山は、過去にもロードのU17、マウンテンバイクのジュニア、シクロクロスのジュニアとU23(2度)でタイトルを獲得しており、自身6度目の全日本王座獲得となった。
またシマノレーシングにとっても、1996年に設立されたU23ロードカテゴリーでは初のタイトルとなった。
明日25日は、男子エリートのロードレースが行われる。好調のキャプテン入部正太朗、昨年3位の木村圭佑、地元期待の湊諒、そして秋丸湧哉、秋田拓磨、西村大輝の6人で2日連続の全日本タイトル奪取を狙う。
■コメント
横山航太選手
「本当にうれしかったです。今回は狙って勝ったんで、最高でした。本当にチームで勝った勝利だと思います。来年からエリートですけど、海外のレベルの高いところで走れる選手になりたいです」
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■リザルト
第86回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース
<男子U23(140.0㎞>)
1 横山航太(シマノレーシング)3:39:05
2 野本空(明治大学)+00:02
3 山本大喜(鹿屋体育大学)+00:05
4 安田京介(京都産業大学)+00:50
5 小山貴大(シマノレーシング)+00:55
6 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)+02:19
7 大町健斗(Team urasia - IRC TIRE)+02:20
8 冨尾大地(鹿屋体育大学)+02:26
9 中井唯晶(京都産業大学)+04:30
10 渡邉歩(La Bande)+04:38
DNF 水谷翔(シマノレーシング)
Tatsuya Mitsuishi