獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

友岡雅弥さんの「地の塩」その43)白幡ミヨシさんの語る「遠野の民話」

2025-01-04 01:49:56 | 友岡雅弥

友岡雅弥さんは、執筆者プロフィールにも書いてあるように、音楽は、ロック、hip-hop、民族音楽など、J-Pop以外は何でも聴かれるとのこと。
上方落語や沖縄民謡にも詳しいようです。
SALT OF THE EARTH というカテゴリーでは、それらの興味深い蘊蓄が語られています。
いくつかかいつまんで、紹介させていただきます。

 


カテゴリー: SALT OF THE EARTH

「地の塩」という意味で、マタイによる福音書の第5章13節にでてきます。
(中略)
このタイトルのもとに書くエセーは、歴史のなかで、また社会のなかで、多くの人々の記憶に刻まれずにいる、「片隅」の出来事、エピソー ド、人物を紹介しようという、小さな試みです。


Salt69 - 偶然ってあるんですよ。 遠野での物語り

2019年5月20日 投稿
友岡雅弥

学部生のとき、大学院に進んで、哲学科行くか、民俗学の民話研究行くか、最後まで悩んでいました。昔話ならこの人という、稲田浩二、小澤俊夫両氏による『日本昔話通観』を全巻持ってました。

一冊、500ページ前後で、各都道府県一冊づつの、壮観な「通観」でしたね。経済的には、痛感でしたが。


昔話というとステークホルダーは、研究者、そして、話を採集する、採話者、そして何せ大事なのが、「語り部」「むかすかたり」です。もちろん、聴き手も。


採話者としては、稲田浩二、小澤俊夫、それに、松谷みよ子、瀬川拓男、関敬吾などが有名です。たいてい、これらの人たちは研究者でもあります。


柳田国男の「遠野物語」を強く記憶されているかたもいるかと思います。でも、あの話を採話したのは、柳田国男ではありません。遠野在住の昔話研究者・佐々木喜善さんです。


これらの採話者に並んで、大友儀助さんという、山形の採話者も、僕は大好きでした。


この大友儀助さんは、山形の新庄で、多くの素晴らしい「むかすかたり」を発見します。

そして、名著『新庄のむかしばなし』を発表します。「西部警察」でも、名バイプレーヤだった庄司永健さんが、故郷の酒田・新庄弁で、この本のなかのいくつかの昔話を語ったのが、かつてNHK-FMの「朗読の時間」で、10回にわたって放送されていました。

このなかに、「工面師徳兵衛」という昔話があったのですが、これが上方落語の「算段の平兵衛」とよく似ているんですよ。

「工面」は、工夫してなんとかするという意味ですね。「算段」も同じ。ストーリーもよく似ている。

酒田と大坂は、米を運ぶ廻船で結ばれていましたから、どちらかから、どちらかへ、 伝わったんでしょうね。


桂米朝師に、資料とともに、庄司永健さんの語る「算段の平兵衛」の音源データをお渡ししたこともありました。


大友儀助さんの事跡を見たいと思って、新庄を訪れたこともあります。


さてさて、東日本大震災の時、遠野を一つの拠点としていました。

それは、遠野が、気仙沼・陸前高田・山田町・釜石・大槌などに、だいたい等距離だからです。

釜石線とか、釜石線&三陸鉄道とか、また国際NGOの車に同乗させていただいたり。

実際、いろんな支援団体が、拠点を遠野に置いていて、そことの連携も、遠野ならばしやすいのです。


「遠野」ですよ。佐々木喜善さんの生家もあります。

実際は、佐々木喜善さんではあるものの、やはり柳田国男の「遠野物語」の影響は大きく、遠野は「民話の町」として、民話にちなんだ場所や、語り部さんが語る民話が聴ける場所もあるんです。あちこちにね。


そのころ、僕が、是非、一度でも会いたいと思ってた民話の語り手さんは、白幡ミヨシさん。

遠野の人でした。

それで、夕方に、ある国際NGOの事務所に行く予定だったある日(2013年秋です)に、遠野の一番有名な民話の語り場所にお邪魔したの です。


まあ、白幡ミヨシさんは、正直亡くなってると思ってたんですよ。

1910年(明治43年)の生まれですから。生きていらっしゃったら百歳を越えてますよね。


それで、まあ、誰だろうと思って、古民家の囲炉裏端で、語り手の登場を待っていたのですよ。


するとすると、

出てこられたのが、白幡ミヨシさんの娘さんの菊池タマ(玉)さんでした!!!!!!


偶然の奇跡。

なんと、ミヨシさんは、また生きていらっしゃって、まだ、お元気で民話は語れるんだけど、足が不自由だから、長いことすわれね、でも、喜んではー、デー・サービスを行っでる、との話でした。


こんなことあるんだと驚きました。


それで、あまりにも、僕がうれしい顔しているので、タマさんは、いつもは、二つの民話の語りのところが、サービスで、たくさん語ってくれました。

「願い続けると叶う」みたいな、浅薄な自己啓発セミナーっぽい話ではなく、偶然の奇跡があるから、人生やめらんね(山形弁で)。

 

 


解説
僕が、是非、一度でも会いたいと思ってた民話の語り手さんは、白幡ミヨシさん。
遠野の人でした。

白幡ミヨシさんの語る「遠野の民話」。
私も聞いてみたいです。

  *    *

ちなみに、Salt70~81 は欠です。
何が書いてあったのでしょう。
気になります。

Salt82~89 は友岡さんの講演の録音です。
すでに、この連載で取り上げています。

Salt82 -【友岡講演2 1/8】 袈裟   ~

Salt89 -【友岡講演2 8/8】 自分で自分の道を切り拓く人に

私的には、Salt89 -【友岡講演2 8/8】の中に出てくるおばあちゃんと友岡さんのお母さんが素敵でした。

自分で自分の道を切り拓いていく人のことを仏というんです。
神様じゃない。

という言葉が印象的です。

 

友岡雅弥さんのエッセイが読める「すたぽ」はお勧めです。

 


獅子風蓮



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