獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

友岡雅弥さんの「地の塩」その41)生産現場がどんどんつぶれていく

2025-01-02 01:49:33 | 友岡雅弥

友岡雅弥さんは、執筆者プロフィールにも書いてあるように、音楽は、ロック、hip-hop、民族音楽など、J-Pop以外は何でも聴かれるとのこと。
上方落語や沖縄民謡にも詳しいようです。
SALT OF THE EARTH というカテゴリーでは、それらの興味深い蘊蓄が語られています。
いくつかかいつまんで、紹介させていただきます。

 


カテゴリー: SALT OF THE EARTH

「地の塩」という意味で、マタイによる福音書の第5章13節にでてきます。
(中略)
このタイトルのもとに書くエセーは、歴史のなかで、また社会のなかで、多くの人々の記憶に刻まれずにいる、「片隅」の出来事、エピソー ド、人物を紹介しようという、小さな試みです。


Salt65 - 現場をいじめるな

2019年4月22日 投稿
友岡雅弥

日本の財界団体の一つ、経済同友会の小林代表幹事が、1月30日の朝日新聞のインタビューに出ていました。政治べったりの他の二つの団体とは、少し異なり、経済同友会は、距離をとっているというか、時には、政権批判も行う団体です。

日本が2度目の敗北に直面している、との危機感。「リーディングインダストリー(成長を引っ張る産業)を自国の技術で育てることができず、他国の2次下請け、3次下請けとして食いつなぐ国になってしまう」という危機感。でも、もっと問題は、国民が「危機」を自覚していないという問題です。

記事は、これです。


敗北日本、生き残れるか 経済同友会代表幹事 小林喜光さん

有料記事なので、登録が必要なのは、申し訳ないですが。

 


2014年の夏、岩手の経済同友会の代表のお一人と話していて、とても考えたことがあります。


それは、日本の生産現場の衰退という問題。

生産現場を知らない人たちが、官公庁、ゼネコンやスーパーや銀行で、パソコンの上で企画書を作って、それで、経済が振り回されている。生産現場が振り回され、結局、廃業が続いていく。

例えば、今、木造建築が増えている(この例は、岩手の経済同友会の話ではなく、日本一般の話です)。


なぜか。

もちろん、ダイワハウスとかの建築メーカーは、「木の家」の素晴らしさをCMで、どんどん流している。


でも、実際、なぜ、木の家が増えているのかといえば、円安で、鉄鋼の価格が暴騰しているから。輸入木材を使った家が、RCとかの家と比べて、メリットが出てきた。 (木材も円安の影響を受けるのですが、なんと第1次産業の品目で、唯一といっていいかも、昔から関税が0なんです!)


ちなみに、鉄筋、鉄骨の建築でも、零細業者の撤退の問題があります。


木造の家が増えていることもありますが、防災の基準の厳格化で、零細業者(なかには、この道半世紀とかいうベテランも)が、対応できなくなり、高価な測定機器を持っているメーカーだけが生き残るという、「選択と集中」が進んでいる。


ほんとは、この道半世紀のベテランの腕には狂いはないのだけど、
(むしろ、大企業のコンピュータ制御の生産ラインより)
測定して、お役所に出さねばならない。
そんな測定器買うお金もない。


日本を支えてきた生産業の現場どこにでもある問題だけど、結局、ペーパーと数字、 書類にのぼる規格化されたものしか、流通していかない。

腕のいい技術者が必要なくなり、生産現場がどんどんつぶれていく。

現場を知らない人たちが、日本を劣化させていくのかもしれません。

 


解説
日本を支えてきた生産業の現場どこにでもある問題だけど、結局、ペーパーと数字、 書類にのぼる規格化されたものしか、流通していかない。
腕のいい技術者が必要なくなり、生産現場がどんどんつぶれていく。
現場を知らない人たちが、日本を劣化させていくのかもしれません。

激しく同意します。
医療の現場でも、医療DXの推進といって厚労省は、オンライン請求を進め、資格確認にマイナ保険証を使わせ、ついには従来の保険証を廃止してしまいました。
医療DXについていけないベテランの開業医の少なくない方が閉院を決断せざるを得なくなったと聞きます。
医師の働き方改革といって大病院の外来を縮小する動きも全国的にみられます。
現場の医療者と、受診者の不便は置き去りで、厚労省やデジタル庁の役人たちの机上のプランが進められます。


友岡雅弥さんのエッセイが読める「すたぽ」はお勧めです。

 


獅子風蓮



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