「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

豚インフルエンザ(続報)

2009-04-26 20:25:00 | 新型インフルエンザ
WHOは豚インフルエンザが新型であることを示唆しつつも結局フェーズの引き上げを見送った。さらなる情報が必要との名目だが、確かに致死率の分母が正しいのかなど疑問は多い。
ただし、定義上は引き上げがどうみても妥当である中で、あまりにその影響は大きく、現実と定義とその定義に基づく杓子定規の行政対応マニュアルの間の齟齬が見えた格好の見送りだ。

WHOはフェーズ引き上げ見送りの代わりに「現在の状況が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態になっている」との注意喚起を行ったが妥当である。
日本の対応も入国者について、入国時だけでなくその後一定期間の継続的監視を行うこととしており、やはり妥当なものだ。
どこにも旅行していないで発症が確認されたテキサスの2人の少年のようにかなり前からヒトヒト感染があって気付かずに既に国内に入って散発している可能性も否定できないが、仮にそうであったとしても一つ前のブログ記事のとおり冷静に対応すれば通常のインフルエンザと区別されることなく治療され重症化や死者発生は抑えられるし、通常のインフルエンザ同様しばらくすれば初夏を向かえ沈静化するだろう。
問題はこの秋以降だ。スパニッシュインフルエンザのように風邪のような第1波の後の強力な第2波として顕在化する可能性がある。
国立感染研は来週には新型を従来の季節インフルエンザと判別できるようにするというが、これはあくまで実験室レベルの話で医療の現場ではA型とまでしかわからず新型との判別は困難だ。

それまでに医療関係者の学習・訓練や国民への正しい知識の普及に努めることはもちろんであるが、この冬のワクチンに今回の新型株を加えられるのか、免疫のない新型に備え抗インフルエンザ薬や抗生物質の流通見込み量を増やすのかなども直ちに検討に着手すべきであろう。

新型インフルエンザとなるか、メキシコ豚インフルエンザ

2009-04-26 01:15:00 | 新型インフルエンザ
日付が変わったばかりの現在、世界保健機関(WHO)では日米など各国の専門家による電話回線も利用しての緊急委員会が続いている。
行政的な注目はヒトヒト感染を認め新型インフルエンザのフェーズが上がるのかという点であるが、当の豚インフルエンザ流行のスピードは季節はずれということもあってか新型インフルエンザで危惧されていた想定よりは比較的緩やかといえる。
最も危惧されている強毒タイプのH5N1と異なり、H1N1は弱毒タイプであることから、死因は多臓器不全というものではなく、多くは弱った体に他のウイルスや菌の感染などによって併発した肺炎による死亡であろう。
高齢者や子供などは格別、普通に生活している人は取り立ててあわてることはない。
感染しても早期発見早期治療で治癒する。
高熱が出て咳が出たら速やか(48時間以内)に受診してインフルエンザの迅速検査を受け、A型と分かればタミフルなり、リレンザなりを処方してもらえば仮にそれが豚インフルであったとしても通常と異ならず治癒に至る。豚インフルエンザといってもあくまでA型インフルエンザ弱毒タイプであり、治療法に異なるところはない。過信や油断による手遅れが重症化や死につながりやすいということである。
これは、海外(メキシコ、アメリカ)から帰国して発熱してもまったく同じことだ。ただし、事前にそのことを医師に伝えた上で受診すべきは当然であるが。
国では官邸を中心に動きが出ているようだ。静岡県でも厚生部職員が昨日も休日という中で対応に召集されたようで、昨夜も私の所持している県の緊急用携帯電話に電話が入り対応したが、彼らは今日も引き続き対応に追われるのだろう。仕事とはいえ夜遅くまでお疲れさまと言いたい。

それにしても、今年設置された危機管理局。たしか、新型インフルエンザも対応するとかいってたが、やはり名ばかりだった。
これまでに、危機管理局名で結核と感染症の2つの注意喚起情報がマスコミなどを通じ危機管理情報として流されたが、いずれも厚生部作を危機管理局名義で発表という他人のふんどしで相撲を取るような状況だ。実績づくりのパフォーマンスだろうが、まさに屋上屋を重ねるようなお荷物組織だ。
相変わらずの事前予告ありの召集訓練を予告なしなどというやらせ体質も変わっていないのは局のトップの体質が真の危機管理には程遠い旧態依然だということを象徴している。防災に専念した方がいいだろう。しかし、まあ、出先の現場レベルで口出ししないだけ良しとしよう。ただでさえ忙しいところに足手まといの相手は御免こうむりたい。