「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

食い違う経緯、証人として断ず「正直なのは地権者」

2008-11-07 22:59:17 | 静岡空港

<地権者の案内で昨年夏に現地調査した際の報告書の写真の一部(現実の制限を超えるか否かは断言できないものの収用の不備の重要な証拠物件として保全の必要があることは明らかだった)
参考図http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/284.html

今日の新聞各紙の中で毎日新聞と中日新聞が報じたのが1年前の経緯についての県と地権者の主張の食い違い。

県の岩崎空港部長(国土交通省からの天下り)は地権者が立木の土地の工事をいったんは認めたがその後認めない態度に変節したかのように議会で主張したが、地権者は「地域の安全の観点から地すべり工事には応じたが、立木の土地の工事を認めないことは、合意文書を結ぶ前から主張していた」(毎日新聞)として謝罪以前の県の背信である。
この細かな現場における経緯の部分については、現場役人の性格からしてさすがに裸の王様にまで正確には報告されていないことは容易に想像できるが、もしかしたらこの天下り部長もご存じないのかもしれない。

証人の一人として断言するが、地権者の主張のとおり問題の立木についての合意は一切ない。ありえない。そればかりか、問題の立木を含めた度々の工事設計案に対し何度もそこは認めない肢鼕ムしていた。地権者自ら周囲を伐採したのも県がどさくさにまぎれて全部切りかねないからだ。

県は明らかに地権者を騙そうとしていた。
立木は開港に影響ない、地すべり対策には立木のある場所の工事も必要だ、と。
それが無理となったらお決まりの周囲からの圧力だ。

地権者は「問題の原因や責任、経緯の認識にこちらと大きなずれがある。こういう状態が続くと交渉の席に着くのは難しい」(中日新聞)と述べたそうであるが、それはそうだろう。
信念の人間に対して、嘘や金や圧力で向かい合うとは、どこまで愚かなのか。

今や県も議会ももはや開港さえできればいいという逃げの姿勢が明らか。
知事も「リコールでもされるのならばともかく、一定のめどをつけるのが私の責務」「前例のない2200mの暫定運用を実現するためには、自らが管理・監督者として陣頭指揮を執る必要がある。」(読売新聞)との開き直りに加え「2500m完全運用を実現するための道筋を確立することも、自身に課せられた当面の課題」などと、5期目への布石ともとれる発言まで飛び出す始末。
これには、もう言葉がない。勝手にしてくれ。

ガス抜き出来レースさとられまいとテレビカメラシャットアウトの県議会委員会

2008-11-06 22:59:28 | 静岡空港
今日1日限りの県議会臨時会。
滑走短縮と完成期日変更に伴う補正予算案審議ということでまだ終わったようだが、結論はお約束どおり。

既述のとおり、http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/292.html
①関係者は誰も責任を取らない(知事:「やむを得なかった」)
②責任を負うべき者がいないので追加費用はすべて税金でまかなう
③知事の判断ミスもなかったということで続投
ということで、一件落着だ。

なお、責任の所在論については以下を参照のこと。
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/290.html
今日の目新しい事実といえば2,200m滑走路を2,500mに戻すには費用が6~8千万円鰍ゥるということくらいか。
だが、それが必要になる日が現実に来るのかという疑問、また、本当に必要なのかという火種は残りそうだ。

そして、今日の一番の注目は議事ではなくまたも隠ぺい体質。
情報公開ランキング下位常連県の面目にふさわしく、県議会企画空港委員会のテレビ撮影をシャットアウトしたという。
理由は部屋が狭いから。

知事がニヤニヤしながら「木が伸びちゃったんです」という映像の再来は避けたかったのだろう。
形式ばった本会議と違い議論が白熱しがちな委員会にあって、映像から出来レースぶりが垣間見られても困るというわけだ。

実態が見えたという意味ではすべて無駄ではないが、この臨時会開催にももちろん税金が投じられている。

結局すべての責任を負ったのは誰か。
それは、こういう知事と議員を選んだ県民である。

オバマ記念日

2008-11-05 23:46:01 | 日記
昨日、「1件の意見も回答も掲載されていない」と書いた「これまでに寄せられた県民のこえ一覧」。
今日は早速、相変わらずの内容とはいえ、再び掲載された。
しかし、さすがに最近のものは回答に窮しているのか隠蔽したいのか・・・

さて、今日のビッグニュースといえばアメリカに初の黒人大統領がというもの。
ただ、24では既に黒人大統領が誕生していたので違和感もないが。
今後金融に偏りすぎた国家産業構造をどのように転換して富を増やし所得格差を縮めていくのか、課題は多い。
希望は国民の支持・協力だが、人種対立の緩和も進みそうなことと、ケネディの再来を思わせる若さと自信が期待を抱かせる。
アメリカの後を追って格差問題や政治不信・ねじれ国会であえぐ日本にとってよい手本となってほしいものだ。

内部での対立構造は大きなロスを生む。
静岡県は県政史上最悪の知事の下、民衆のエネルギーの分化の構造が深化しそこから距離を置く傍観層をより多く生み出した。
もはや、県という枠組みから多くを期待するのは困難な状況である。
国家の富は国政で、身近な生活の質の向上は市町でと、2分化した姿勢でかかわっていくべき時代も近い。
今や社会的しがらみを脱した団魂世代の動向がカギを握る。
まずは、身近な問題から、傍観者を脱してほしい。この国の未来のために。

県HP「これまでに寄せられた県民のこえ一覧」にみる隠ぺい・偽装の闇の深淵

2008-11-04 23:46:21 | 静岡空港
県のホームページには県民のこえ室が所管する「これまでに寄せられた県民のこえ一覧」というページがあり、「県民の皆さんからお寄せいただいた『こえ』」というページタイトルとともに「これまでに県民の皆様からお寄せいただいたこえとそれに対する県の回答をご紹介しています。」との説明が掲載されている。

しかし、ここ何日間かチェックしているがすべてのカテゴリで「* 掲載する文書がありません。」となったまま、今日現在1件の意見も回答も掲載されていない。

今般の開港延期問題でここ1週間は県民からのこえも多いはずにもかかわらず、というよりも多いゆえの隠ぺいだろう。

とはいっても、掲載がされれば良いというものでもないのが静岡県の情報操作だ。
本年度行った公文書開示請求で明らかになったのが、インターネットに掲載されている「県民のこえ」なるものは、実は県が選別し、かつ要約と称し改ざんしたものであるという事実である。
しかも、原文と比較できないように原文はすべて「公開することにより県民が意見等を寄せることをい縮してしまい、県民のこえ室の事業に支障を及ぼすおそれある」などと手前勝手な理由をつけその全部を非開示としている。
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/222.html
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/226.html
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/252.html
恐るべき隠ぺい・改ざんの実態である。

おそらくほとぼりが冷めたころ、数十件の意見を類似のものとして1件にまとめ無難な「こえ」に要約し、それに対する無難な県からの回答を載せて終わりにするのだろう。

要約といえば、通常は長い文書を短くと思いがちだが県の場合は違う。
15文字の意見を26文字に要約意訳も墨塗りの開示文書から確認されており、例えば「知事は謝罪をして責任をとり、一刻も早い開港を」という意見さえ「県が適切な手段を講じて一刻も早い開港を願っています」や「一刻も早い開港に努力してください」などへの改ざん掲載も十分可能なのである。

現在のところ、「静岡県情報公開審査会」の結論は出ていないが、県の闇を暴く力はないだろう。

実際、地権者が謝罪を求めている相手は名目上は第三者機関である県収用委員会である。
昨日指摘のとおり、立木問題の隠ぺいに事実上加担した機関だ。
かつては、住民投票の代わりと称した
「静岡空港専門家委員会」http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kukousp.html
はじめ、
「静岡空港需要等検討委員会」http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kusp1-2.html
「静岡県事業評価監視委員会」http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kujg.html
など、県に代わって第三者として真実をみるべきをそこから目をそむけてきた。
これら専門家と称する者たちの責任こそ実は最も重い。
彼らの中にはいまなお県から専門家として報酬を得ている者もいる。

恥を知らないのは知事や役人ばかりではないのである。

闇は水が紙にしみ込むように広がっていく。
官にあっても民にあっても、隠ぺいと偽装の連鎖はもう止められない。

不幸な決着

2008-11-03 23:53:35 | 静岡空港
国土交通省は31日に異例ともいえる迅速な許可(完成期日変更、工事変更)を出した。
県の方針を事実上容認したというよりも、国からの天下りが指揮している中にあっては最初から決まっていたことと見るべきである。
これを受け石川君「当初計画通りの空港運用は、喫緊の重要課題。地権者に支障物件の除去を誠心誠意お願いするとともに、今後の道筋の早期の明確化に最大限努力していきたい」とコメントしたが、地権者の要求する謝罪はまったくする気がなく、逆に課題解決には自分が当たる、すなわちこれまでどおりの続投の宣言とみてよい。

地権者の要求する謝罪の対象とは、
①静岡空港整備事業に係る西側制限表面の収用事業認定申請において、極めてずさんな手続きにより収用及び使用範囲の確定に誤りがあったこと、
②静岡空港整備事業に係る西側制限表面の収用委員会審理において、ずさんな手続 きによる収用及び使用範囲の誤りに対して、明確な指摘と検証、審理の要求が行われたにもかかわらず、一方的に審理を打ち切って裁決を下したこと、
の2つの事実。

①は県(知事:石川嘉延)に対するもので、②は県の収用委員会(当時の会長も:増田堯)に対するものであるが、この収用委員会は実地に区分・境界明示のための作業を行い、これに対して地権者が2006年の収用委員会において今日の問題の核心に迫るや人のバリケードを作って地権者の発言を封じ一方的に審埋を打ち切ったのだ。
もちろん独自の判断か誰かの指示を受けたものかは不明であるが、隠ぺいに至った責任は重大である。

誠実であろうとするならば、これは認めるべきである。真実なのだから。

しかし、彼らはすでに認めないことを決した。
その上での一連の自己保身発言である。

よって、石川君が知事であり続ける限り、これ以上の進展はないと考えるべきである。

今週6日にはガス抜きともいわれる臨時議会があるが、事態に進展はない。
知事は間違いなく切り抜ける。

当奉行所ではこの問題が公になり始めた当初(9月12日http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/262.html
)に短縮案を相応な決着点と例示したが、木が10mを超えるなどして非精密侵入方式にして角度を変えるなどの調整があったとしても、明らかに判断と行動が遅い。
10日たっても、強制収用も
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/266.html
というありさまだ。
滑走路短縮はともかく、このような判断の遅れが、開港の大幅な延期にまでつながった。

結局、人が変わらない限り物事は落ち着くところに落ち着く。
すなわち、今回は2200mでの開港延期である。

彼らは目前の問題に一応の解決を見たので安易に考えているかもしれないが、これは空港がある限りずっと尾を引く不幸な決着だということをここに警告しておく。
戦後の総括をしてこなかったこの国と同じだ。