「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

市は署名を、県は訪中団参加を職員に要請

2010-05-24 21:14:00 | 静岡空港
静岡市が職員とその家族に対して行ったアリーナ建設署名への協力依頼が問題になっているが、一方の県は3776友好訪中団への参加を職員とその家族に呼びかけている。
さすがに市のような結果のチェックで事実上の強要とまではいかないが、渡航の際は届け出ることになっておりチェックしようと思えば可能だ。

しかし、今月10日から14日までの5日間で派遣された公式訪問団第1団108人に898万円余り(5/18県議会答弁)の県費を鰍ッたのと異なり、呼びかけ対象の職員やその家族には「富士山静岡空港サメ[ターズクラブ」なる宗教団体もどきの団体に入信した上で特定の旅行会社を使うなどの条件付きで一人3千円の補助だけ。

県の発想は彼らの評価制度を評して私が公言している「ニンジンをぶら下げて馬を走らせようとするようなもの」に象徴される金による誘導だが、3千円というニンジンではさすがに馬たちも走らないだろう。まして、欲するものが異なる虎や鷹は見向きもしない。公務は志が動機の基本であるべきだが、今の県は視野狭窄に陥りかなりピントもずれ始めている。
さて、その県の公式訪中団第1団の成果であるが、公表されている限り中国東方航空との援助物資緊急輸送協定の締結しか見当たらない。(県HP記者提供資料5/14)
しかしその内容をよく見ると、
・県は、発災後速やかに静岡空港に救援物資を集積し、その輸送を中国東方航空に依頼する。
・中国東方航空は、救援物資を原則として静岡・上海間に就航する定期便の貨物室を使用して輸送する。
と、一方が一方を援助するという片務的なものだ。
もちろん援助すること自体を否定するつもりはないが、防災先進県である静岡県及び防災拠点としての静岡空港をアピールできるという理由だけで、これを成果というのはいかがなものか。
しかも898万円余りも使って108人を派遣して。
とても対等な関係とはいい難い。
志はおろか誇りも何もないではないか。形(建前)だけ取り繕うようなもので情けないばかりだ。

静岡市職員へのアリーナ建設署名強要は市長の指示だった

2010-05-23 12:15:00 | ノンジャンル
静岡市役所内で行われた組織的署名活動(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/586.html)についての続報が今日の読売新聞の記事にあった。
建前の「自主的な署名」とは矛盾する勤務時間内の催促があったことが具体的に描かれているが、職員の「断りづらい状況だった」との言葉がすべてを物語っている。
すなわち、断ろうと思えば断れる任意事案であると知りながら断れない組織の風土があるということだ。
しかも、この署名の職員への協力要請は組織トップの市長の指示だったことも明らかにされ、誰も疑問を抱くこともなく川上からら川下に水が流れるがごとく行われたのも納得だ。
例え幹部職員であってもノーとは言えないだろう。
いやむしろ幹部職員ほどノーとは言えない立場にあると言った方がよい。
問題はこれが単に市役所内、役所内のことだからということでは済まないことにある。
役所は大きな権限をもち多くの関係団体とかかわりをもっている。
その中には補助金始め許認可などで大きな影響力をもつ関係の個人や団体も含まれる。
こいった個人や団体もまた市の職員のように「断りづらい状況」に置かれやすいという現実だ。
もちろん前に書いたとおり各人がノーと言えればいいが、多くはそれさえ容易ではない。

だからこそ権力をもつ者はその行使に慎重さが求められるのだが、その本質はどこにあるか。

「学問なり技術があるということは立派なことにはちがいないが、それを人間のために有効に使って初めて、すぐれた人間だということができるのだと思う。何よりも大切なのは人を愛する心ではないだろうか。」(本田宗一郎)

何よりも大切なものを見失い、他人を自らの地位・利権の維持のための道具のようにしか考えていないような者には解るまい。

静岡空港の需要予測をした運輸政策研究機構に事業仕分け

2010-05-21 22:49:00 | 静岡空港
昨日の事業仕分けで県から静岡空港の需要予測を委託された国交省の天下り法人「財団法人運輸政策研究機構」の行う航空需要予測関連委託業務に係る事業仕分けがあった。

結果は「事業規模縮減と平成22年度中に(予測値実態のかい離について)徹底的に検証」というものだが、実に手ぬるい。
国費からの事業を縮減しても地方や他の独法からの委託という形での抜け道は残っている。
何よりも天下りによる公正へのゆがみが問題なのであって規模の大小は関係ない。
利害関係団体である限り原則廃止こそ正しい選択だ。
また、本年度中に静岡空港はじめとする需要予測と実態とのかい離について検証をせ世ということであるが、自身の誤りを自身で検証できるような法人なら始めからあのような杜撰な予測を立て訴訟でその正当性を主張できるものではない。
結局はさし障りのない理由をつけて需要予測が外れたのは仕方ないとするだけだ。
需要予測に基づく静岡空港の事業認定をめぐる訴訟は高裁に舞台を移してまだ続いており、これに影響を与え国土交通省に迷惑をかけるはずがないからだ。

部分部分を見れば仕分けでの発言はもっともというところだが、やはりこの事業仕分けはモグラたたきの徒労(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/575.html)のように思えて仕方ない。
現下、優先してやるようなことではない。

押し付けにノーと言えない静岡市職員、では県職員は・・

2010-05-20 21:10:00 | ノンジャンル
静岡市役所内で県の草薙総合運動場体育館建て替え方針に反対し東静岡地区に県の多目的アリーナの建設を求めるための署名活動に協力するよう職員に通知が出されていたことが今日の読売新聞に報じられた。
内容は職員だけでなく「家族の皆さんなどへの署名への自主的な協力について配慮くださるようお願いする」とあくまで自主的を強調するが、署名簿は役所で取りまとめ提出がない所属には確認をなどとしており、誰が出して誰が出さなかったかがわかるので「ノーと言えない職員」にあっては事実上の強要に等しい。実際6千人余りがすでに署名したとのことだ。
しかしこんなことをしていては、例え数で多くの署名が集まったとしてもその信頼性を損なうだけで、もともと法的に価値はないだけに逆効果ということが分かっていない。
今日は県と市が建て替え問題について協議したが、市は草薙の建て替えは建築基準法上市の許可が必要だが許可しないとまで言ってアリーナ建設を求めたそうだが、静岡市以外の市町に住む県民から見たら1市のわがままとしか見えない。
そんなに欲しければ自前で建てればいい。少なくとも維持管理費という赤字は自市でもつ覚悟は見せるべきだろう。
なぜ、自分たちの意見を通し県に建てさせた上、多額の維持管理費を全県下の県民が支える必要があるのかという説得力ある説明がまったくない。
同じ政令市でも民間人主導で改革の進む浜松市と比べると雲泥の差だ。

とはいえ、職員の体質は対立していても県と静岡市は似たようなもの。
トップが代わって草薙の建て替えを主張したから職員もそれに倣っただけで、自律的な判断ができないことに違いはない。
市と同じような「お願い」という形の強要があれば職員の多くが容易になびく体質だ。

かつて石原慎太郎らが著した「ノーと言える日本」では日本が自らの実力に自信を持てずにアメリカにノーと言えないことを批判し、日本人が権利や意見を積極的に主張し、ノーと言うべき時ははっきりとノーという姿勢を示すべきとしたが、役所内の関係も同じである。
いわゆる上の言うことは、それがどのような目的及び法的根拠に基づくものか、私的自治領域の問題か、代替的実現可能性は、任意か強制か、等々の追及・確認することもなくネガティブな形で対応している職員が非常に多い。
しかしこれをしっかり確認すると非常に自分自身の判断が容易になり、ヒエラルキーを超えて慣れ合いではない適切な距離がとれる。また、相手も職員の携帯電話の番号ひとつ知る権限が自身にないことを自覚するようになり安易に考えていた「公」と「私」の分別について慎重に考えるようになる。こういうメリットは実践してはじめてわかるが、実践にはそれなりの能力と自信が不可欠だ。そういう意味では川勝のいう「勉強」の大切さは間違いではない。

堺屋太一氏のいうように公務員とは身分ではなく職業でなければならない。
各公務員が官僚共同体から脱して国民の権利や意見をくみ取った主張を積極的に主張しノーと言える自律的姿勢が無ければ、国家だけでなく自身の独立もままならない。
ハードルは高いがトライできる公務員が増えてほしいものだ。
その第一歩は
「汝は汝たり、我は我たり。人こそ如何とも謂へ。吾願くは諸君と志を励まし、士道を講究し、恒心を練磨し、其武道武義をして武門武士の名に負くことなからしめば、滅死すと雖も萬々遺憾あることなし」「行藏は我に存す、毀譽は他人の主張、我に與からず我に関せずと存候」(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/479.html
これが理解できないと話にもならない。県民のためではなく上司の期待のためにだけ働く付属品に堕するだけだ。

公文書開示漏れと医務課長の公用車タクシー利用

2010-05-19 22:51:00 | ノンジャンル
今日は不快な出来事2点を紹介。

始めは今日の午前中、職員が一人いないのでどこに行ったかと聞けば公用車で駅に県庁から来る医務課長を迎えにったとのこと。
駅と庁舎はわずか10分程度の距離で庁舎職員は所長も含め歩く距離。
迎えに行く方も行く方だが、平然と乗ってくる感覚も理解できない。
結局30分近く席を空けやがった。
かつて、石川前知事がそれまでの慣例だった知事の出先訪問時のお出迎えお送りなどの儀礼を「現場職員の仕事の邪魔をしてはいけない」という理由で止めた数少ない功績もいまの役人天国復権の流れの中では揺り戻されかねない傾向だ。
呆れて「いまどき職員が職員を迎えに行くようなことをするのかね。官官接待おかしいんじゃないの。」と声を出すも、今の県では違法でなければ問題なしというのが公式見解。
しかし、こういうやからのこと、午後には途中駅から帰ったとのことなのでしっかり旅行命令の変更をしているか、不正受給していないかを確認する必要はある。次回公文書開示請求時に併せて本件の旅行命令簿を請求することとしたい。

次が帰宅後に届いた4月30日請求(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/574.html)の公文書一式。
あるべきものがない。
交通基盤部、危機管理部は平成22年度分もしっかり開示してきたが、文化観光部は昨年度分だけしかない。
明日電話してないと言ってもよいが、それだけでは納得できないので以下のとおり付加して請求した。
杜撰な部署には他にも必ず杜撰な事務処理があるはずだ。
徹底的に洗い出したい。

<公文書開示請求内容>
以下の平成22年度事務事業に係る予算調書類(事業概要、事業概要等の説明資料等予算査定根拠書類)及び当該事業に係る19節(負担金、補助及び交付金)で平成22年5月19日までに公文書化した会計書類(支出票、支出負担行為伺、契約執行伺等)。

・ふじのくに3776友好訪中事業費
・上海万国博覧会出展事業費
・静岡県ソウル事務所運営事務費
・空港アクセスバス運行事業費
・富士山静岡空港交流拡大推進事業費
・空港利活用促進支援事業費 
・空港広報活動推進事業費 

(4月30日に上記の一部については請求済みですが、平成22年分が対象と認識されていないようで開示非開示の判断がされていないため改めて前回請求分も含めて付加請求します。)