静かなる自在の揺れや十三夜 松本たかし *今年は11月1日だった。満月は今夜か明日。
今日も見事な秋晴れと20度を超える暖かさが続いている。まだ昨日辞めたばかりだが、38年前の最初の俳句入門以来、常に結社誌への投句を最優先して来た。学生の頃から現代詩に親しんで来たので、当然のこととして俳句も書店に並ぶ総合誌の投稿欄にも応募し続けた。この総合誌応募も、結社によっては歓迎されないところもある。両天秤かけていると見做されるのだろう。しかし、俳句形式という創作技術面の特殊性から見ても、結社の選句指導の親近性の方を優先してしまう。総合誌の末尾の雑詠欄にいくら投稿しても、たまにしか上位には入選しないし、ましてや選者(概ね結社主宰)の選評を得るとなると赤飯ものである。まれに毎号のように上位に入選する人もいるが、それは有名結社の実力同人であることが多い。入門者が両天秤にかけるとロクなことはないのだ。結社の幹部などの目に触れ、主宰に告げ口されるのがオチだろう。複数結社に同時投句するのと同じ扱いになり、急に結社内の序列がダウンする。要は、そんなことにはおかまいなしに好きな句を作り、好きな媒体に投句・投稿するのがよい。句作レベルが上がれば、発表の場も自ずと増えて来る。句集を出すという、俳句作家の最大目的も10年刻みで控えてもいる。原則、句会には出ないことにしている私にとって、結社であれ総合誌や大会であれ、ただ作品を投稿することだけが残った目的となった。これは自他にとって最もわかりやすく、歓迎すべきことだと思う。・・・《続く》