やまんばは恋の語り部花蘇枋 雪柳瀕死の私ばかりなり 蒲公英の絮に宇宙の起源あり リラの夜や私も昭和生まれです リラの夜の中原中也の「山羊の歌」 ここだけは宇宙の家族リラ咲けり ライラック窓辺に「一直線」といふ句集 母への手紙まだ書き足りずリラ匂ふ 真白なトランスの夜リラの道 北国のライラック祭闇つのる ボブ・ディランの「風に吹かれて」リラ満開 ドアーズの「音楽は終った」リラの世か リラ冷や夫恋ふる詩ひかります リラ残る門徒五万の紀の国は
昭和の日天皇は父のようなもの 米兵にブロークン・イングリッシュ昭和の日 ドーナツ・ショップまたひとつ消え昭和の日 青空も曇り空なり昭和の日 親不孝詫びても遅し昭和の日 天皇はことしもパラオ昭和の日 カストロに弟ありて昭和の日 照屋林助のパイナップル・ツアー昭和の日 コカコーラ瓶の手触り昭和の日 ウィキペディアで昭和の日とはいつか知る カンボジアの地雷をゼロに昭和の日
御神渡りベルリンの壁は健在なり
虚子の忌の喇叭兵隊小唄が好き
ゲバラの日記の結末として亀鳴けり
スサノヲの蚯蚓退治はまだ三度目
飛花落花まごうことなきスッカラカン
神は死んだニーチェはたまげた男なり
子規庵の落花はこの世だけのこと
ふらここの交叉す 私の脱殻が散乱
ジャニス・ジョプリンの「サマータイム」は推定無罪
或る阿呆の一生落花のしきりなり
山本リンダの「狙いうち」は愛なのか
イースターまさか激愛のドラマとは
エイプリルフール山口誓子の「俳人になれ」
三百六十五歩のマーチに桜は無用なリ
世界の終りに得るもの多しちりめんじゃこ
殉死は禁止の貼り紙帰る鶴はなし
春愁の神流されて渚に追ふ
花疲れ内蔵助はなぜ来ないのか
マツコ・デラックスの空気ことのほか美味し
春猫はもう戻らないと三面記事
虚子の忌の喇叭兵隊小唄が好き
ゲバラの日記の結末として亀鳴けり
スサノヲの蚯蚓退治はまだ三度目
飛花落花まごうことなきスッカラカン
神は死んだニーチェはたまげた男なり
子規庵の落花はこの世だけのこと
ふらここの交叉す 私の脱殻が散乱
ジャニス・ジョプリンの「サマータイム」は推定無罪
或る阿呆の一生落花のしきりなり
山本リンダの「狙いうち」は愛なのか
イースターまさか激愛のドラマとは
エイプリルフール山口誓子の「俳人になれ」
三百六十五歩のマーチに桜は無用なリ
世界の終りに得るもの多しちりめんじゃこ
殉死は禁止の貼り紙帰る鶴はなし
春愁の神流されて渚に追ふ
花疲れ内蔵助はなぜ来ないのか
マツコ・デラックスの空気ことのほか美味し
春猫はもう戻らないと三面記事
春霖や牛丼ラーメン殺される 春霖やサイレント・プアにもある自由 春霖とは俳句が文化なわけがない 春霖の空が空なら人も人 春霖や稲畑廣太郎の選句下手 春霖や亡父の地下足袋履いてみる 春霖やアフリカの女王といふ映画 春霖に不確かな時間流しけり 同窓会にまさかの俳人春霖雨 春霖や台湾バナナなぜ消えた
雪しまく骨から泣きたい雪子です(森山愛子) 城卓也の「骨まで愛して」しまく雪 愛されてまた遠くなる雪しまき つながれしボート幽けき雪しまく 雪しまき空は見えるが人は無し この指に愛の残り香雪しまく 雪しまき亡母といたいが父といる 私と影重なり合って雪しまき ああ上野駅何の用かと雪しまき 雪しまきこの世の誓いあの世まで 愛されて牢獄のよう雪しまき