まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

遠い空から降ってくるって言う幸せってやつ/J-POP論・POP詩の宇宙

2017-08-22 03:45:37 | J-POP論/POP詩の宇宙

プカプカを指して、70年代への鎮魂歌と称したブロガーがいた。私もまた正真正銘の70年代世代である。この時代への鎮魂歌ということは、私自身へのそれだということかもしれない。確かに、私はいまも1972年に上京した時の私のままだ。この歌詞にある《幸せ》は、いまだに私には訪れてはいない。写真は、この曲のモデルとされたジャズ歌手の故安田南さん。実際、大変なヘビースモーカーだったらしい。1978年にFMラジオ出演中に失踪し、そのまま活動を終え、数年前亡くなったとネット上で知らされた。ところで、作者の西岡恭三さんもすでに50歳で亡くなっていたようだ。共に団塊の世代で、私よりかなり年長だったはずだ。不思議と彼らの死には無念さは感じられない。見るべきことを全て見て、思い残すことの無い死に際ではなかっただろうか。

西岡恭三 1999年死去 享年50歳 安田南 2009年死去 享年66歳 
 
 
 
西岡恭三 『プカプカ』  1971
桃井かおり   〃     LIVE
 
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聖痕/新雑句雑感(232)~プロローグ5の終わり

2017-08-21 13:21:57 | 新雑句雑感

クノソスの壁ひとつ越え秋近し*  意味深にアナタノワタシ秋近し  アスペルガー完治の報せ秋隣  ライダー宿素泊まり600円秋近し  呆けてより無謬の師とす秋に入る  土塊が人のかたちに秋に入る  夜の秋のスマホに聖痕ありや無し*  改憲NO!私も弱者秋近し  マウンテンバイク街走り抜け秋近し  足立区にあまたの秘境秋近し  秋を待つ私もいつか死ぬのだらう  天球にいつか綻び秋隣  孤独死をいかに避くべき秋近し  何度目のウイスキーがお好きでしょ秋隣

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モナリザの沈黙/新雑句雑感(231)~プロローグ5の終わり

2017-08-20 10:37:18 | 新雑句雑感

マツコ・デラックス無謬なること甚だし*  自動書記で知る猿人の滅亡の理由  詩語でないとすれば風死は一度きり*  人を人と思わぬ自販機雷鳴す  蝉殻を脱ぐはずもなく廃車場  オーソレミヨ着ぐるみのままバク転す  モナリザの沈黙私はベタなのです*  パワースポット冬虹はまだ出ていない  転生前関悦史の自暴自棄(処女評論集「俳句という他界」)  水遊びドクターペッパーの味がする*  田園に死す絶食の巨人像  湯豆腐の波乗りジョニー不死なのか*  逆立ちの看板ARIOはどこですか          


無心/新雑句雑感(230)~プロローグ5の終わり

2017-08-18 12:59:51 | 新雑句雑感

夏鶯老いの蒼さを競いおり  義手義足差し出す土竜のごときもの   クノッソスの迷宮どこかで春の火事  大晩夏特養ホーム〈無心〉とあり  四月馬鹿いちどは人間に生まれたし  いちまいの重さを競う紙風船  マイクロ波聴覚効果ゆりかもめ  あれは監視カメラだ夏の鴉は死んだ  名無しの空は名無しのままに兵馬俑  八代亜紀の山谷ブルース愛なのか  酔芙蓉覚醒ゲーム真昼なり  わたしはカモメ待てど暮らせど夢の中  蠅の死を見るまでもなく発狂す  釣鐘草次の落下はいつなのか  落蝉にエンタツアチャコの空うごく  ふらここの起源は知らぬ方がよい  ほたるぶくろ俺は夢だろ違うかい  

 

 

 


いまはむかし/新雑句雑感(229)~プロローグ5の終わり

2017-08-17 22:25:36 | 新雑句雑感

夏逝くやベンチに一人また一人  伸びをしてけふ一日や夏終る  公園をなほ去り難し夏の果て  鉄塔は鉄塔のまま夏惜しむ  自愛てふ言の葉あをし夏終る  いまはむかしわたしはわたし夏惜しむ  夏逝くや五十センチの歩幅にて  生き急ぐこと六十年夏惜しむ  剣道の嬌声つづく夏の果て  開いた口塞ぐも一興夏終る  夏終るブルゾンちえみの手の動き  大方は敗戦夏を惜しみけり  師を師とも思はぬ蒼さ夏惜しむ