まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

【終戦忌】日本は負けていた/新雑句雑感(228)~プロローグ5の終わり

2017-08-15 14:33:06 | 新雑句雑感

太郎次郎か次郎太郎か終戦忌  父もなく母もなく終戦日生きる  そぼ降る雨涙に近づく終戦忌  人間宣言清く正しく終戦忌  勝敗を超えたはかなさ終戦忌  終戦忌青春のまま老境へ  日本は負けていたのだ終戦忌(昭和天皇が自らの目で目撃)  名無しの死体名無しのままに終戦忌  ナイトウォーク朝に切り替え終戦日  カルキ臭身に沁み渡る終戦日  生老病死に〈戦さ〉を加え終戦日  ラジオ体操第三ありや終戦日  父と母の確執終はる終戦日  グアムにいまも横井庄一終戦忌  激甚災害目と鼻の先終戦日  

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【21世紀俳句】発句でも俳句でもない何か/俳句定型論ノート&日記

2017-08-02 08:23:08 | 俳句定型論ノート

呆けたる左手野菊を曳き出せり  まほろば 【高柳重信選】 1982年作

きょう野菊あすはどの花を咲こうか   折笠美秋
今日も昨日に続いて日差しはありませんが雨は降らず、気温も28度止まりのようです。月曜の34度と28度では体調への影響に大差があります。昨晩遅く、久し振りに本格的に身体を動かしましたが、帰宅後冷房が効き過ぎたのか、この朝も異変が起こっています。食事や投薬に気を付けながら、当面の作業を片付けておきたいと思います。本業は涼しくなってからに廻して、所属結社の時評のアウトラインです。まだ断片しか出来ておらず、これを今日中に確定したいと思います。この論文は前半と後半に分かれ、前半は4枚ほどに収めなければなりません。坪内稔典氏の1970年代の初期3論文(高柳重信編集発行の「俳句研究」誌に掲載)をベースに、80年代以降の【ポストモダン】の加速する中でどう変貌していったかです。結論から言うと、氏の【近代批判】【国家批判】としての子規(国詩)論と【俳句形式】の近代国家と対峙し得る《過渡の詩》としての定立が、果たして【ポストモダン】の全面的な世界再編の中で、有効に働き得たかどうかについての思考です。まずは、何度目かのこの3論文の読み込みを最終的に行い、GOOブログにノートをアップしなければなりません。大変な作業となりますが、だいぶ涼しくなって来ているので何とかやり抜きたいと思います。これさえ出来れば、本文はアッと言う間に書き上げることが出来ます。元「花曜」同人のTさん(現俳協評論賞など)は、坪内氏の現在について否定的でしたが、私は、最近の「モーロク俳句のすすめ」などの裏には、坪内氏の取っておきの起死回生策が秘められていると見ています。後半の2枚分は、ポストモダンの俳句形式への浸透を、1回目(同誌8月号)の西村麒麟さんに続いて、何人かの新鋭作品をベースに解き明かすための視点を提示しなければなりません。彼らにとって、俳句とはもはや【発句】はもちろんのこと【俳句】でさえない何かであるはずです。70年代の坪内理論は予言的なものだったようです。この両者をつなげることが、私の【定型論入門】となりそうです。・・・《続く》
 
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吉野家は敗北の味夏の雨/北大路翼を読む(5)

2017-08-01 00:40:00 | エッセー・評論

*写真は吉野家の定番メニュー牛丼(並・大・特盛)で、紅しょうがは自由。同僚などとイヤイヤ食べに来る人は、これを大量に混ぜ、肉汁の臭み(通常旨味と受け取る)を消す人を頻繁に見かける。安さ、手軽さの生み出した食の崩壊現象の一つである。

吉野家は敗北の味夏の雨   北大路翼 (その2)
吉野家に行ったことのない人はほとんどいないだろう。と言うより、行ったことのないという人はお金のある無しに関わらず、生涯行くことのない人であろう。一方、頻繁に行く人はあまりリッチとまではゆかないにしても、貧乏とか、この句にあるような【敗北者】とまでは言えない。そう言ってしまうのは、ビジネスタウンのランチタイムの同店を覗いてみるとわかるように、明らかな事実誤認であり、ごく平均的なサラリーマンで溢れ返っている。値段も牛丼の並盛に味噌汁やサイドメニューのおしんこ(又はキムチ)・生卵などを付ければゆうに600円を超える。牛すき鍋セットなどにすればそれをさらに上回る。この句にいう【敗北の味】とは、作者自身の〈敗北感)が一句に籠められたものであり、興味は作者の《敗北》そのものに移る。彼は、現在どのような〈敗北感〉を味わっているのだろうか。・・・《続く》
 

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