鹿の目に点ずる逆光の色葉 江戸家子猫【夏井いつき添削済】 *NHK俳句(11/19再)より
昨日の日曜早朝のNHK俳句(再)を観た。司会は岸本葉子 選者に夏井いつき さらに、ゲストが声帯模写の江戸家子猫であった。ベスト10が発表され、続いて3人の上位3句と特選が発表された。最後に、ゲストの江戸家子猫の句が披露され、これに夏井いつきの添削が施された。原句は忘れてしまったが、木漏れ日や・・で始まる、兼題【鹿】との取り合わせの句であった。これに対して容赦なく、まず『木漏れ日や』が削られ、『逆光』『色葉』『鹿の目』がアレンジされた破調(自由律とも) の句が生まれた。こうなると、本歌取りでも添削でもない、夏井のオリジナルの一句に《全体》が転換されることになる。夏井は、番組途中で季語の使用について原則法に加えて【他の季語との取り合わせ】【無季と知った上で表現】の2方法を教示していた。掲句は、その3番目に相当し、『鹿』に季感は無い。新たな季語『木漏れ日』を省き、『鹿』そのものを『逆光の色葉』の中に描出した。夏井に期待したいのは、鹿という【季語】そのもの消失である。それによって導かれる近代俳句はおろか、俳句形式そのものの捉え直しである。そこまで踏み出せば、21世紀の新しい【定型詩】のアイテムもほの見えて来るに違いない。・・・《続く》
アンデス伝統楽器演奏付
中米のマヤ・アステカに先立つ文明は、メキシコ湾岸の【オルメカ】が知られる。紀元前1200年頃の都市国家ラ・ベンダの人頭(戦士)像が有名である。その容貌があまりにもアフリカ人に似ているので、大西洋を挟んでの両大陸の交流が想像出来る。そのオルメカよりもっと古い文明もグアテマラ奥地やメキシコ南部に発見されている。これらの中米文明の担い手は自然発生的に当地で発生したのだろうか?それはどうやら違うようだ。もともと人種的には、氷河期のベーリング海峡を渡ってモンゴル民族が北米から南米に移動して来たことが定説とされている。縄文期にまで遡る日本民族の根源にもつながっていることも有名である。しかし、紀元前数千年に遡るその文明が、あまりにもオリエントやエジプト、ギリシャなどの地中海文明と酷似している点から、大西洋を挟む両文明の共通の太古文明の存在が髣髴とされる。アトランティス文明である。そう言ってしまうと、いかにも荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、1万2000年前の氷河期終焉に伴う数十メートルにも及ぶ海面上昇が、各地の沿岸部の未知の都市文明を海底に沈めたことは、旧約聖書の【ノアの洪水】を待たずとも明らかになりつつある。中米マヤ・アステカとそれに先立つオルメカなどの海洋文明は、かつて大西洋上にあったいくつかの陸地(オーストラリアの数分の一程度)を拠点としていた可能性が強まっている。北米ではフロリダ半島沖のビミニロードと呼ばれる海底の人工巨石建造物、南米ではアマゾン河口にあった巨大な島嶼である。共に、紀元前数千年~1万年の過去に遡るものであることは、地質学上確実視されている。ちなみに、わが日本列島周辺にも、数年前にマスメディアを賑わせた小笠原沖の【西ノ島】の生まれたその場所に、巨大な2つの島の存在が古文書に記され、地質学的にも証明されつつある。沖縄の与那国島周辺の海底遺跡も、氷河期以前の琉球古陸から台湾・中国大陸(長江河口)に続く、海洋文明の存在が予想される。中南米の紀元前にどんどん遡ってゆく古代文明の起源が大いに注目される由縁である。・・・《続く》
伝説のアトランティス大陸に比定される、米フロリダ沖の海底巨石遺構ビミニロード。
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柳和男 アンデス楽器サンポ-ニヤ演奏
コンドルは飛んで行く付
東京上野の国立科学博物館で2月まで『古代アンデス文明展』が開催されている。これまで中米のマヤ文明と並んで、南米のインカ帝国は並び称されて来た。しかし、これはあまりにも大雑把過ぎる捉え方である。マヤ文明はメキシコ領のユカタン半島からグアテマラ・ホンジュラスなどにかけての地域に紀元6~8世紀を最盛期として栄え、後にメキシコ中部高原のアステカ帝国に引き継がれ、16世紀にイスパニアのコルテス将軍らに滅ぼされた。一方、南米のインカ帝国であるが、これも中米最後のアステカ帝国と同時期の15~16世紀にペルー(首都クスコ)に栄え、やはりイスパニアの傭兵隊長ピサロなどに滅ぼされた。共に、後の彼ら欧州人の侵攻を思わせる【白い神】の襲来によって滅亡する預言を持っていた。・・・《続く》
BEST OF LEO ROJAS
https://youtu.be/W41IFXbB5-M?t=64