かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

僕の昭和歌謡曲史/泉麻人

2009-09-13 | 
■僕の昭和歌謡曲史/泉麻人/講談社文庫/2003年
 定価571円→買価105円



 著者の泉麻人氏とは歳がひとつ違いで、昭和40年~50年代の同時期に青春時代を送っているので、彼の書くエッセイは親しみやすく、大好きな作家のひとりです。
 「僕の昭和歌謡史」も我が青春時代の思い出の歌謡曲がほとんど網羅してあり、私たちの世代には、まさに「かゆいところに手が届く」エッセイになっております。
 著者の幼少時代の昭和36年から30代前半の平成元年にわたりヒットした、昭和を代表する歌謡曲を当時の世相も交えながら軽妙な語り口で語ってくれます。また見逃せないのが、おまけ的に著者好みの歌謡曲をとりあげた「マニアのためのボーナストラック・この歌についてもひと言いいたい!」のコーナーで、その知識たるや「すごい!」のひと言です。とにかく昭和30年~50年代の音楽、TV、ラジオ、出版関係を語らせたらこの人の右に出るものはなく、ヒット曲にまつわるエピソードも思わず「あった、あった」とにんまりしながら大きくうなずいてしまいます。
 昭和の名曲とともに読者の青春時代も思い出させてくれる、昭和と言う時代への熱い思いが伝わる著者ならではの名エッセイです。