156号線を美濃市街を抜け長良川沿いに北上すると、長良川を挟んで左手にちょっと細身のミニギリシャ神殿風の白い三角屋根(百葉箱)と排水口が目にとまります。
井ノ面水力発電所は山をくりぬいた岩窟屋舎のため、少し上流に位置する長良川発電所のような本館と呼べる建物がなく、一般の人には発電所の存在が分かりにくくなっています。
ミニ神殿風百葉箱の隣には同様の古典的デザインで統一された発電所の入り口があり、「中部電力 井ノ面水力発電所」と書かれた門柱が発電所の存在を示しています。
長良川発電所のようないかにも近代建築らしい建物はありませんが、真っ白に塗られたクラッシクなデザインの百葉箱と入り口の造形には、しっかりと当時流行の歴史様式を取り入れています。
◆中部電力 井ノ面水力発電所/美濃市安毛字井ノ面874-11
竣工:大正10年(1921)
構造:岩窟屋舎
設計:板取川電気(株)
撮影:2007/04/29
対岸から見た発電所全景~排水口から勢いよく長良川に放水されています
道路に面して発電所入り口と百葉箱が並んでいます
ギリシャ神殿風デザインで統一された入り口と百葉箱