以前に美濃加茂市を散策した時に、国道21号線沿いで見つけたちょっとクラッシクな元銀行の建物を紹介しましたが、その後竣工年など詳細が判明しましたので再度アップしたいと思います。
◆旧大垣共立銀行美濃加茂支店/岐阜県美濃加茂市太田町3504
竣工:昭和27年(1952)
構造:RC2階建
撮影:2011/10/02
建物全体はまさに豆腐と呼ぶのがふさわしい直方体で、味も素っ気もありませんが、ファサードは石貼り風に目地を切り、玄関周りには2階まで通しの溝の付いた4本の付け柱(ピラスター)を配して古典様式風な味わいを残しています。
初見では戦前ぎりぎりから昭和30年代前半までくらいの建築年と想像していましたが、、「大垣共立銀行九十年史」により昭和27年竣工と判明しました。
銀行建築は昭和30年代半ばまでは戦前の様式建築の面影を残していましたが、昭和40年代の高度成長期に入ると、急速に一切の歴史様式を排除した現代建築に変わっていきます。
昭和27年に建てられた大垣共立銀行美濃加茂支店は、戦前の歴史様式の残り香をまとった最後の銀行建築と言えるかもしれません。
現代の銀行には見られないレトロな外観は、古き良き昭和30年代の面影を残しています