名鉄は古い趣のある木造駅舎が多数残っていましたが、最近は谷汲駅や八百津駅、布袋駅などの名駅舎が取り壊され、戦前からの駅舎は数えるほどになってしまいました。
可児川駅も平成19年に駅集中管理システムが導入され、駅舎の外装やホームが改装されましたが、駅舎自体は取り壊しをまぬがれ現在も開業時の面影を残しています。
可児川駅は大正14年に「ライン遊園駅」として開業、ライン下りの起点が隣の今渡駅に移る昭和44年まで、ライン下りの下車駅として賑わいました。
観光駅らしく赤い三角屋根やファサードのアールデコ風の柱など遊び心が漂う木造駅舎でしたが、下見板の外装やホームの木造待合室が撤去されたのは残念です。
現在は駅の近くにカヤバ工業や大王製紙があり、工場の通勤駅になっていますが、休日には鳩吹山登山のために利用する人も見られ、往時の観光駅の面影が蘇ります。
◆可児川駅~名古屋鉄道 広見線/岐阜県可児市土田北割田1356‐7
竣工:大正14年(1925)
構造:木造平屋
撮影:2011/10/10
柱や出入り口に幾何学的モチーフが見られるアールデコ風デザイン
待合室の木造ベンチが良い雰囲気を醸し出しています
平成11年当時の可児川駅
現在の駅舎(上の写真)と比べると外壁の下見板がトタン張りになり妻側のデザインも変更されています
ホーム側から見た駅舎~赤い三角屋根は健在ですが外壁はすべて改装されました
年代物の待合室とベンチもすべて撤去され、上の写真のようないかにも殺風景なホームになってしまいました