かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

旧萩原郵便局(愛知県一宮市)

2013-03-14 | 尾張の近代建築

旧街道美濃路沿いの萩原商店街に大正期に建てられた2軒の洋風建築が現在も残っています。
まず1軒目は萩原下町の交差点を西へ向かってすぐ左手に見える、街道沿いの建物のなかでもひときわモダンな雰囲気の建物旧萩原郵便局です。
使われなくなってかなりの年数が経過していると思われますが、ほぼ当時の大正モダンな面影(窓や玄関などは一部改変あり)を残しています。
とはいえこのまま朽ち果ててゆくのは個人的には誠に残念で、昭和レトロな商店街活性化の拠点として再活用される日が来るのを心より願っております。

◆旧萩原郵便局/愛知県一宮市萩原町串作女郎花1649
 竣工:大正15年(1926)
 構造:木造2階
 施工:清水組
 撮影:2013/03/03


■ファサードには歴史様式の名残のオーダーを配しつつ、玄関上のアーチは当時流行の表現主義風のモダンなデザイン
縦長の窓は上下に分割されサッシに変更されていますが、当初は上げ下げ窓だったと思われます



■玄関扉は撤去されガラスブロックがはめ込まれています。
アーチ中央部の縦筋の入った立体的な装飾は、まるで絞り出した生クリームのようでおいしそうです。