三河大野駅から東へ300mほど、旧大野宿の中心部、別所街道と秋葉街道が交わる交差点の角に立派な洋風建築があります。大正13年(1924)大野銀行の本店として建てられたもので、戦後は東海銀行、東三信用組合などを経て、2006年まで豊川信用金庫鳳来支店三河大野出張所として使われていました。その後2007年に大野宿 美術珈琲鳳来館としてオープン、喫茶兼ギャラリーとして再活用されています。
建物は交差点の東南角に正面玄関を配置、隅を丸くした当時の銀行やオフィスビルによく見られる外観です。外壁は石積風で1~2階を貫く付け柱や、玄関周りのオーダーやメダイオンの装飾が見所。鳳来館としてよみがえった大正時代の銀行は、林業と養蚕で栄えた鳳来町大野宿の往時をしのぶランドマーク的存在として、地域の人々に親しまれています。
■鳳来館(旧大野銀行本店)/愛知県新城市大野上野17-2
竣工:大正13年(1924)
設計:志水正太郎
施工:志水建築業務店
構造:RC造2階建(2階床、屋根は木造)
撮影:2014/05/03
※国登録有形文化財
※建物内部がご覧になれます→大野宿 美術珈琲 鳳来館
■建物東南正面
■建物南側側面
■東南角玄関周り
■玄関周りの装飾が見所
■本館の西側には初代本店と同時期(明治中期)に建てられたと思われる土蔵も残っています