かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

日本橋(3)日本銀行本店/中央区日本橋

2017-10-11 | 東京の近代建築

日本人建築家、辰野金吾が最初の国家プロジェクトとして手がけた本格的な様式建築。これ以降、お雇い外国人建築家の時代から日本人建築家が本格的に活躍する時代へと変わっていくわけで、日銀本店はその端緒を開く記念碑的建物。

全体の構成はバロックとルネサンスの折衷様式で、御影石で固めた外観は堅牢そのもの。最初の国家的大事業、それも日本銀行ということで、のちの東京駅に代表される赤煉瓦の華やかさはぐっと押さえ、ひたすら固く堅実なイメージで設計したようです。まるで城塞のような外観は、「銀行の銀行」と呼ぶにふさわしく、見るものに威厳とゆるぎない印象を感じさせます。

霊廟を思わせる国会議事堂と要塞のような日銀本店。日本を代表する近代建築は、まさに石でおおわれた「おかたい建築」の東西両横綱そろい踏みといったところでしょうか。
 

■建物西側~オーダーを並べたクラッシクな外観





■建物南側正面~残念ながら中央ドーム付近が工事用フェンスでさえぎられていました



■建物東側









■通りを挟んで日銀本店(向かって右)、三井本館(向かって左)、奥の塔のある建物は三越本店
これだけ戦前の近代建築がずらりと並ぶ通りは日本でもここだけ、まさに「近代建築の宝石箱やあ~」



■日本銀行本店/中央区日本橋本石町2-2
 竣工:明治29年(1896)
 設計:辰野金吾
 施工:直営
 構造:石・煉瓦造地上3階、地下1階
 撮影:2017/08/11
 ※国指定重要文化財