兜町証券街に残る数少ない戦前の証券会社のビルのひとつで、スパニッシュ風外観が目を引きます。スパニッシュは大正末~昭和戦前に邸宅を中心に流行った様式で、邸宅以外にも学校やホテル、公会堂、市役所などの様々な用途に広がりました。
1階は石貼り、2階より上はタイル貼り、屋根にはスペイン瓦が載ります。丸窓とアーチ窓廻りの装飾が見どころで、兜町にあっては他のオフィスビルとひと味違うちょっとオシャレな外観の証券会社です。あえて建て替えず、竣工時のまま大切に使い続けている山二証券さんに拍手です!
■証券会社というよりも、どこかのお屋敷の西洋館と呼ぶのにふさわしいたたずまい
■玄関廻りも見どころのひとつ
■スパニッシュなムードが漂うテラコッタ装飾
■山二証券/中央区日本橋兜町4-1
竣工:大正末期(1920代)
設計:西村好時
施工:清水組
構造:RC造地上4階、地下1階
撮影:2017/08/11