日本橋の野村証券から日本橋川を下ると、江戸橋のたもとに、特徴的な塔屋がひときわ目を引く建物が残っています。かつては江戸橋倉庫と呼ばれていた都市型倉庫建築(事務所が同居する倉庫)の初期のもので、当時流行した表現派風建築の代表的作品。ゆるやかな曲線を描いた壁面、船橋を模した屋上の塔屋、上層階の半円窓など、船体を思わせる個性的な外観は昭和戦前期ならでは。
現在は外壁の一部をカバーのように残し、内部にビルを建設することで当時の外観を保存しています。
■日本橋川の水辺に浮かぶ客船をイメージしたのでしょうか
■壁面の構成は同時期に建てられた学士会館によく似ています
■塔屋のデザインは船のブリッジのイメージ
■後ろの高層ビルも色遣いやデザインを旧館に統一し景観に配慮しています
■日本橋ダイヤビルディング(旧江戸橋倉庫)/中央区日本橋1-19-1
竣工:昭和5年(1930)
設計:三菱倉庫建築課
施工:竹中工務店
構造:RC造地上6階、地下1階
撮影:2017/08/11
※東京都選定歴史的建造物