近代洋画家黒田清輝の遺言により美術研究所として建設されました。現在は東京国立博物館の一部として、館内2階に黒田記念室が設けられ、遺作の数々を展示公開しており無料で入場できます。
外観は昭和初期の復興建築に好んで使われたスクラッチタイル貼り(ライトの帝国ホテルの影響)で、2階正面にイオニア式列柱6本並べた端正なルネッサンス様式。なお向かい側には同じ岡田の設計した東京芸大の陳列館が現存しています。
■黒田記念館の建つ交差点周辺には、東京芸大の陳列館、正木記念館、奏楽堂、旧京成電鉄駅舎、国際子ども図書館など多くの近代建築が集まっています
■茶色のスクラッチタイルの外観は落ち着いた雰囲気
■イオニア式列柱が目を引く岡田が得意とする古典折衷様式の外観
■玄関上部のアールヌーボー調の装飾を施したファンライト(扇窓)
■本館の向かって右側の建物が書庫
■東京文化財研究所 黒田記念館本館 ・書庫/台東区上野公園12-53
竣工:昭和3年(1928)
設計:岡田信一郎
施工:竹中工務店
構造:RC造2階
撮影:2017/08/12
※国登録有形文化財