美濃路の起宿から一宮市街へ向かう途中、三条小学校の隣に国登録有形文化財に指定された戦前の奉安殿が残っているということで寄ってみました。
そもそも奉安殿とは何ぞや?という基本的な疑問を解決するためにネットで調べたところ、「戦前の日本において、天皇と皇后の写真(御真影)と教育勅語を納めていた建物」(ウィキペディア)とありました。
当初は講堂や校舎内に奉安所として設けらましたが、御真影と教育勅語を天災や火災から守るために、耐火耐震構造の鉄筋コンクリート造や煉瓦造の独立した奉安殿が建築されるようになりました。
また御真影を納めているため、おのずとその外観は荘厳重厚なデザインになり、洋風のギリシャ建築風から日本古来の神社風建築まで意匠を凝らした物が建てられました。
戦後はGHQの指導により、奉安殿の多くが廃止、解体されましたが、一部は神社などに移築されその姿を現在に伝えています。
旧起第二尋常小学校奉安殿は昭和4年に落成、戦後隣接する三条神社境内に移築され取り壊しをまぬがれました。
神社本殿の脇に建つ純和風の奉安殿の建物は、何の違和感もなく神社の一部として周囲に溶け込んでいて、これからも神社の境内の片隅で静かに時を刻んで行くことでしょう。
◆旧起第二尋常小学校奉安殿/愛知県一宮市三条苅2
竣工:昭和4年(1929)/昭和22年(1947)頃移築
構造:RC造
撮影:2013/03/03
※国登録有形文化財
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