素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

評論家・小室直樹さんが亡くなる

2010年09月29日 | 日記
 今日の新聞を広げると、「小室直樹さん死去77歳」という見出しが目に入った。すでに4日に心不全で都内の病院で亡くなられていたみたいで、昨日公表されたみたいだ。

 小室さんは1980年代に光文社のKAPPA BUSINESSで精力的に出版されていた。最初に読んだのが「新戦争論」。その中で、“念力主義”という言葉に出会った。「みんなで団結して、楽しいクラスをつくろう」という学級目標を掲げ、『お題目』のように唱え、念じていれば素晴らしいクラスができるみたいなところがひっかかっていた私には響く言葉であった。『念力主義者になるな』ということを必ず新学期の学年やら学級で目標ができた頃に、学年通信に書いていたと思う。

 そして、ついこの間ブログに書いた“アノミー”も小室さんの「偏差値が日本を滅ぼす」で知った概念である。実は9月に入ってから本棚に10冊ほどある小室さんの本をちょくちょく読んでいたのである。今の政治の動きを考えた時、ふと小室さんは何を言っていたかなと思い、20数年ぶりに見直していたのである。そんな時の訃報である。何か因縁めいたものを感じた。

 氏の本のタイトルは過激である。「大国・日本の崩壊」「消費税の呪い」「中国共産党帝国の崩壊」「アラブの逆襲」など中身も結構ズバズバとエキサイティングである。池上彰氏の真逆という感じ。30代であった私にとっては違った視点に持って行ってくれる方であった。自分の目の前の事象のみに振り回されないということはとても大切だと思う。

 今日の別の紙面に、東京地検特捜部に逮捕され、取調べを受け、執行猶予付きの有罪が確定した佐藤 優さんが寄稿している。その最後のまとめで『検事が無理な取り調べをすることを防ぐためにも、特捜事件については直ちに全面可視化を導入すべきだ。特捜検事の労働は過酷だ。特捜部の定員を増やし、予算を増額するそして特捜検事に仕事に直接関係する以外の本を読む時間ができるようにする。視野と教養が広がれば、おのずから無理な取り調べが日本の社会と国家に与える悪影響を検事が強く意識するようになり、事態が改善すると思う。」と書いている。

 赤字の部分で、特捜検事を教師に置き換えると、今の現場のあやうさを解消する方向に向かうのではないかと考える。

 小室氏の本、これを機にちょくちょく読み続けて行きたいと思う。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする