素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

元・世界銀行副総裁の西水美恵子さんの本が2冊届く

2012年11月04日 | 日記
 ちょうど1週間前の毎日新聞の朝刊『時代の風』に西水美恵子さんの文が掲載されていた。「グローバル人材育成」という最近よく言われる日本の課題についてである。

 海外事業拡大のために異文化の中で活躍できる人材を育てたいがどうしたらよいかわからないという相談をよく受けるらしいが、課題が的をはずれているのだから、分からないのは当然と冒頭で指摘する。

 そして日本人社員が外国人になりきることはできないのだから異文化の観点を企業のグローバル化に役立てたいのなら外国人を雇うのが本筋である。と言い切る。

 だからグローバル企業の課題は、多民族社員の文化的な違いそのものを会社の財産にすること。違いをプラスにする仕事の流儀、つまり、多様な選手の結束力を武器にした、なでしこジャパンのような本物のチーム精神を、組織文化の主流にすることである。と断じる。

 それには社員をチーム育成の研修に送り込んでよし!ではなく、まず研修は社長から!という意識が大切という。トップが納得した上で、チームの観点から組織を徹底的に見直さなければ、従来からある組織文化はびくともしないからである。

 西水さんが勤めた世界銀行も約15年前までは、チーム精神からかけ離れた中央集権ワシントン命令型だったという。現地事務所の権限は皆無に等しく、いちいちワシントンにおうかがいをたて、本部の意思を顧客に伝えるだけの伝達係。仕事が遅い上、不適切な判断が頻繁であったという。

 そこで、西水さんは国籍、民族はもとより専門分野の違う男女などが異質の観点や反対意見を尊重し、正直で率直な会話を通してさまざまな違いを超越して毎日が楽しくてたまらないチーム主流の組織づくりに尽力した。その結果、真のグローバル人材を生み、育んでくれたと振り返る。

 その道程が『あなたの中のリーダーへ』(英治出版)に紹介してあると書かれていたので即取り寄せることにした。ついでに3年前に出版された『国をつくるという仕事』も一緒に購入した。

 今、教育界ですすんでいる組織づくりともリンクするものがあるのではないかと感じたし、私自身が組織を考えてきた上で大事やなとおもってきたことともつながっているように思えた。

 『時代の風』の文を読んでの一目ぼれであった。今日2冊の本が届いた。ゆっくり読んでいきたい。秋の夜長といえど読みたい本が列をなしている感じで退屈する間がない。
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