6月8日に群馬・新潟県境にある平標山(たいらっぴょうやま、標高1984m)・仙ノ倉山(せんのくらやま、同2026m)を歩いてきた。
その②では、平標山から前仙ノ倉山にかけての鞍部に広がるお花畑に咲いている花々を中心に、花いっぱいの様子をご覧いただきたい。
(地図はクリックすると大きくなります。)
では、その①の続きから始めることとしよう。
松手山の山頂を示す標柱のすぐ後に、その花は咲いていた。
シャクナゲ、それも驚いたことにハクサンシャクナゲ(白山石楠花、Rhododendron brachycarpum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)だった。
平標山を含めて谷川連峰ではシャクナゲが有名だが、そのシャクナゲはアズマシャクナゲだ。アズマシャクナゲについては、この記事の後半にいくつか写真でご覧いただくつもりだ。昨年谷川主脈を縦走した際には、峰々でアズマシャクナゲを観てきた。
しかしここで咲いていたのは、明らかにハクサンシャクナゲだ。
アズマシャクナゲとハクサンシャクナゲを比較して観ておこう。
アズマシャクナゲは、本州東北地方の岩手県・宮城県・山形県以南、関東地方、中部地方の長野県・静岡県までの範囲に分布し、亜高山帯の林内、稜線上などに自生する。一方ハクサンシャクナゲは、北海道・本州(中部地方以北)・四国(石鎚山)、および朝鮮半島北部の亜高山帯から一部はハイマツ帯まで分布する。高山の針葉樹林に生える。
アズマシャクナゲの花期は5~6月で、、花冠は直径4~5cmの漏斗形で5裂する。花色は紅紫色で、蕾のうちは色が濃いが、開花するにつれ薄くなる。一方ハクサンシャクナゲの花期は6~8月で、花冠は直径3~4cmの漏斗形で5裂する。 花色は白色から淡紅色で、内側に薄い緑色の斑点がある。
この個体では花冠の内側に緑色の斑点がよく目立っていた。
アカモノもたくさん咲いていて、イワカガミやマイヅルソウも多く観られた。ツマトリソウも咲いていた(写真はイワカガミ)。
標高1680m付近の稜線上に休めそうなところがあったので、そこでザックを下ろし、早めの昼食を摂った。サンドウィッチが美味しかった。
振り返ると歩いてきた道が見え、遠くに苗場山(標高2145m)や佐武流山(同2192m)が見えた。
休憩後は標高1880m付近までいっきに登った。途中黄色いスミレを観た。ナエバキスミレ(苗場黄菫、Viola brevistipulata var. kishidae)のように思えた。
陽当りのよいところにヨツバシオガマ(四葉塩釜、Pedicularis japonica、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)も観られた。ハクサンチドリらしい葉をつけた植物も観られたが、花はまだ咲いていなかった。
標高1880m付近から、お待ちかねのハクサンイチゲ(白山一華、Anemone narcissiflora、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)が出てきた。
今年は霜害も無く、たくさん咲いていて見事だった。
多くのハイカーが足を止めて撮影していた。
標高が1700m付近で花が終わっていたエチゴキジムシロ(越後雉子筵、Potentilla togasii、バラ科キジムシロ属の多年草)が、ここではきれいに咲いていた。
アズマシャクナゲ(東石楠花、Rhododendron degronianum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)も観られるようになってきた。
そして山頂のすぐ手前で、ミツバオウレン(三葉黄蓮、Coptis trifolia、キンポウゲ科オウレン属の多年草)が群生していた。
9時30陣に平標山の山頂に到着した。広い山頂に輪を描くようにして大勢のハイカーが休んでいたが、写真の方向だけは人がいなかった。
標柱の写真だけを撮って、すぐに仙ノ倉山に向かった。
さてここからがお花畑の始まりだ。仙ノ倉山までのコースタイムは、標柱に記された時間だと55分だが、撮影に時間がかさむので、さてどのくらいかかるだろうか?
先ずはエチゴキジムシロ。
続いてハクサンコザクラ(白山小桜、Primula cuneifolia Ledeb. var. hakusanensis、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)とハクサンイチゲのツーショット。背景にエチゴキジムシロ。
エチゴキジムシロ。
チングルマ(稚児車、Sieversia pentapetala、バラ科チングルマ属またはダイコンソウ属の落葉小低木)。
ハクサンイチゲの群落。蕾が多くあり、まだこれから花数が増えそうだ。
お花畑がずっと続いている。
ハクサンコザクラ。
ハクサンイチゲ。
ハクサンコザクラ。
アズマシャクナゲ。
数百メートル続いた鞍部を抜けて、前仙ノ倉山(標高2021m)に向けて登っていく。先を行く団体さんに追いついてその末尾をずっと歩いた。
足元にもハクサンイチゲ。
前仙ノ倉山付近の稜線から観た南方向の眺め。
10時23分、仙ノ倉山(標高2026m)に到着した。平標山からは53分で、ほぼコースタイム通りだった。
『花いっぱいの平標山・仙ノ倉山ハイキング(その③ 仙ノ倉山~平標山~平標山の家~平標登山口)』に続く。
その②では、平標山から前仙ノ倉山にかけての鞍部に広がるお花畑に咲いている花々を中心に、花いっぱいの様子をご覧いただきたい。
(地図はクリックすると大きくなります。)
では、その①の続きから始めることとしよう。
松手山の山頂を示す標柱のすぐ後に、その花は咲いていた。
シャクナゲ、それも驚いたことにハクサンシャクナゲ(白山石楠花、Rhododendron brachycarpum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)だった。
平標山を含めて谷川連峰ではシャクナゲが有名だが、そのシャクナゲはアズマシャクナゲだ。アズマシャクナゲについては、この記事の後半にいくつか写真でご覧いただくつもりだ。昨年谷川主脈を縦走した際には、峰々でアズマシャクナゲを観てきた。
しかしここで咲いていたのは、明らかにハクサンシャクナゲだ。
アズマシャクナゲとハクサンシャクナゲを比較して観ておこう。
アズマシャクナゲは、本州東北地方の岩手県・宮城県・山形県以南、関東地方、中部地方の長野県・静岡県までの範囲に分布し、亜高山帯の林内、稜線上などに自生する。一方ハクサンシャクナゲは、北海道・本州(中部地方以北)・四国(石鎚山)、および朝鮮半島北部の亜高山帯から一部はハイマツ帯まで分布する。高山の針葉樹林に生える。
アズマシャクナゲの花期は5~6月で、、花冠は直径4~5cmの漏斗形で5裂する。花色は紅紫色で、蕾のうちは色が濃いが、開花するにつれ薄くなる。一方ハクサンシャクナゲの花期は6~8月で、花冠は直径3~4cmの漏斗形で5裂する。 花色は白色から淡紅色で、内側に薄い緑色の斑点がある。
この個体では花冠の内側に緑色の斑点がよく目立っていた。
アカモノもたくさん咲いていて、イワカガミやマイヅルソウも多く観られた。ツマトリソウも咲いていた(写真はイワカガミ)。
標高1680m付近の稜線上に休めそうなところがあったので、そこでザックを下ろし、早めの昼食を摂った。サンドウィッチが美味しかった。
振り返ると歩いてきた道が見え、遠くに苗場山(標高2145m)や佐武流山(同2192m)が見えた。
休憩後は標高1880m付近までいっきに登った。途中黄色いスミレを観た。ナエバキスミレ(苗場黄菫、Viola brevistipulata var. kishidae)のように思えた。
陽当りのよいところにヨツバシオガマ(四葉塩釜、Pedicularis japonica、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)も観られた。ハクサンチドリらしい葉をつけた植物も観られたが、花はまだ咲いていなかった。
標高1880m付近から、お待ちかねのハクサンイチゲ(白山一華、Anemone narcissiflora、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)が出てきた。
今年は霜害も無く、たくさん咲いていて見事だった。
多くのハイカーが足を止めて撮影していた。
標高が1700m付近で花が終わっていたエチゴキジムシロ(越後雉子筵、Potentilla togasii、バラ科キジムシロ属の多年草)が、ここではきれいに咲いていた。
アズマシャクナゲ(東石楠花、Rhododendron degronianum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)も観られるようになってきた。
そして山頂のすぐ手前で、ミツバオウレン(三葉黄蓮、Coptis trifolia、キンポウゲ科オウレン属の多年草)が群生していた。
9時30陣に平標山の山頂に到着した。広い山頂に輪を描くようにして大勢のハイカーが休んでいたが、写真の方向だけは人がいなかった。
標柱の写真だけを撮って、すぐに仙ノ倉山に向かった。
さてここからがお花畑の始まりだ。仙ノ倉山までのコースタイムは、標柱に記された時間だと55分だが、撮影に時間がかさむので、さてどのくらいかかるだろうか?
先ずはエチゴキジムシロ。
続いてハクサンコザクラ(白山小桜、Primula cuneifolia Ledeb. var. hakusanensis、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)とハクサンイチゲのツーショット。背景にエチゴキジムシロ。
エチゴキジムシロ。
チングルマ(稚児車、Sieversia pentapetala、バラ科チングルマ属またはダイコンソウ属の落葉小低木)。
ハクサンイチゲの群落。蕾が多くあり、まだこれから花数が増えそうだ。
お花畑がずっと続いている。
ハクサンコザクラ。
ハクサンイチゲ。
ハクサンコザクラ。
アズマシャクナゲ。
数百メートル続いた鞍部を抜けて、前仙ノ倉山(標高2021m)に向けて登っていく。先を行く団体さんに追いついてその末尾をずっと歩いた。
足元にもハクサンイチゲ。
前仙ノ倉山付近の稜線から観た南方向の眺め。
10時23分、仙ノ倉山(標高2026m)に到着した。平標山からは53分で、ほぼコースタイム通りだった。
『花いっぱいの平標山・仙ノ倉山ハイキング(その③ 仙ノ倉山~平標山~平標山の家~平標登山口)』に続く。
白山が付くものが多いのに驚きます。
shuさんが行かれる白山から、種が飛んできているかのよう~😵
苗場山(標高2145m)や佐武流山(同2192m)
みんな2000mを超える高山なんですね。
そこに雪が降り、田んぼの水を湿しているのが伝わってきます。
頂上の景色、360度の展望、花、景色、
楽しませていただきました。
ありがとうございます^^
ナエバキスミレ・エチゴキジムシロ等、固有種が多く見られるのは魅力ですネ。
チングルマの群生は中央アルプス・駒ケ岳でも良く見られましたが
ハクサンイチゲの大群生は目にした事が在りません。
壮観ですネ。
矢張り現地の環境で咲いている高山の植物は生き生きとしており、貴重で、魅力的ですネ。
ハクサンが付く高山植物は数が多いですね。白山で早くから学術調査が行われたためです。
ハクサンコザクラのように、牧野博士によって学名が付けられたものもあります。
白山とは地続きですが、白山から種が飛んできたわけではありません(笑)
さて、春から夏にかけては靄がかかり遠望が利きません。
遠くに見える山は志賀高原の山かあるいは北アルプスだと思いながら、よく分かりませんでした。
季節が良ければ北アルプスが見えると思います。
急に暑くなってきました。
山に行くのさえもちょっと億劫な気持ちです。
平標山を含む谷川連峰には固有種はなかったと思います。
ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラは日本固有種で、本州の中部地方以北の広い範囲で観られます。
ナエバキスミレも日本固有種ですが、観られる範囲は比較的狭く、飯豊山、谷川連峰、白砂山。鳥甲山、苗場山、岩菅山などで観られます。
エチゴキジムシロも日本の固有種です。本州の滋賀県以北の日本海側に分布しています。エチゴの名前が付いているのは、新潟県で最初に標本が採取されたからのようです。
それはさておいて、平標山と前仙ノ倉山との間の鞍部は平坦で、冬には大量の雪が積もるので、高山植物が豊富です。
毎年この時期には大勢のハイカーがやって来ます。
今年は梅雨入りが遅く、週末が晴天に恵まれました。
始めた来られた方も満足されたようです。
高山植物も2000mくらいだと早いですね。
ハクサンイチゲは白馬岳や木曽駒ケ岳では7月下旬の花でした。
私の経験では2800mを超えてくると、上り坂が堪えてきます。木曽駒ケ岳の山頂付近の上りでは、ちょっと歩いただけでしんどくなって小休止していました。
さすが2000m級の山は涼しそうですね!
しかも高山植物が咲き乱れ、夢のような光景です。
ハクサンイチゲはこんなに群生しているのですね。
どこでもドアがあったら今すぐにでも行きたいです。
シャクナゲの説明もありがとうございました。
ハクサンシャクナゲの方が高山に生えるイメージでよろしいでしょうか。
咲く季節が違うことも参考になりそうで宇s。
チングルマも咲いていましたね~
これだけ色々な花が咲いていたら、全然先に進まなさそうです^^;
今日の京都は何回も報道されていましたが、35.9℃まで気温があがりました。
職場でも、今年は40℃超える日があるやろうね~
35℃でも涼しいと思う日があったりして・・・
などという会話が飛び交っていました。
標高2800mの壁ですね。分かります。
私の場合は標高2700mがそれでした。
実は白山の標高が2702mなので、行きつけていたせいかその高さは平気でした。
ところが立山に初めて登った際に、標高2700mの一ノ越を過ぎた当たりから頭が痛くなり出しました。
標高3003mの雄山と3015mの大汝山には何とか登ったのですが、ずっと頭が痛いままでした。
それが一ノ越まで下りたらすっかり痛みが消えました。生まれて初めての高山病でした。
その後3000m級の山に何度か登っているうちに、頭が痛くなることはなくなりました。
やはり慣れなのでしょうかね。
標高が1000m上がると気温は6℃下がるそうです。2000mでは12℃ですね。
その割にこの日は暑かったです。下界はもっと暑かったでしょうね。
平標山と前仙ノ倉山との間には、300mほどの傾斜の緩やかな鞍部があります。
そこに大量に降り積もった雪が、春になって解けると、一面のお花畑となります。
例年は梅雨の間に観られる光景ですが、今年は雪が少なかったこともあり、今の時期に観られています。
日本に自生するシャクナゲは9種あります。このうち高山に咲くのはキバナシャクナゲとハクサンシャクナゲです。
ただシャクナゲと言われる場合は、東日本・中日本ではアズマシャクナゲ、西日本ではホンシャクナゲだと思います。
その他は特定の地域に観られるシャクナゲですが、アマギシャクナゲは庭木によく使われているようです。
今日の暑さはこちらでも身体に応えました。
京都は特に暑かったようで、大変でしたね。
高校3年生の夏に、大学へ下見に行きました。その時の京都は37℃ありました。
大学の4年間で、夏に京都にいたのは4回生の時だけで、あとはどこかへ旅していました。
さすがに4回生の時は卒論で忙しく、夏も実験をしていました。暑かったですね。
今年は40℃超えですか? 勘弁して欲しいですね。